第421話 光の精霊王様に説明を

ただいま結葉様が、アイナ様やジーニ様たちにフォローされながら、光の精霊王様にこれまでのことを説明してます。


その間、光の精霊王様のお顔は百面相です。怒ったり、驚いたり、青くなったり、泣きそうになったり、ほっとしたり⋯


一応、関係者になるレンゲやアカシア、それに働き蜂さんたちも心配そうに見守ってます。


青葉ちゃんたちはというと、小さくなって、じぃじのたてがみに隠れて、やっぱり心配そうに見守ってます。


サーヤは

『いやぁん、ここにいてぇ』

と、駄々をこねる結葉様に抱っこされたまま、お話し合いのど真ん中にいます。みんなのとこで、ハクのもふもふに埋もれたいです。

『いやぁん、見捨てないでぇ』

え~、もふもふがいい~もふもふ~


そして、結葉様と精霊樹様が行方不明になっていた経緯を粗方説明すると⋯


『な、なんなのですかっ!それは!あーっもう!怒りたくても私に怒る資格はないではないですか!お母様も何をなさってるのですか!構わないでいい時は、うざったいほど構うくせに、肝心な時は何も言わないとか!アーッもう!もうっ!』

光の精霊王様が怒りを抑えきれなくて、叫び出しました。分かるよ。ひどいよね。


『あ~ん、やっぱり怒ってるじゃないのよぉ』

困ったように、でも少し照れたように結葉様が言うと


『当たり前ですわっ!諸悪の根源の人間やエルフは当然のこと、相談してくれなかったお母様にも、何より、何も気づかなかった自分が腹立たしいやら情けないやら!あーっ!もうっ!』

両手をブンブンしてます。


『分かります。分かりますわ。お姉様。私も同じ気持ちですわ』ほろり

『ご主人⋯』

アイナ様がまた泣いてます。みんな、なんやかんや結葉様が好きなんだよね。


〖そのことに関しては、私達も謝るわ〗

〖ええ。精霊樹がなくなれば世界のバランスが崩れるというのに、気づきませんでした〗

〖明らかに我々が介入すべき事態であったにも関わらず、結葉と精霊樹に無理をさせてしまった〗

〖本当に申し訳ないと思ってるわ〗

みんなシーンとしちゃいました。


そんな中

『⋯ジーニ様、そのことに関して、我は少々疑問があるのだが』

アルコン様が難しい顔をしてます。

〖アルコン?何?〗

『それは⋯いや、後にしよう』ちらっ

「う?」

ちらっとアルコンが結葉様に抱えられたままのサーヤを見ました。


それに気づいたジーニ様。


サーヤに聞かれない方がいいという事ね。それなら今は

〖分かったわ。後にしましょう。それに、まだ全てを話してないものね?〗ニヤリ

アルコンの懸念は、子供たちが寝てから。今は、サーヤの気も逸らさないといけないしね?


『そ、そうだな』

なんか、あの笑顔に嫌な予感がよぎるアルコン様⋯

そこに


パタパタパタパタ

ぴゅいきゅい『『ジーニしゃま~』』

〖あら、なぁに?モモ、スイ〗くすくす

くすくす笑うジーニ様。双子が何を言い出すか想像できたらしいです。


ぴゅい『おとうしゃんと~』

きゅい『むすびはしゃまの~』

〖うん?〗

ぴゅいきゅい『『だめだめなおはなしは~?』』

こてんっと、揃って首を傾げる双子に


〖〖〖ぷっ〗〗〗

やっぱりと、吹き出す神様たち。


『いやぁん』

ふるふる

「ふみゃっ」

揺れる~ううぅ、結葉様、揺れないで~


『ぐふっ』ぐさっ

あっ、アルコン様もやられちゃった。


〖ふふっそうね~話さないといけないわよね~〗

『そうですわ。お話しないと紹介出来ないですものね』

『そうにゃね~』

意味ありげに、じぃじの方を見るみんな、慌ててピュッと隠れる青葉ちゃんたち。


『まだ何かあるのですの?それに紹介とは?誰をですの?』

ぴくっと反応する光の精霊王様。


〖ふふっ、あのね?ほら、結葉!自分で説明しなさいよ〗


『え~?そんなぁ』くねくね

「ふお~」

また揺れる~


『だから、申し訳なかったと⋯』


パタパタパタパタ

ぴゅい『ふたりちょも』

きゅい『おはなちちないと』

ぴゅいきゅい『『だめだめ~』』

『いやぁん』

『ぐふうっ』

あ~あ⋯


仕方なく話し出す結葉様とアルコン様、それに楽しそうに横槍を入れる神様たち。

対照的に驚いた顔を見せてからの光の精霊王様のお顔は、真っ青になったり、やっぱり泣きそうな顔になったり、そうして今は⋯


「こ、こわこわこわこわ⋯むすびはしゃま、はにゃちてっ」てしてしっ

『いやぁん、見捨てないでぇ』

般若のお顔です⋯


「はにゃちて~」てしてしてしてしっ

『いやぁん~』ぎゅううう

サーヤを巻き込まないで~


『わ、我はそろそろ⋯』

パタパタパタパタ

ぴゅいきゅい『『にげちゃ、だめだめ~』』

『うぐうっ』

そうです。逃げられるならサーヤを逃がしてください。


『お母様⋯』ごごご

『は、はい?』

こわこわこわこわ⋯地を這うような声っていうは、これですか?


『何を、何をなさっているのですかああっ!』ピシャーンっ


ぱちんっ

「う?」しゅんっ

『ああっサーヤ~』


しゃんっ

〖お帰り、サーヤ〗

「た、たぢゃいま?」

ジーニ様?あれ?と思った瞬間


ガラガラピッシャーンっ


『いやぁんっ』

「ぴゃあっ?」

な、なにかな?


〖良かったわ。間に合って〗

『良かったですわ。サーヤちゃん。巻き込まれなくて』

「ふにゅ?」

『あ~光の矢が、怒りのせいで雷まで纏ってるにゃ~』

どうやら光の精霊王様を見て、ジーニ様が助けてくれたみたいです。


「あいがちょ」

〖いいのよ~。おかげでサーヤを抱っこできるし♪〗すりすり

そう?助けてもらったからちょっとなら、ぎゅうしていいよ。ちょっとだけだよ。


『あ~逃げてますわねぇ』

『大人しくしてくれないと、周りが大変にゃ』

『そうですわよね~』

逃げまくる結葉様、ピシャンピシャンと光の矢を放ちながら追いかける光の精霊王様


『いやぁん、光ちゃん許して~』

『許せるわけがありませんでしょう!知らない間に妹がいて、しかもしかも長い間一人で苦しんでいただなんてっ!大人しくそこへ直れーっ!』

ピシャーンッ

あ~結葉様、がんばれ~

『あらあらまあまあ、今回ばかりは光の精霊王様を応援した方がいいんじゃないかしら?』

「う?しょっか~」

反省してもらわなきゃだもんね。

光の精霊王様、がんばれ~


『あ~ん、裏切り者~』

『サーヤちゃんの応援ですわ!無駄にはしませんわ!』

ほどほどにね~


きゅるる『ジーニ様』

〖何かしら?〗

きゅるる『これから新しい精霊王様来る度にこれ?』

〖あ~そうねぇ。出来るなら一度で済ませたいわねぇ〗


『大人しくしなさいませーっ』

ピシャーンっ

『いやぁ~ん』

ピシャンピシャーンっ


そうだね~

精霊王さん、来る度にこれじゃ、大変だもんね~色々と。


そして

『あ~ん、ごめんなさぁい』

結葉様の髪の毛がところどころチリチリになると、今度は


『はあはあ、アイナ、ニャーニャ⋯』ゆらり

『は、はい?』

『なんにゃ?』

結葉様を追いかけ回して、肩で息をしている光の精霊王様が、何か背中に怪しげなオーラを背負ってアイナ様たちの元へ⋯


『私の新しい可愛い可愛い妹たちは、ど・こ?ですの?』ゆらぁり

『え?そ、それは』

『えっえっと、どこにゃろにゃ?』

教えていいものか悩んだアイナ様たち、恐怖にも負けて青葉ちゃんたちが隠れている、じぃじの方をつい、ちらり⋯


キラーンッ

それを見逃すはずのない光の精霊王様。

じぃじをロックオン!

『うふひ』にやぁ~


『ヒッ!』


『そこのケルピーさん。逃げないで下さいませ』にたぁ~


『は、はいですじゃ⋯』

ガタガタ震えるじぃじ。たてがみの中でも

『『『『じ、じぃじ~』』』』

『『『こっちに』』』

『『『来た~』』』

がたがた震える青葉ちゃんたち

『じ、じっとしとるんじゃよ』

『『『『う、うん』』』』

『『『こわい~』』』

『『『こわいよ~』』』

がくぶるがくぶる


『ふふふふ』ゆらぁ~


どうなる、じぃじ!?

どうなる、青葉ちゃんたち!?



そして

『あ~ん、レンゲ~アカシア~、髪が~。ハチミツとプロポリスちょうだ~い』

『結葉様、青葉たちが、ピンチだと言うのに』

『ソレドコロデハ、ナイデショウ』

『ええ~』

『『ええ~』では、ありません』

『モット、キンチョウカンヲ、オモチクダサイ』

『ええ~』


結葉様、反省してないでしょ⋯


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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