第420話 寝起きを襲われました

「くえっ」

ぐ、ぐるじっ

寝起きを襲われてしまいました⋯


この人は誰でしょうか?誰だか分かりませんが、またまた、うらやまけしからん凶器をお持ちの方が増えたことは間違いありません。


『あああっかわいいかわいいかわいいですわ~!』

むぎゅううっ


「く、くりゅちっ」

中身出ちゃいますよ、くえっ


ズビシッ

『あいたっ!ですわっ』

しゅぽんっ

「ぷはぁ~」

空気です!この苦しくないけど、けしからんお胸は~


『んもう!ジーニ様といい、光ちゃんといい、なんでサーヤを窒息させようとするのかしらぁ?サーヤ、大丈夫ぅ?』

「あい。あいがちょ」

やっぱり安心な結葉様のお胸です。ぴとっと張り付きます。


『あ~ん。痛いじゃありませんか。何をするのですかぁ~お母様』

『サーヤを襲った罰よぉ。ねぇ?』

頭のてっぺんを押さえる美人さん。結葉様が脳天にチョップしたみたいです。それにしても、


「おかあしゃま?」

だれが?


『サーヤちゃん、大丈夫ですか?光のお姉様が申し訳ございませんですわ』

「ふあ?」

光のお姉さま?


『そうにゃよ。この方は光の精霊王様にゃ。結葉様の娘で、ご主人のお姉様にゃよ』

「ふお~?」

光の精霊王さま!


『ほらぁ、ごめんなさいして、ご挨拶しなさいなぁ。じゃないと、ずーっっと、寝起きを襲うあやしい人よぉ?ねぇ?サーヤにみんな』

「あい。ありぇ?」

みんな?そう言えばみんなは?下を見ると、みんながそろ~ってお布団からおめめ出してます。


「みんにゃ、じゅりゅい」

サーヤだけ捕まりました。


『ごめんね~?』

ぴゅいきゅい~『『だってぇ』』

『『すごいお顔でね』』

『『『とんできたんだよ~』』』

みゃあ『そうにゃ~だから、思わず』

『みんなで隠れたのだ~』

きゅるるん『『『サーヤ』』』

きゅるるん『『『『ごめんね~』』』』

「ぶー。ちかたにゃい。だいじぶ」

結葉様助けてくれたし~。きゅっ


『あ~んっごめんなさいですわ~。だってぇ、とっても可愛いのですものぉ』うっうっ


「うにゅ~。だいじぶ」

もう、むぎゅうしないならいいよ


『ええ?苦しくしないから抱っこさせてくださいませぇ』うるうる


「む~」

そんな泣かなくても~。苦しくしないならちょっとくらいいいよ~。ちょっとなら~


『ああっ、ちょっとでもいいですわ!では、さっそくっ』


「ぶ~」

まだだよ~

『なぜですの!?』

だって~


『まだだぁめ。光ちゃんたら、まだご挨拶してないでしょう?もう』

「あい」

そうだよ~。ご挨拶大事。


『うっ、そ、そうですわね。ごめんなさいですわ』

「あい」

やっと落ち着いたみたいですね。良かったです。


『お~。久々の必殺~』

ぴゅいきゅい『『おかおでおはなし~』』

『『そうだね~』』

『『『あいかわらず、ふしぎ~』』』

みゃあ『ほんとにゃ~』

『それにしても、お母様は本当に、サーヤちゃんのこととなると』

『まともにゃね~』

そうなのかな?


『改めまして、ごめんなさいですわ。可愛いものを目にするとつい⋯』ほぉ⋯


「ちゅ、ちゅい?」

なんでうっとり?


『私は光の精霊王ですわ。可愛い可愛い愛し子様と、可愛い可愛いお友達たち。母や末の可愛い妹がお世話になっております。私のこともぜひぜひ、よろしくお願いいたしますですわ』にっこり


ぽかーん

「えちょ?さーやにゃの。よりょちく?」

していいのかな?みんなも、心配になったみたいで、ハクとふたごたちは


『う~ん?お父さん、よろしくしていいのかな~?』

『ハク、よろしくしてさしあげなさい⋯』

『は~い。ぼくハクだよ~。よろしくね~?』


ぴゅいきゅい『『おとうしゃん?』』

『⋯⋯』こくり

ぴゅいきゅい『『わかった~』』

ぴゅい『モモです』

きゅい『スイです』

ぴゅいきゅい『『よろちくね?』』

お父さんたちに聞いてからご挨拶です。でも、みんな最後に?がついてます。


『いや~ん!かわいいですわ~!よろしくですわ~!』きらきら

なんか、お胸のとこで手をぎゅってして、お祈り?それに、ぶんぶんしっぽが揺れてるみたいに見えます。不思議です。


『相変わらず、クセが強いわねぇ。光ちゃんたらぁ』

『お姉様、ほどほどになさらないと、逃げられてしまいますわよ』

『そうにゃ。物事には限度というものがあるにゃよ』

光の精霊王様は昔からこんな感じみたいです。


『だってぇ、可愛すぎるのがいけいのですわよぉ』キラキラ

今にも飛びつかれそうです⋯みんなもビクビクです。


『あらあらまあまあ。あの方、大丈夫かしら?』

〖まあ、大丈夫じゃないかしら?〗

〖来てそうそう、躊躇なく動いてくれましたしね〗

〖おかげでこの子は助かりましたし〗

確かに。


きゅるる『でも、この子ほうり投げた』

『あ~。あれは、びっくりしただよ』

ぽぽちゃんがキャッチしたもんね。

『あの人、お腹すいてるだよ』

『わたちたち、おべんとわけてあげただよ』

ぽぽちゃんたちの思わぬ報告に


『光ちゃんたら、ダメじゃないのぉ。小さい子からご飯とったりしてぇ』

『ご、ごめんなさいですわ。ついつい、その子たちも、ご馳走も可愛くて美味しそうでしたの~』


あれ~?なんか今の?

『な、なんだかな?今の説明だと』

『おいらたちもおいしそうだっただか?』

『にいちゃん、ちいにいちゃん、わたちたち、たべられちゃうだか?』

やっぱり?ぽぽちゃんたちが抱き合って震えてます。


『食べてしまいたいですが、食べませんわ!ご安心くださいませ!』

『ええ?』

『『安心できないだ~』』がくぶる

うわぁ~


『先にそちらで、やらかしてましたのね』

『さすがにゃ。光の精霊王様』

呆れるアイナ様たちに、様子を見ていたじぃじたちが


『やれやれ、これは青葉たちをどうするかのぉ』

『以前、アイナ様のお話は半ば冗談かと思って聞いておりましたがの。いや、申し訳ないですじゃ』

『『まことであったとはの(ぉ)』』


ものすごくかわいい物好きで、構いまくるってお話かな?


『そうでしたわ。その問題もありましたわね』

『そうにゃね。きっと荒れるにゃよ』

みんなの視線が一気に結葉様に⋯


『な、何かしらぁ?』

みんなのじとっとした視線が結葉様にも突き刺さったみたいです。


『お母様、私達もフォローは致しますが、しっかり説明してくださいませ』

『青葉ちゃん達のことはフォローできる気しないけどにゃ~』

〖そうね。そこは無理だけど、あなた達が行方不明になった経緯は私達もフォローするわ〗

〖そうですね。私たちにも責任のあるところはフォローしますけど〗

〖残りは頑張ってくださいね〗

アイナ様たちも神様たちも、ピシャッと。


『えええ~?そんなぁ』

「う。がんばりゅ」ぽんぽんっ

ちゃんと説明しなきゃ

『ええ?サーヤまでぇ?』

がんばってね~。ぽんぽんっ


『そうでしたわ。お母様、さあ、吐いていただきましょうか?』うふふ

『いやぁん、光ちゃんたら、ガラ悪い~』

『いいから、吐・け♪ですわ』にっこり

『はぁい⋯』


ぽんぽんっがんばれ~


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