ある日の、もう~い~くつね~る~と~♪日記 番外編


「も~い~くちゅねりゅと~おしょうがちゅ~♪」

『お正月には凧あげて~♪』

「こ~まをまわちて♪あしょびましょ~♪」

『は~やくこいこい♪』

「おしょうがちゅ~♪」

えへへ♪おばあちゃんと一緒にお歌です。嬉しいな~♪


『お~、やっぱり歌にすると所々ちゃんと言えるんだな~』

ぱちぱちぱちぱち

拍手しながら、おいちゃんが褒めてくれました!


「えへ~♪」

やったね~♪

『あらあらまあまあ。でも、まだまだねぇ。サーヤ、もうちょっと練習しましょうね』

「あ~い」

おばあちゃんには、ダメだしされちゃいました。ぐすん。


『サーヤ~お正月って、なあに~?』

ぴゅいきゅい『『たこあげて』』

『こまをまわしてって』

『おいしいの~?』


「うにゅ?」

『あら?』

『おいしい?』

ハクたちが訳分からないこと言ってます。なんのこと?おいちゃんも、おばあちゃんも分からないみたいです。


『あげもの~♪』

『だいすき~♪』

『おいしい~♪』

妖精トリオがクルクル回って踊ってます。


「ふえ?」

『あげもの⋯?あっ』

『なるほどな』

なに?なに?おばあちゃんとおいちゃんだけ分かったの?


『あらあらまあまあ、サーヤ、タコをあげるんですって』

おばあちゃんがヒントをくれます

「う?たこ?おしょらに、ひゅお~って?」

走って、糸くいくいって⋯

『うん。本来なら、それが正解だな。だけど、みんなは美味しいと思ってるんだぞ』

「うにゅ~?」

おいしい、たこあげ~?おいちゃん、何言ってるのかな?


みゃ~『からあげ、おいしいにゃ~♪』

からあげ?たこ、あげ~?


「ふあ?たこにょ、かりゃあげ?」

『正解よ。おそらくそうだと思うわよ』

『でもこの世界、たこ、いるのか?』

ええ?タコさんは、いるか分かんないけど、それより先に


「おしょうがちゅ、いちねんにょ、はじまり。あげもにょ、ちやう」

ちゃんと、誤解はとかないとね?


『え~?おいしくないの~?』

ぴゅいきゅい『『なんだ~』』

ハクたちが途端にガックリです。


「しょんにゃこちょ、にゃい。とちこちしょば、かりゃ、おたのちみ、はじまりゅ」

大晦日のおそばから、お正月は、おせちに、お雑煮に~。あっ、その前に餅つきあった~


『あっ余計なことを』

『あらあらまあまあ。やっちゃったわね~』

「う?」

何を?


『やろうよ~』

ぴゅいきゅい『『たのしそう!』』

ハクたちが、わって、喜んでかけずりまわってます。

「あ、ありゃ?」


『サーヤ、もっとくわしくみんなに説明しないとね~』くすくす

『サーヤよりゲンさんたちに聞いた方がいいんじゃないか?』あははは

いつもどおり、一緒にいたフゥとクゥがおかしそうにいいます。もう、笑ってるから、おかしそうじゃなくて、面白がってるよね。


『サーヤ、ゲンに凛も。ハクたちが私たちを呼びに来たのだが』

『また何かやらかしたのか?双子がまた顔に体当たりしてきたぞ』

ギン様と頭に双子を貼り付けたアルコン様が、お家から出てきました。

と、いうことは⋯


〖なあに?また楽しいこと?教えなさい?〗

『くわしくねぇ。楽しいところは省いちゃダメよぉ?もちろん、美味しいものもねぇ』

きゅるる『衣装あるなら言って。作る。おばあちゃん、私たちに教えないとダメ』

『『『まかせな!』』』


わ~みんな来ちゃった!

ドワーフのおかみさんたちは、すっかり絹さんと仲良しです。


『あ~やっぱりこうなったかぁ』

「あ、あう」

『あらあらまあまあ、サーヤのうっかりさんは相変わらずねぇ』

「ご、ごめしゃい」

うわ~ん


〖それで?ゲン、もちろんサーヤのいうことは足りてないんでしょ?〗

ジーニ様がおいちゃんの肩に手を置いてお耳にふうって息かけてます。最近、おいちゃん、みんなにお触りされるの。何でかな?おばあちゃんは


「あらあらまあまあ。眼福ね~。外国の女優さんみたいねぇ。生で見られるなんて、得した気分ね~」

だって。


そしたら、みんな、がくーってして、こそこそし始めました。

『作戦失敗ねぇ』

〖やはり、人妻がやってもダメなのでは?〗

〖何よ!結葉とシアがやっても、拍手してたじゃない〗

きゅる『手強い』

『あ、あの。そもそも作戦が間違っているのでは?』

『おばあちゃんに、遠回しの焦らし作戦は通じないにゃ』

〖お鈍さんもここまで来ると⋯ゲン〗

〖〖前途多難ね〗〗

『がんばってねぇ』

きゅるる『かわいそう。色んな意味で』

『あ~。そうですわね。りんさんは気づかない。お母様たちには遊ばれる』

『かわいそうだにゃ~』

色んな同情の目がおいちゃんに


『な、なんだよ?』

『師匠、強く生きてください』ぽんっ

『な、なんなんだよ?』

あ~あ。よくわかんないけど、エル様がダメ押しに、肩をポンッてしました。



そんな大人たちの無駄なやり取りを無視して

『ねぇえ?ジーニ様、この世界は新年はどうしてるの?お祝いするの?』

おばあちゃんが、ジーニ様に聞きます。


そういえば、暦があるかさえ分からないね?


〖新年?一応、お祝いしてるかしらね?〗

〖一応、乾杯くらいしてますね〗

〖鍛冶神などは乾杯では終わらないですけどね〗

なるほど~神様たちもお酒を飲みまくるんだね~


『ドワーフも似たようなもんだね』

『そうだね。みんなで持ち寄ったご馳走と酒で、どんちゃん騒ぎだね』

『年始どころか、年末年始騒ぎっぱなしでね。男どもがそこらじゅうで潰れても飲んでるね』

潰れても飲んでる?どうやって?

『ふ~ん。忘年会と新年会をぶっ通しでやってる感じだな』

『どこの世界も似たようなものなのね』

あっ!おいちゃんとおばあちゃんてば、知~らない。


『ゲン、忘年会に新年会ってなんだ?』

あ~、ほらぁ


『ん?今年一年色々あったけど、お疲れ様って、うまいもん食って、酒飲んで、開けましておめでとう、今年もよろしくって、やっぱり⋯あっ』

あ~あ、やっときづいたぁ


『ふ~ん。やっぱり飲み食いするんだよな?』ニヤリ

『楽しみだな』ニヤリ

あ~あ~

『し、しまった』

『あらあらまあまあ。ゲンさんも相変わらずうっかりさんね~』

ほんとだね~。


『あれ?でも、さっき、サーヤが歌ったり、話してたりしたのと違う感じよね?』

『そうだな。もっとこう、儀式めいた感じだったような?』

フゥとクゥがいいます。


『あらあらまあまあ、よく気づいてくれたわね?そうなの。日本人はね?年末年始は本当はもっと厳かに迎えるのよ。何せ、新年には歳神様をお迎えして、今年もよろしくお願いしますってお願いするの。だから、それまでに年末からいろいろ準備するのよ』

おばあちゃんが嬉しそうに、お正月について説明します。


〖へぇ~さすが八百万の神々の国ね〗

〖こちらの世界でも見習って欲しいものですね〗

〖本当に〗

神様たち、しみじみだね。


『そうだからね、年末には大掃除をして、一年の穢れを落として、神様をお迎えできるように、おうちを綺麗にしたり、お正月に飾ったり食べたりするために、お餅をついたり』

『ぼく、おもち好き~』

ぴゅいきゅい『『おいしいよね~』』

『あらあらまあまあ。もう、お餅知ってるのね?美味しいわよね~』

『ね~』

ぴゅいきゅい『『ね~♪』』

お餅つき、決定な瞬間!


『それから~?』

『他にもある~?』

あわわ、大変なことななってきたような?


『大晦日⋯一年の最後の日までに、お正月にお料理しなくてもいいように、おせち⋯縁起のいいご飯を用意しておくの。それで、一年最後の日には「細く長く生きられますように」って、お蕎麦を食べるの』

「てんぷりゃしょば!」

『そうね。うちは、サーヤがいたから、温かいおそばじゃなくて、冷たいおそばに天ぷらだったわね』

「じゃるしょば、おいち♪てんぷりゃ、おいち♪」

『そうね』

たべた~い!!年越しそばも決定!おいちゃん、そば打ち頑張って!


『『『ほかには~?』』』

妖精トリオが先を促します。

『お正月は、新年のご挨拶をして、おせちとお雑煮⋯お餅が入った汁物って言ったらいいのかしら?それを食べるの』

みゃ『からあげはないのかにゃ?』

揚げ物から離れてなかった!


『ん~食べちゃいけないわけじゃないでしょうけど、どちらかというと新年会メニューね』

『じゃあ、たこあげは~?』

ハク諦めてないね?


『凧上げは遊びだよ。空に凧を上げて遊ぶんだ。お正月は他にも羽付きとか、駒回しとか、福笑いとか、いろんな遊びもするんだよ』

おいちゃんが今度は説明してます。でも、おばあちゃんも、おいちゃんも大事なこと忘れてるよ!


「わすれちゃ、めっ!おとしだみゃ」

『あ~お年玉か』

「あい!」

『この世界じゃ今のところ必要ないような?』

「しょっかぁ」

たしかに。ざんねん⋯


〖なんで落ち込んでるの?〗

『お年玉って言う、お金を子供にあげる習慣があるの。でも、必要ないでしょう?』

〖そうね。でも、違うものをプレゼントすればいいんじゃない?〗

『そうかも⋯?』

わ~い♪プレゼント!


きゅるる『衣装は?』

『ちゃんとしてるお家は、お着物とか着るけどね』

『そうだな。着物着て初詣⋯神様にお祈りに行ったりな』

きゅるる『作ろう。今から。ものすごく、作らないといけない気がする!』

『えええ?無理じゃないかしら?』

『『『やろう!』』』

『えええ?』

おばあちゃんも、うっかりさん。決定!


『ゲン、さっきタコがいるのかとか言ってたが、それはなんだ?美味いのか?』

アルコン様が地獄耳⋯


『え?タコか?海にいる丸い頭で八本足の⋯』

『あ~あいつか?あんなぬめぬめして生臭いヤツが美味いのか?信じられんな』

『ん?いるのか?ちゃんと処理して料理すれば美味いぞ?』

『海の物が食えるとは⋯』

『海は美味いものだらけだし、高級食材だらけだぞ?』

『そうなのか?』

『新鮮なら生でも食えるし。魚も美味いがカニとかエビとか貝とかも美味いぞ』

「かにしゃん!ちょっきんちゅょっきんちょっきんにゃ~♪」

ハサミちょきちょき♪横歩き♪

『ふむ。では、ちょっと狩ってくるか。我なら海の魔物とて大したことはないからな』

「ふえ?」

『は?』

アルコン様?魔物?

『双子も行くか?』

ぴゅいきゅい『『え?いいの~?』』

〖ダメよ!まだ危ないわ。魔力操作を学び始めたばかりだし。海に落ちたらどうするの。何に飲み込まれるか分からないわよ!〗

ジーニ様が反対しました。

それより、飲み込まれるって何?

ぴゅいきゅい『『え~』』

『そうか。では我だけでひとっ飛び行ってこよう。モモ、スイまた今度な。大物を狩ってくるからな』

ぴゅいきゅい『『あ~い』』

ぶすってしてる双子に

『では行ってくる』

バサっと変身して行っちゃいました。

「ふえ?」

『ええ?ま、待て!何もそこまで!』

ええ~?行っちゃった⋯

ぴゅいきゅい『『おとうしゃん、いってらっちゃ~い』』

『あらあらまあまあ。双子ちゃんのお父さん、キレイね~素敵だわ』

ぴゅいきゅい『『ほんと?』』

『ええ。素敵だわ』

おばあちゃんもが、にっこり言うと

ぴゅいきゅい『『えへへ~ありがと』

双子が照れ照れ。パパほめらてうれしそうです。

でも、魔物って何!?大物って何?飲み込まれるって何!?


『他に用意する食材は無いのか?』

「ふえ?」

ギン様まで?


『ええ?そうねぇ。サーヤは焼き豚とか好きだったわよね?』

『そうだな。子供が苦手な野菜の煮物とかも平気で食べる、渋好みだけど、焼き豚とか、ローストビーフとかも用意してやると、そっちばっかりいってたな』

「ぢゃって、おいちいにょ⋯」

おせち、お肉ないんだもん。しょぼん


『そうか。肉がないのは私たちも辛い。ふむ。私が狩ってこよう』

『そういうことならワシも行くかな。たまには体を動かさんとな』

『私もお付き合いしようかしら』

ギン様一族で?


『え?そんなそこまでしなくても?』

さすがに焦るおばあちゃん。

『え~?お父さんだけじゃなくて、おじいちゃんと白雪おばあちゃんも行くの~?じゃあ、ぼくも~』

『ハクはサーヤのそばにいて守らないとな。狩りはその内教えよう』

『そっか~。うん。分かったよ~サーヤ守るね~』

『ああ。頼むぞ』

『うん!』

ハクもギン様に言われてお留守番決定です。


『では、行ってくる』

『『行ってきます』』

ざざっ

え~?ほんとに行っちゃった~

『みんな、行ってらっしゃ~い』

ハクがお見送り。


「ど、どうちよう?おおごちょに」

『え、ええ。これは、予想外ね』

『は、ははは』

呆然とするサーヤと、おばあちゃんと、おいちゃん。


ぽんっ

『何ほうけてんだ?』

『やることいっぱいだろ?』

『先送りしてた、杵と臼も作らなきゃなあ』

『お、親方⋯』

『『『さあ、行くぞ!』』』

『あ~』

ずるずるずるずる

「おいちゃ~ん!」

ドワーフさんたちにまたおいちゃんが!


ぽんっ

きゅるる『おばあちゃんも、行く』

きゅるるん『『『『『『『いく~!!』』』』』』』

『『『いざ!工房へ!』』』

ひょいっ

『あらあらまあまあ?』

「おばあちゃ~ん!」

おばあちゃんまで、絹さん親子とおかみさんたちに~!


ぽんっ

「う、うにゅ?」

『サーヤはぁ、わたしたちと畑よぉ』

『はい。おそらく、足りない食材がおありでしょうから、お手伝い致しますわ』

『がんばるにゃ!』

「ふええ?」

ど、どうして、こうなっちゃったの~おおぉ?


『あああ~』

ぴゅいきゅい『『つかまっちゃったね』』

『サーヤもおいちゃんも、おばあちゃんも』

『みんな、うっかりさんだよね~』

『でもそのおかげで』

『おいしいものたべれるよ』

『たのしいよ』

みゃ~『ほんとにゃ~』

『きゃはは~♪』


『まあ、かわいそうだから、手伝いに行きましょ』

『そうだな。美味いもんのために!』

『『『『『お~!』』』』』


どうしてこうなったのぉ~!?

お歌歌ってただけなのに~


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読み頂きありがとうございますm(*_ _)m

しばらく番外編の更新になります。

よろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る