第410話 それは!

ここのところ、ジーニ様が、とってもとっても可愛そうです。

主におばあちゃん関係で⋯ごめんなさい。

なぐさめてあげないといけないかな?


「じーにしゃま、かわいしょう」

『そうだね~』

ぴゅい~『サーヤのおばあちゃん』

きゅい~『つよい~』

『それを言ったら』

『みあちゃんもだよ~』

『これに、むすびはさま、はいったら』

『すごいことに~』

『おいちゃんもいるよ~』

みゃ『たいへんにゃ~』

『キケンなのだキケンなのだ~』

うわぁ~


『凛さん足す、みあちゃん足す、お母様足す、ゲンさん。ですの?』ぶるるっ

『考えたくないにゃ~』ぶるるっ

すごいことになりそうです。


きゅるる『足すで済むかしら?』


「う?」

きゅるるん?『『『どういうこと~?』』』

足すじゃだめなの?


『相乗効果かのぉ』

『足すどころか、十倍、二十倍になりそうだの』


きゅるるん?『『『『じゅうばい~?』』』』

「ふあ?」

ということは、


『⋯凛さんが十人、みあも十人、結葉様もゲンさんも十人って、言ったら分かる?』


しーん⋯


だ、大ちゃん、なんて恐ろしいことを⋯


ぶるるるるっ

「しゃ、しゃむい?」

『う、うん、なんだろうね~?』

ぴゅいきゅい『『せなかが~』』

『『ぞくぞく~』』

『『『ぞわぞわ~』』』

みゃ~『おひげとしっぽがぶるぶるするにゃ~』

『風邪ひいたのだ?』

みんなも寒くなっちゃったの?がくぶるがくぶる


『正しい反応よね?』

『間違いないわね』

『青葉たち今回は不参加で正解だったわね』

らんちゃんたち精霊さん達がしみじみと言います。

『今から呼んで』

『分かち合おう』

白黒ゴスロリコンビが物騒なこと言ってます。



『あ、あの、ここにいます』

『どうしたの?』

『呼んだ~?』

『なにがあったの?』

その時、控えめな声がしました。


あ~

「あおばちゃんちゃち~」

あれぇ?おてて?ザルに何かいっぱい

『みんな、何抱えてるの~?』

ハクが聞いてくれました。


『ええと、ゲンさんに頼まれていた水草を持ってきたの』

『のり?とか言うのが出来るんだって』


な、なんですと!

「にょ、にょり!!」じゅるり


『ゲンさんか、山桜桃ちゃんと春陽くんに渡したいんだけど』

『ゲンさん、いないね?山桜桃ちゃんたちは?』キョロキョロ


えっと~

『はい!ここにいます!』

『みなさん、お待ちしてました!』

あっいた~。


『あっ山桜桃ちゃん、春陽くん、これ、どうぞ。ゲンさんは?』

青葉ちゃんたちがまだキョロキョロしてます。

『ゲンさんは、ちょっと⋯』

『ドワーフさんたちに⋯』

「ゆーかいしゃれまちた」

山桜桃ちゃんたちが言いにくそうにしてるから、代わりにサーヤが教えてあげるね。


『ゆ、誘拐ですか?』

『『『また?』』』

「あい。まちゃ」こっくり

おいちゃんたら、すぐ誘拐されちゃうんだよ~。だめだめ~。


『そ、そうですか。出直した方がいいですか?』

青葉ちゃんが気を使ってくれてるけど、

『『あっ大丈夫です!』』

『作り方は教えてもらいました!』

『フゥさんと、クゥさんも手伝ってくれるんですよ』

フゥとクゥも?

『呼んだ~?』

『準備できたか?』

「ふぅ~、くぅ~?にょり?」

『そうそう。ゲンさんに教えられたのよ』

『のりべん?のりまき?てまきずし?出来るぞって言ってたな』

『おにぎりを忘れてるわよ』

『あっ、そうだったな』

のり弁、海苔巻き、手巻き寿司、おにぎり⋯じゅるり。


『味見させてくれなかったんだけどさ、あれ、うまいのか?』

『真っ黒な四角いペラペラで、悪いけど美味しそうには見えなかったわよ?』


チッチッチッ

それは、しろーとのせりふですね。

「にょりは、ごはんちょちょ、いっちょになってこしょ!し、し、しんかをはっきしゅりゅにょ!」

美味しいんだから!


『あっ、それ、ゲンさんも言ってました。お米と一緒になってこそ真価を発揮するって』

『たしかに、言ってました』

山桜桃ちゃんと春陽くんには伝わってたみたいです。

『ふ~ん。そうなのね』

『サーヤの口が光ってるから、間違いないな』

失礼ですよ。光ってませんよ。じゅるり。


『ねえ?フゥたちが手伝うってことは精霊の力を使うのよね?』

『何をするの?』

『私たちも手伝えば沢山できるんじゃない?』

らんちゃん、なるちゃん、ひょうかちゃんも手伝ってくれるの?


『は、はい。山桜桃ちゃんと春陽くんがあの木枠でならしたものを、その葦簾の台におれが移して』

『私が風で乾かすんです』

なるほど~そういうことか~


あっ!そうだ!

「ゆすらちゃん、はるひくん、おにぎりにゃら、できりゅね?」

のり弁はちゃんとしたお醤油出来てからがいいし、手巻き寿司はお酢がないとだし。もしかしたら、レモンで代用できるかもだけど


『そうですね。ご飯を炊いておけば出来るかと』

『具は唐揚げとか、いけるかな?とか、ゲンさんが言ってました。梅干しとツナはまだな~とか、言ってましたから』


にゅふふ。塩むすびだって美味しいよ!

「じゃあじゃあ、にょり、いっぱいちゅくっちぇ、じーにしゃまに、おにぎりちゅくっちゃら、うれち、かにゃ?」

モジモジして聞くと


『ほっほ。それは良い考えだのぉ』

『サーヤに作ってもらえたら、ジーニ様も元気になるじゃろ』

きゅるる『まちがいない』

『元気になりすぎて、大変なことになるかもしれませんわね~』

『元気復活にゃ!』


そっかあ~。みんなにこにこで、大丈夫だって!それじゃ、


「にょり、さーやもやりゅ!」

はい!おててを思いっきりあげます!

『ぼくも~』

ぴゅいきゅい『『やる~』』


他のみんなもやる気満々です。

それじゃ、みんなで、のり作ってからの、おにぎりだ~

頑張るぞ!


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございますm(_ _)m

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