第435話 やっと、光の精霊王様の、番!2

私たちに任せて!と、宣言したジーニ様とフゥ。どうする気なのかな?


『ゲンさん、おれ、嫌な予感しかしないんだけど』

『奇遇だな、クゥ。俺もだよ』

「うにゅ?」

嫌な予感?何かな?



〖ふふふ⋯残念ねぇ。あのまますんなり名付けまで行ってたら、光の精霊王だって、今ごろ結葉やアイナみたいな、ハリツヤうる肌を手に入れてたでしょうにねぇ?〗


ぴくっ


ジーニ様?なんで大きい声?それでもって、なんでお芝居風?

『あ~やっぱり』

『そんなことだろうと思ったよな』

「う?」

クゥとおいちゃんは分かったの?


『そうですね。胸やおしりだって、今ごろサーヤと凛さんで言うところのボン・キュッ・ボンッに磨きがかかってたかもしれませんよねぇ?』


ぴくくっ


だから、フゥもなんで大きい声?しかも、ちょっと棒読み?


『あらあらまあまあ?なぁんですってぇ?』

『凛さん!どうどう!あれは作戦っ』ゴッ!『だっ!』

『ゲンさん!私は馬じゃないわ!』

『ぷっ。今はクマ』

キッ『ミア?』

『いてて⋯頭突きはやめてくれ。顎が割れる。それから、ミアは黙っててくれ⋯』

『ふっ。やだ』


おばあちゃん、何してるの?

『サーヤ、気にするな』

クゥ?


〖そうねぇ。精霊たちだって胸やヒップが上がったって騒いだものね?〗


ピクッ


『それもこれも名前をサーヤにつけてもらったからですよねぇ?』


ピククッ


『あらあらまあまあ!?』バタバタバタっ

『だから、凛さん抑えて!』

『ふっ。無理』

なんでおいちゃん、おばあちゃんを羽交い締め?おばあちゃん、足浮いてるよ?

『サーヤ、何も見えない、聞こえないが大事なんだぞ?』

クゥ?


〖そうねぇ。でも、それだけじゃないわよね?今までにない美がここにいれば手に入るもの。健康的で美味しい食事はもちろんだけど〗ニヤッ


ピクピク


『そうですね。温泉にシャンプー、コンディショナー、化粧水。でもやっぱり⋯』にまっ


ピクピクッ


ジーニ様とフゥは相変わらずおっきな声でお芝居⋯あ、あれ?光の精霊王様?ピクピク?


〖名付けの後だと、その効果だって〗

『段違いですよね』

〖『残念ねぇ(です)』〗


カッ!ガバーッ


『『ヒィッ!?』』

『お姉様!?』

『目ぇかっ開いて起きたにゃーっ!?』

『『怖いですわ(にゃ)!!』』

目の前で急に起き上がった光の精霊王様。アイナ様とニャーニャにゃんは、びっくりして地面にペタンしちゃいました。


『あ~ありゃ、腰抜かしたな』

『あらあらまあまあ?光の精霊王様、目がおかしいわね?光線でも出そうね』

『ぷっ。さっきまでの自分』

『あらあら?ミア?何かしら?』

『さあ?』ふい~

みあちゃん、怖いもの知らずです。


〖ふっ。やっぱりだったわね〗ニヤリ

『はい。同士ですね』にんまり

なんか、こっちも怖いです。笑顔なのに怖いです!


目を覚まして、キョロキョロしだした光の精霊王様。なにを探してるのかな?と、思ったその時、バチッとサーヤと目が合って⋯


ピカーンッ!


「ふあっ!?」

こっち見たこっち見た!?


『⋯⋯』にやぁ


「ふおっ!?」

笑った笑った!?


ゆらぁ~すーうっ


「こわこわこわこわ!?」

こっち来たこっち来た!?


『お父さん~怖い~』

『ハク、だ、大丈夫だ。⋯多分』

『多分って何~?』

ぴゅいきゅい『『おとうしゃあん!』』

ビタっ『ぶふっ』

ぴゅいきゅい『『こわいこわいーっ』』

ぎゅうぎゅう『く、くるしい⋯』

『モモ、スイ、アルコン様窒息しちまうぞ』

「おいちゃ~ん」

それより、助けてーっ

『む、無茶言うなよ。俺だって怖い』

そうこうしてる間に


す~って、す~って来ちゃったよーっ


『うふふ。サーヤちゃん、ジーニ様たちのお言葉は本当ですの?』にたぁ


「え、えちょ、えちょ、さーや、おこちゃまだかりゃ、わかりゃにゃい⋯」

た、助けて~おいちゃん!ぎゅうう

『お、おい、しがみつくな』

ダメです。離しませぬ!


『うふふ。そうですの?それでは、ゲンさんに、ギンさんはいかがですの?』にこぉ


『い、いや、私はフェンリルで雄だからそういうことは⋯』

『そ、そうだよな。俺も男だし、美容に関しては⋯』

ギン様とおいちゃんもブルブルです。


『あらあらまあまあ?でも、若返ったのよね?』

『力も強くなった』

あっ!お、おばあちゃん、みあちゃん?なんてことを!?


『そ、それはまぁ』

『そうなんだが⋯』

うわぁ、汗ダラダラだよ

『『サーヤもな』』

やっぱり?だらだらだらだら⋯


『うふふ。なんだ。やはり若返ったのではありませんの?隠すなんて、ダ・メ、ですわよねぇ』にぃ~

『は、はい』

『す、すまん』

ギン様、おいちゃん、負けてるよ!?


『うふふふふ。では、サーヤちゃん、私にも速くお名前を、ク・ダ・サ・イ・ナ♪』にぃっこり

「あ、あい」

怖いよ怖いよ怖いよ~

『さあ、は・や・く♪ですわ♪』

こわこわこわこわ


「あ、あい。ひかりにょせいれいおうしゃま、おにゃまえ、りの、どうでしゅか?」

は、はやくつけなきゃ!


『うふふ。私はこれより、光の精霊王、リノ。お名前、頂戴致しましたわ』

ピカーっ


うぎゃーっまぶっ

むぎゅううううっ

ぐ、ぐるちぃ⋯

すうーっ

あ、あれ、しかも動いてる!?


『ああっ!サーヤ!?』

『いつの間に!?』

ええ?おいちゃんとギン様の声がさっきより遠い!?


『さあ!行きましょう!温泉へ!ジーニ様、フゥさん!案内よろしくお願い致しますですわ!』

ええ~?


『にゃにゃっ?サーヤちゃんが拐われてるにゃ!』

『お姉様!?サーヤちゃんをお返しくださいませ!?』

アイナ様、ニャーニャにゃん、助けてーっ


〖任せなさい。さあ、行くわよ!〗

『はい!美のために!』

『よろしくお願い致しますですわ!』

「ふにゃーっ」

誰か助けてーっ


『『『サーヤちゃーんっ』』』

ぽぽちゃんたち、助けてーっ


『お父さん~新しいパターンだね~』

『あ、ああ。名付けられたご本人自ら、サーヤの目隠しをしていたな』

苦しそうだったが⋯


ぴゅい~『サーヤつれてかれちゃった~』

きゅい~『たすけなくていいの~?』

ぴゅいきゅい『『おとうしゃん、どうしよう?』』

『あ、ああ、そうだな。けどな⋯』

すまん。無理だ⋯


『あらあらまあまあ?男はダメねぇ』

『だめだね』

『さあ、結葉様、連れてってくださいな』

『はやく、だっこ』

『え~その前に、チビすらちゃん、アルにアウルも、許してぇ』

ぷるん『仕方ない』

ぷるるん『サーヤ助けるため』

ぷるるるん『『『『『⋯』』』』』ぴょんぴょん

『ふ~助かったわぁ』

『ぷっ。まだスライムまみれだった』

『さ、じゃあ、追いかけましょうかぁ。あっ、でも、女性とちびっこたちだけよぉ。男性は、お・あ・ず・け♪』

『あ、ああ。そうだな』

『お任せ致します』

『頼んだ』

結葉様、全く反省の色は見られないですね。



『うふふ。楽しみですわ~』

〖温泉は最高よ♪〗

『同士が増えて嬉しいです』

〖どんどん美を追求しないとねぇ〗

『『はい(ですわ)!』』

「ふみゃ~っ」

だれか助けてーっ


〖『『うふふふふふ♪』』〗


美を追求する同盟に新たなメンバーが加わりました。


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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