第67話 ほわっと・きゃん・ゆ~・どぅ?

 なんやかんやで旅館を後に学校へ戻った御一行。

 数日遅れで軽トラックでやってきた周さん。

 誰も立ち入らない食堂へ案内されいた。

「荒れてるアルね」

「誰も掃除してないですからね」

 自分だって旅立っていたくせに他人の掃除の悪さを指摘する田中さん(現校長)

 必要な場所以外の清掃とかしないから…彼らは。

「よし‼ 周さん、清掃から始めましょう」

 田中さん意気揚々と生徒会室へやってきたのである。

「え~皆さん、今日は食堂の清掃を行ってもらいます」

「あん?」

 田中校長の発言に真っ先に反応したのは青海である。

 一言ではあるが、力強い拒否で応えた。

「ハッハハハハ、田中さんとやら、私は生徒ではないので清掃はしませんぞ」

 扇子を広げて田中さんをバカにするように仰ぐ秋季。

「無論、俺もだ」

 同調する夏男、現在冬華とジェンガ真っ最中である。

「爺や(ゾンビ)と婆や(もちろんゾンビ)を呼びましょうか?」

 春奈も自分でやるつもりなどない、まさかのゾンビを招集するつもりだ。

「冬華、僕らは…やるべきじゃないかな?」

 小太郎が真剣にジェンガと向き合っている冬華を誘ってはみた。

「話しかけるなです‼負けたら言うことを聞かなければならんのです‼」

 頭っから聞いてない冬華、今、緊張の場面なのである。ジェンガ的に…。

「僕がレーザーで一掃しましょうか? ゾンビでしょ?焼き尽くせばいいんですね」

「いや…向井君…掃除ってそういうことじゃないんだよ」

「未来って清掃の概念が違うのかしら?先生ビックリするわ、発想が、まさかの巨〇兵?」

「ラ〇ュタです‼」

 冬華がガタッと椅子から立ち上がる。

「いや風の谷の方だろ‼あっ‼」

 その勢いでジェンガが崩れる。

「……無効試合です‼ 冬華、無敗伝説継続中です‼」

「負けそうだったからな…ちっこい先輩」

 青海が致し方ないといった顔で夏男を見る。

「勝ったら…言うつもりだったんだ…靴下くださいってね」

「ハッハハハ夏男よ、そこらのゾンビの靴下を貰えばいいではないか」

「もうゾンビじゃ我慢できねぇんだ、俺は生きている新鮮な靴下が欲しんだ‼」

「死んだらよろしいのですわ」

 夏男の気持ち悪い告白を阻止できただけでも良かったのだと思いたい。

「さて帰るか?」

 青海が鞄からバイクの鍵を取り出す。

「帰るかじゃないんだよ‼ 清掃時間なんだよ‼」

 田中さんのことなど誰も気にしちゃいない。

「テメェがやれよ‼」

 立ち直った夏男が田中さんにキレだした。

「僕はここの校長なんだよ…校長の言うことは絶った~い‼」

「テメェの能力は、そこまでの効果はねぇんだよ‼」

「能力…そういえば、周さんの能力ってなんなんでしょうね?」

 一同、今更ながらハッと小太郎の言葉に反応した。

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