第419話 新たな凶器が⋯

『あらあらまあまあ、光の精霊王様なの?』

『はい。愛し子様のお祖母様とは知らず、失礼いたしましたわ。その、あまりにも、愛くるしいお姿なので。つい⋯はあはあ』

光の精霊王様、今にもおばあちゃんに飛びかかりそうなお顔です。


『そ、そう?それはありがとう。でも、なんだか怖いわ⋯』

むぎゅう。ぽふぽふ。

おばあちゃん、食べられちゃう?


〖凛、どさくさ紛れに、人の胸にひっついて、胸を叩いてるあなたが言っても、説得力はないわ〗

ジーニ様がジト目でおばあちゃんにチクチク。


『あらあらまあまあ。いいじゃない?減るもんじゃないし?抱きついてるのは可愛いくまの編みぐるみよ?』

ぽふぽふぽふぽふ。覚えたての、どこでもド⋯けふっ。瞬間移動で馴染みのあるジーニ様のお胸に逃げたおばあちゃん。相変わらず、ジーニ様のお胸をぽふぽふぽふぽふ


〖減るわよっ!〗

『ええ?へらないでしょう~』ぽふぽふ

おばあちゃん⋯

『ああっ!羨ましいですわ!』

え?


しーん


〖⋯こほん。光の精霊王、遠慮なく、凛を愛でなさい〗べりっ


『あらあらまあまあ?はがされたわ』


『よろしいのですか!?』むぎゅうううっ


『ぐふっ、よろしくないわ~』


〖ええ。来てそうそう活躍してくれたのだもの。存分に愛でてあげて。うふふ〗

『あ・あ!ありがとうございます♪あ~ん、かわいいでちゅね~♪今夜から一緒にねんねしましょうね~♪』すりすりすりすり


『あらあらまあまあ?遠慮するわ。サーヤの所に帰してちょうだい』


『あ~ん♪つれない所も、す・て・き♪ですわっ』むぎゅううぅっ


『あらあらまあまあ。結葉様、アイナ様、この方、病気?』しゅんっ!ぴとっ


『あんっまた逃げられましたわ』


『あらぁ?凜たら私のとこに来ちゃったのぉ?仕方ないわねぇ。ん~あれはぁ病気というかぁ』

『光のお姉様に関わらず、他のお姉様方も、無類の可愛い物好きなのですわ。特に小さくて可愛いものが。なので』

チロっとニャーニャにゃんをみるアイナ様

『ニャーニャたちケットシーは精霊王様たちを見たらかくれるにゃよ』

びくびくしながらアイナ様の肩にしがみつくニャーニャにゃん。


『あらあらまあまあ?小さくて可愛い?それじゃあ⋯』

みんなの目線がお昼寝中のちびっこ達に⋯

それから光の精霊王様を見ると


『あ~ん♪小さい子たちがたくさんですわ~♪かわいいですわ!かわいいですわ~♪早く起きて下さらないかしら♪はあはあ』

はあはあ?


『⋯あらあらまあまあ?寝込みを襲わないだけの理性はお持ちのようで良かったわ』

〖でも、口もと光ってるし、無いはずのしっぽが見える気がするわよ〗

〖ええ。ぶんぶん振られてますわね。それに、なんだか息遣いが⋯〗


ごそごそっ


〖あっ子供たちが一斉に布団にもぐりましたよ〗

きゅるる『小さいながらも何か感じた?』

危険物レーダー発動?


『ハクもちびっこに見られるのでしょうか?』

ギン様も心配。ハクは体は大きいけど、中身はまだ赤ちゃん!


『ハクはかわいいものねぇ』

『しっかり、入りますわね』

『そうにゃね。ギャッ!?』

ひょいっ!むぎゅうっ

『あっ!ニャーニャ!』


アイナ様の叫びも虚しく

『あ~ん♪ニャーニャ♪ひ・さ・し・ぶ・り♪ですわ』すりすり

『ひ、光の精霊王様、ひさしぶりにゃ』

ニャーニャにゃん、捕獲される⋯


『相変わらず小さくて可愛いですわね♪ん~?あらぁ?ふわふわがさらにふわふわ?あら?』


ぎくーっ


『あ、あら?よく見ましたら、地の?お母様も、若返ってませんですの?』


ぎくーっ


『き、気のせいではございませんか?』


ぽいっ

『ふみゃっ』

あ、ニャーニャが、ぽいってされた!

『いたたニャッ』


がしっ!むにむにむにむに

『いいえ!この肌のツヤ!ハリ!気のせいなどではない有り得ませんわ!絶対に若返ってますわ!言いなさいませ!何があったのですの!?』むにむにむにむにーっ

『あわわわわわわ!や、やめてくらしゃいましぇ~』むにむにむにむにーっ

アイナ様、お顔を捕まれむにむに攻撃される!

『ああっご主人~!』


ニャーニャはポイッして、直ぐさまアイナ様にむにむに攻撃とは⋯


〖はあ、すごい子が来たわねぇ〗

『ほんとですねぇ』

あれ?ジーニ様とフゥが言う?


『まあ、サーヤに名前をつけてもらうと、何かしら変化があるからな』

『そうですね。我々も変わりましたしね』

アルコン様とギン様が言うと


『名前?そう言えば、お母様も、地のも、なにか名前で呼ばれてましたわね?』

やっと気づいた?


『うふふ。サーヤにつけてもらったのよぉ。今は結葉よぉ。いいでしょお?』

『私はアイナですわ。これからは名前でよろしくお願い致しますわ』

『ご主人~』

やっと離された顔をさすりさすり。


『まあ羨ましい!サーヤとは、愛し子様のことですわね?』

『そうよ。私の孫よ~。可愛いでしょう?』

『はい!とっても!ですが、愛し子のお祖母様がなにゆえ、そのぉ、その様な愛くるしいお姿に?』

『あらあらまあまあ。色々あるのよ?』

『そうですか。では、おいおいそちらは聞かせていただくとして⋯お母様?』にっこり

おや?急に矛先が?


『な、何かしらぁ?』

『何かしらぁ?では、ございませんわよ。さあ、説明していただきますわよ?』

ずいっと結葉様に迫る光の精霊王様。


『え、ええ?いや~ん。忘れてたんじゃないのぉ?』

後ずさる結葉様


『ふざけたことを仰るものではございませんわ。さあ、吐いていただきましょうか?』ずんずん

さらに迫る光の精霊王様


『いや~ん。光ちゃん怖ぁい』とんっ

いつの間にやら精霊樹に背中が当たるまで追い詰められた結葉様


『さあ、吐・け!ですわ!』

ドンっ!


『あらあらまあまあ~これが壁ドン?美女が美女にするのも、おつね~』どきどき

あれ?おばあちゃんてば、いつの間にアイナ様のお胸に?

『凛さん、何だか分かりませんが、何か違う気がするのですが⋯』

『ご主人、安心するにゃ。ニャーニャもそう思うにゃ』

『そうかしらぁ?』


そのとき、

「ふわぁ~ああぁ。おあよーごじゃましゅ」

お昼寝してた、ちびっこ達がむくむくっと起き出しました。


『サーヤ~、みんな~、おはよ~』

ぴゅいきゅい『『おはよ~』』

「うにゅ~?」

その時、サーヤが隣で寝てる子に気づきました。

『『サーヤ、その子、だあれ?』』

「うにゅ~?」

そう言えば、誰かとお話したような~?

『あー!』

『あっちにも!』

『しらないひとー!』

「ふにゅ?」

キラキラの人だ~

みゃ~『おっきいごしゅじんと、にてるにゃ?』

『そうかのぉ?』

きゅるるん『『『おかあさ~ん』』』

きゅるるん『『『『だれ~?』』』』

きゅるる『ん。この子と、あの方は⋯』


『きゃああああっかわいい~い!ですわ~!!』ばびゅんっ


「うにゅ?」

なにかな?

『え~?』

ぴゅいきゅい『『なんかきたよ~?』』

『『来たというより?』』

『『『とんできたよ~?』』』

みゃ『かくれるにゃ!』

『隠れるのだ~』

きゅるるん『『『『『『『おかあさ~ん』』』』』』』

きゅるる『もう遅い⋯』


『きゃあああ!かわいいですわ~!すべすべ~もちもちですわ~!』

むぎゅううっすりすりっ

「くえっ?」

ぐ、ぐるじい

新たな凶器(お胸)が~


きゅるる『あっサーヤが捕まった』

『あ~あの小さい子、大丈夫かな~?』

ぴゅいきゅい『『ふまれそうだね~』』

きゅるる『仕方ない』

しゅるるっしゅぱっ

きゅるる『確保』

絹さん、得意の簀巻きで光の精霊さんの身柄を保護。

きゅるるん『『『おかあさん』』』

きゅるるん『『『『さすが~』』』』

ぱちぱちぱちぱち!みんな拍手です。

きゅるる『まかせて。それにしても』


『すーすー』


きゅるる『よく寝てる』

『ほんとだ~』

ぴゅいきゅい『『すご~い』』

光の精霊さんは、まだまだねんねです。こんなにうるさいのに⋯



『あああっかわいいですわ~っ』むぎゅうううっ

「くえっ」

だれか~たしゅけて~



『ふぅ~助かったわ~』

『お母様⋯』じと

『最低にゃ』じとぉ

『あらあらまあまあ』


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございますm(_ _)m

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