第66話 じょぶ・ちぇんじゃ~
「生存メンバーに初の外国人枠‼ 乾杯‼」
オリーブの中で泳ぐ刺身を食わされた夏男が元気よく乾杯の音頭を取る。
「外国人枠、外国人枠と騒いでいますが…僕は未来人枠なんです…僕の方が凄くないですか?」
向井君、軽い嫉妬である。
「オメェのは自称であって確証がねぇ‼ だから無効だ‼」
夏男が向井君を指さし馬鹿にする。
「なるほど…では新たな未来を切り開くために、今ここで貴方を消し炭に変えましょう‼」
「やってみろバーカ、貴様のレーザーなんざ白いモノを着なきゃ役に立たねぇんだよ‼」
「白いモノですか? とりあえずコレで」
冬華が周さんのコック帽を夏男の頭に被せる。
「OK‼ 照射‼フルレッド・タイツ‼」
向井君の左手から強烈なサイ〇ガン…いやレーザーが照射された。
ジュンッ‼
コック帽に大きな穴が開き焦げている。
夏男の表情が凍り付く。
「あっ…アブねぇだろうが‼ 帽子が低けりゃ頭が半分持って行かれるとこだろうが‼」
「惜しかったです‼」
「惜しくねぇのよ~冬華ちゃん…頭皮が一直線に持っていかれてんだわ俺」
夏男の頭は逆モヒカンになっていた。
「まぁ、さすがの威力ですわ今度はエプロンを着せたらいいのでわ?」
「腹に風穴開けるです‼」
「さすがの俺も腹に風穴開けられたんじゃゾンビにすらなれねぇんじゃねぇかな‼」
夏男が畳に叩きつけた穴あきコック帽を拾った周さん
「あぁ…祖父の形見の帽子が…帽子がー‼」
周さんが穴の開いた帽子を握りしめ膝から崩れ落ちる。
「形見? それお爺さんの形見だったんですか?」
小太郎が周さんに尋ねた。
「形見? どうりで臭ぇと思ったぜ」
「空気読め‼ エロメガネパイセン‼」
容姿と言動はアレだが意外と常識はある青海。
「とりあえず向井君、謝って」
小太郎が向井君に謝罪を促すが…
(メッチャ嫌そうな顔してるー‼)
「会長パイセン、謝るなら、まずは無銭飲食の件からだぜ、なんか食っちゃってすいませんでした」
青海が頭を下げる。
「払う気はないアルね…」
(罪がひとつ加算されたー‼)
「おいおい‼ 謝るなら俺の方だろがい‼ 脳天に風穴空くとこだったんだぞ‼」
逆モヒカン夏男が割って入る。
(面倒くせぇな~)
ギャアギャア騒ぐ最中、周さんが立ち上がった。
「もういいアルよ」
「えっホント? 払わなくてもいいってラッキーね、先生教員でありながら無銭飲食とかカッコ悪いな~って心配しちゃった」
「いつまでも…祖父の名前に縛られたくないアルよ…ワタシ、違う場所で一から出直すアル」
「そういうことなら、わが校へ来たらどうでしょう?」
シレッと田中さん。
「わが校?」
小太郎が田中さんの顔を見る。
「まぁ…一応…校長だったか?な?ハッハハハ」
「学食を任せたい…アナタに」
立花先生の酔いも醒める展開であった。
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