第30話 れっどすね~く・かもん

「うむ…偉く攻撃的な能力だな…」

 さすがの秋季も驚きを隠せないようだ。

「そうね、牛乳瓶がパーンッだもの…先生、ドン引きよ」

「コレがミラクル地球人の能力か? すげぇぜ…会長先輩とは比べ物にならねぇ」

「まぁ、会長くんの能力も便利ですわよ、自動販売機で10円が足りなくなったときとか」

「限定的な便利屋です‼」

「ププッ‼ 小太郎、完全敗北…ウケる」

「エロ眼鏡よりマシですけどね…」

「喧嘩売ってんのかこの野郎‼」

「……ホント…この場でゾンビに変えますよ」

 静かにキレる小太郎に少し怯んだ夏男、すぐに話題を切り替える。

「なんで、そんな能力を持っていてスケルトンに怯えるんだ?」

「私の能力は…私も、かつては救世主と持て囃されたのです」

「でしょうね‼ そんな能力を持っていたら、そりゃそうでしょうね‼」

「夏男、なんで半ギレです?」

「救世主 向井と持て囃され、女にもモテました」

「喧嘩売ってんのかテメェ‼」

「夏男、今度はマジギレです‼」

「襲い来るスケルトンを貫いて、夜は女のハートを撃ち抜きました」

「よぉーしいい度胸だ、表出ろ、この野郎‼」

「調子に乗っていたんです…あの黒いスケルトンが出てくるまで、私は…私の能力なんて無力だったんです」

「まぁ、無力なんてことないと思いますけど?」

「うむ…私のゴッド・イーターといい勝負だと思うが?」

「秋季さんのは…暗黒属性に無効なのでは?」

「うむ…真逆のような能力かもな」

「…どうでもいいですけど」

「ところで黒いスケルトンって…先生トラウマなんですけど」

「そうですね、妙に親近感が湧くというか」

「未来にも俺と同じようなことをしているヤツがいるのかもな、ハハハハ‼」

「夏男じゃないですか?」

「先生、気になってたんだけど…アンタ、いつの時代から来たの?」

「今から30年先の未来から…」

「どんな世界になってるの?」

「サマーマンと名乗る男に支配された、スケルトンが暴れまわる世界です」

「キミの能力は、スケルトンへの憎しみが産んだ能力なのね、先生感動‼」

「いえ…子供の頃、牛乳が飲めなくて…こんなもの無ければいいと‼」

「なんと、牛乳嫌いが産んだ能力とな 天晴‼」

「私の能力、フル・レッド・タイツは白いモノを破壊する能力です」

「あ~ソレで黒いスケルトンにはね…なるほど~無力だったわけですな~‼」

「ソレで来たんです、かつて黒いスケルトンを撃退したという伝説の男に会いに‼」

「ソレが小太郎会長というわけか…うむ、納得‼」

「納得?」

 小太郎が驚いている。

「先生も納得」

「嘘でしょ?」

「まぁ、会長くんは、なにが不満なのかしら?」

「ズバリ、カルシウム不足です‼」

「違うんだ…色々とズレてるんだよー‼」

 叫ぶ小太郎。

(誰も興味持たないけど…向井って言うんだ彼)

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