第413話 おにぎり?

「うにゅ~ぅぅ」

ひっくひっく


『サーヤ~泣かないで~』

ぴゅいきゅい『『だいじょうぶだよ!』』

『『とってもかわいいよ!』』

『『『おいしそうだよ!』』』

みゃ『きっとよろこんでくれるにゃ!』

『きっと嬉しくて泣いちゃうのだ~』


海苔も出来てきて、おにぎりを作り始めたサーヤたち。

でも今は、なぜか泣いているサーヤと、そんなサーヤを元気づけようと、必死なハクたちがいました。


「うにゅうぅぅぅ」

でも~ぉ、これじゃあ~


きゅるるん『『『おかあさ~ん』』』

きゅるるん『『『『どうしよう~』』』』

みんなが大丈夫って言ってくれるけど、大丈夫じゃないと思う~


きゅるる『サーヤ?どうしたの?』

「うにゅ~うぅぅぅ」

ぽろぽろぽろぽろ

絹さんが慌ててサーヤを抱っこして、背中ぽんぽんしてくれます。


『どうしたのかの?』

『ハク、何があったか説明できるかのぉ?』


サーヤが落ち込んで、ハクたちが慰めてくれてたらみんなが心配して集まって来ちゃいました。


『あのね~?サーヤはジーニ様に食べてもらいたくて、一生懸命おにぎり握ってたんだけどね~』

ぴゅいきゅい『『おてて、ちっちゃいから』』

『ジーニ様の好きなお肉がね』

『おにぎりに入らないの~』

『でもね~』

『いっしょうけんめいつくったし~』

『とってもかわいいから~』

みゃ『ジーニさま、ぜったいうれしいって、いったんだけどにゃ~』

『落ち込んじゃったのだ~』

きゅるるん『『『おかあさ~ん』』』

きゅるるん『『『『どうしよう~』』』』


ぐすぐすっ

「お、おっきく、にゃらにゃいの。みーちょぼーりゅ、みちゃいにゃの」

三角だけど、ミートボール位のちっちゃいのがいっぱいできちゃいました。


『サーヤちゃん。ジーニ様は、サーヤちゃんが作ってくれたものでしたら、何であっても泣いて喜んでくださるはずですわ』

『そうにゃよ。『思う』じゃなくて、『はず』って断言できるにゃよ』

きゅるる『アイナ様たちの言う通り。サーヤ、泣かないで大丈夫』

ぽんぽんぽんぽん


「うにゅ~うぅぅぅ」

でも~お肉入らないよ⋯


その時、外が

ドタドタドタっ ばんっ!

『お~い。どうした?クゥと山桜桃と春陽が慌てて俺を呼びに来たんだけど?』


この声は

「おいちゃ~ん」


おいちゃんが来てくれました。クゥたちがおいちゃんの後ろでゼェゼェしてます。一生懸命呼んで来てくれたみたいです。


『なんだあ?サーヤはなんで泣いてんだ?』

「おいちゃ~ん」えぐえぐ

手を伸ばしたら絹さんからおいちゃんにバトンタッチされました。


『実はのぉ⋯』

『こういうわけでのぉ⋯』

じぃじたちが説明を終えると


『凛さん、何やってんだよ⋯』

は~って、がっくりしちゃったよ


『おばあちゃん、すごかったよね~』

ぴゅいきゅい『『みあちゃんもだよ~』』

『ジーニ様、きゃーって』

『ジーニ様、ぎゃーって』

『やめて~って』

『ほんきでやめて~って』

『おねがいだから~って』

みゃあ『ないてたにゃ』

『かわいそうなのだ~』

「あい」えぐえぐ

ハクたちが説明に足してくれてます。子グモちゃん達はサーヤの頭とか肩に乗ってなでなでしてくれてます。


『分かった。サーヤ大丈夫だぞ。ちゃんとこれジーニ様に食べてもらえるからな』

「ほんちょ?ちっちゃいにょ?」お肉はいらないよ?ぐすぐすっ

『おう!まかせろ!サーヤはこれ、もっと作れるか?』

「あいっ」ずびっ

がんばるよ!

『うん。その前に鼻かもうな。ほれ』

「あい」ちーんっ


きゅるる『良かった。さすがゲンさん』ほっ

『よかったのぉ、サーヤ』

『がんばるんじゃぞ』

「あいっ!」

がんばるよ!


『まあ、心配しなくても、あのジーニ様なのにゃ。間違いなく泣くにゃ』

『それに、むしろ違う意味で心配かもですわよ?』


「う?」

違う意味?どんな?


きゅるる『あ~うん。そうかも』

『もったいなくて食べられないとかの』

『永久保存だとかのぉ』

『言いかねないにゃね』

『ですわよね?』


「ほえ?」

あ、あれ?まさか~ご飯だよ?かぴかぴのがびがびになるよ?


『あ~それはほら、きっと映像魔法みたいにな』


「う?」

おいちゃん?


『新しい魔法~』

ぴゅいきゅい『『あみだしそう』』

うんうん。ってみんな頷いてます。そんな?まさかね~?


きゅるる『まさかじゃない』

『きっと言うにゃ』

『言いますわね』

『『そうじゃの(ぉ)』』

『だよな』

うんうん。ちびっこも大人もうんうん。

「うにゅ~?」

考えすぎじゃないかな?



そんなこんなで、いっぱい作ったよ?ちびむすび。こんなにいっぱいどうするのかな?


山桜桃ちゃんと春陽くんが、

『これなら初めから具が入ってますよ!』

『色も綺麗ですよ!』

って、とうもろこしごはんと、枝豆ごはんと、さつまいもごはんも炊いてくれました。これもいっぱい握ったよ。でも、こんなにどうするのかな?


『おしっ!海苔も焼けたぞ!山桜桃、春陽、これをな⋯』

『『はい!分かりました!』』

『頼むな!』

『『はい!』』

何を頼んだのかな?


『お~い!ゲン!頼まれたもん作って来たぞ』

『おう!親方!いいタイミングだ!ありがとよ!』

『いいってことよ!おっ!サーヤもみんなも頑張ってるな!偉いぞ!』


「えへ~?ほんちょ?」

『ぼくたちえらい~?』

親方がえらいって~


『偉いともさ!ねぇ?みんな』

『うんうん。すごいよ』

『みんな手は大丈夫かい?』

『こんなに沢山、熱かっただろ?』

『やけどしてないかい?』

おかみさんたちも来て、ほめてくれたり、心配してくれたりします。嬉しいな~♪


「だいじぶ~」

みんなでおててみせます。

ぴゅい『ゆすらちゃんとね』

きゅい『はるひくんがね』

『『薄い魔力で手を包んで』』

『おててをね~』

『ぬらしながら~』

『にぎるとね~』

みゃあ『あつくにゃりにくいってにゃ』

『おしえてくれたのだ~』

熱くないし手につかないし、すごいです!ありがとうなのです!


『そうかい。そりゃすごいね』

『ここでも魔法の練習だな』

『でもこれ、私らにも有効だね』

『そうだね。真似しよう』

ありゃ?


『おう!そんで、これどうするんだ?』

『言われた葉っぱも持ってきたよ』


あっそれ~

「はりゃん?ばりゃん?」

お寿司とかお弁当に使う緑!


『お、よく覚えてたな。葉蘭(はらん)だな。おにぎり包んだり、お弁当の仕切りにしたりな。で、こっちは弁当箱と、お重だな』


おお~!その丸いのは!

「わっぴゃ!」

『わっぱな』

「しょうともゆー」

『そうとしか言わないだろ』

細かいことはいいじゃないですか


『ゲンさん』

『出来ました!』

『おう!ありがとな』

ゆすらちゃん達は海苔を切ってたみたいです。あれ?細長い?


『サーヤ、この海苔をおにぎりの側面にぐるっと巻くんだぞ』

「あい」

ぐるー。あれ?

「おいちゃん、しぇがちゃかい」

おにぎりからはみ出ちゃうよ?


『いいんだよ。言わば、おにぎり版の軍艦だな。中身が外身になったと思えばいいだろ?具も一目瞭然だろ?』

「ふお~」

なるほど~


『これを親方たちに作ってもらったお弁当箱に入れたら可愛いだろ?』

おお~

「しゅご~。でみょ、こっちは?」

お弁当箱もお重も、分けてあります。


『こっちはな、天界に送るんだよ』ニヤリ

「ほえ?」

天界?

『神棚をな作ったんだよ。やっと。これにお供えしたら天界に届くんだよ』

「ふお~」

と、言うことは、いよいよ?


『おいちゃん、もしかして、ぼくたちが作ったものとかも~』

ぴゅいきゅい『『イリュさまたちに』』

『『届くの?』』

ハクたちも聞いてきました。


『そうだぞ。それにな』ニヤニヤ

おいちゃん、にやにや?

『あっ!』

『おばあちゃんにも?』

『とどく?』

妖精トリオが言います

「ふあっ?」

天界のおばあちゃんにも?

『そういうことだな』ニヤリ

「ふあ~」

そういうことか~!

『すご~い!』

みゃあ『ココロもいれるにゃ!』

『姫も入れるのだ!』

みんなもやる気です!


『じゃあ、海苔巻いたチビむすびをお弁当箱に並べて、上に具を置いてくぞ』

『普通サイズのは私たちが作りますから』

『安心してチビむすびを具で飾ってください』

「あい!」

山桜桃ちゃんと春陽くんもありがとね。


みんなでお弁当作っていきます。おかずも入れたよ!

あとちょっとで完成です!



おいちゃんが走り込んでくるその少し前

〖離しなさい!サーヤが泣いてるのよ!私が行かないと!〗

ジーニ様が暴れていました。


〖ダメです!お母様が行くのは一番ダメです!〗

『そうよぉ。サーヤは今、ジーニ様のために頑張ってるんだからぁ』

〖今は気付かないふりして待っていてください!〗

みんなで暴れるジーニ様を羽交い締め!それでも


〖嫌よ!離しなさい!サーヤーっ〗

諦めないジーニ様!


〖〖だからっ我慢です!〗〗

『絹にいてもらえば良かったわねぇ。そしたら簀巻きにして貰えたのにぃ。失敗したわねぇ』


暴れるジーニ様を神様二人と精霊樹の力で、必死に押さえ込んでいましたとさ。


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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