ある日の、大晦日といえば?日記 番外編

そば打ち職人が、ひーふーみーよー⋯


『はいはい。もっと腰入れてね~』

『『『おう!』』』

『⋯⋯』


現場監督、おばあちゃん。そば打ちの道具をドワーフさん達が作りました!

ただいま、ドワーフの親方三人衆と、おいちゃんがせっせっとそば打ちしてます。

おいちゃんは集中しすぎて無言です。


おかみさんたちは、山桜桃ちゃんと、春陽くんと、ひたすら天ぷらあげてます。

タコもイカもエビもホタテもお魚もあります。お野菜やキノコも!

あのね、大変だったんだよ。



ズドーンっ!!


サーヤたちが遊んでたら、突然すごい音と地響きが轟きました。


「ふわわわわ!?」

地面が揺れてる?

『わ~!サーヤっ』

ザッまふっもふっ

転びそうになったサーヤをハクがもふっと助けてくれました!

『は~大丈夫~?びっくりしたね~』

「はく、あいがちょ!」

もふもふ~!

『どういたしまして~』

『サーヤ大丈夫?』

『なんだろね?お外かな?』

フルーとフライも来てくれました!もふもふ~

「にゃんだろね?」


ぴゅいきゅい『『あっ!おとうしゃんだ!』』

窓から外を覗いてた双子が叫びました!


「ふえ?」

『今のアルコン様なの~?』

『『『みにいこうよ!』』』

「あい!」

みんなでお外に行くと


ぴゅいきゅい『『おとうしゃ~ん』』

『モモ、スイ、ただいま』

ぴゅいきゅい『『おかえりなちゃい!』』

ドスッドスッ

『ぶふっ』

また双子がアルコン様のお顔に張り付いてます。痛そうです。


『うわ~何これ~?』

「うきゃああっ」

ほんとだ!なにこれ?

『うねうね~』

『気持ち悪い~』

『『『ギャーっ』』』

『うわっコラ!また髪の中に!』

あっクゥがまた妖精トリオの被害に⋯

みゃ『ねぇね!こわいにゃ!』

『だ、大丈夫にゃ!死んでるにゃ!』

おお!パニック!


『な、なんだこれ?』

『あらあらまあまあ』

おいちゃんとおばあちゃんも外に出てきました。そして、びっくりしてます。だってね⋯


ドドーン!

『何って、タコだろ?頭が丸くて八本足』

アルコン様が何言ってんだ?って顔してるけど、タコって


『俺たちが知ってるタコは、でかくてもせいぜいサーヤサイズだよ。これは、タコって言わないだろ⋯』

『あらあらまあまあ、そうよねぇ。大きいわねぇ』

こ、これは、大きいじゃ済まないよね?おうちより大きいよね?おっきすぎて全体が分かりません。でも、とにかく気持ち悪いです!ぜったい!ぬめぬめ!そこへ


〖アルコン!何してんの!これクラーケンじゃない!〗

『く、くらーけん?』

ジーニ様がアルコン様を叱りつけてます。

おいちゃんが

『あの、物語りに出てくる?』

とか、ブツブツ言って、なんかフラってしてます。


『ゲンの説明通りだと思うが?』

たしかに、たしかに丸い頭に足八本だけどぉ


〖これは、巨大な魔物!クラーケン!〗

『これじゃないのか?』

〖ちがうでしょ!〗

そうだよね~


『じゃあ、これも違うのか?』

「ふえ?」

『『え?』』

〖まだあるの!?〗


ドーン!


「うひゃっ!あわわわわ!かにっ」

でもでも!

〖ジャイアントクラブ!!これも魔物!〗

そう、これも大きいです。ドラゴンの時のアルコン様くらい!

『そうなのか?これもあるんだが?』

ドーン!ドーン!

やっぱり巨大な伊勢海老!マグロ!


「ほわ~あああっ」

おっきい~

『これは、なんと言うか、でかすぎだろ⋯』

『あらあらまあまあ!ねえ、でもこれ鑑定で食用可って出るんだけど?』

驚いて何も考えられないサーヤとおいちゃんに、冷静なおばあちゃんが言います。


『あっほんとだ。しかも(美味)って出てる』

おいしいの!?

「ちょ、いうことは?」


『春陽!山桜桃!捌くぞ!』

『『は、はい~!!』』

『『『私らもやるよ!』』』

『『『かにの甲羅は素材になる!俺たちにまかせろ!』』』

わ~~って勢いで捌かれて行きます。バキンゴキン言ってます!


「ふわわわわ」

こ、こわこわこわ⋯


あまりの勢いに押されていると

『サーヤ、これもいたが食えるか?』

「ふえ?」

そう言ってアルコン様が見せてくれたのは、


「ふわ~♪くりゅまえび~♪」

たくさん!たくさん!

『あらあらまあまあ!良かったわね~。アルコン様、これ、サーヤの大好物ですよ』

「あい!あいがちょ!ありゅこんしゃま!」

やった~!ピチピチ!美味しそう!

『そうか。でかいヤツが追いかけてたから、小さくても美味いのかと思ってな。良かった』

〖まったく、クラーケンじゃなくて、そういうのをとってくるならとってきなさいよ〗

ジーニ様が呆れてます。


「おばあちゃん!てんぷりゃ!」

『ええ。できるわね~。これだけあれば色々できるわね。アルコン様、美味しいもの期待してくださいな』

「あい!おいちいよ!」にぱっ

『そうか。良かった。また近いうちに行ってこよう』

ニコニコしてたら頭なでなでされました。えへへ~


その時、

『ただいま』

ドサッ

『『ただいま』』

ドサドサッ


『あ~お父さんたちも、おかえり~』

『ただいまハク』

『『ただいま』』

「ぎんしゃま~ふぶきじぃじ~、しらゆき~、おきゃえり~」

『ただいまサーヤ』

『なんか、遅れをとったみたいだな』

『すごいわねぇ。クラーケンよね?あれ』

ギン様たちもびっくりだよね!


『お父さんたちは、何をとってきてくれたの~?』

『私たちは、これだ』

おっきなウシさんに、イノシシさんに、ブタさん?あと、これは?

『これは、アースドラゴンねぇ。よくとれたわねぇ?』

結葉様?ドラゴン?


『まあ、大きなトカゲみたいなものなので』

『そうだな。アルコン様と違って飛ばないしな』

『以前なら苦労したかもしれませんが、サーヤのおかげで楽勝でしたよ』

トカゲ?ドラゴンじゃないの?


『まあ、私たちも手伝ったしね。余裕よ』

あ~

「らんちゃん!」

みんなも行ってくれたんだね!

『⋯まあ、実際、強くなってるよ』

「だいちゃん!」


『サーヤに名前つけてもらった効果』

『すごかった。私たちも』


「ほえ?」

そうなの?

「ぼたんちゃん、あげはちゃんみょ?」


『うん。そう。私たちも練習する機会を増やさないとまずい』

『その通り。自分の力に驚いた』

そ、そうなんだ。


『あらあらまあまあ。これ、焼き豚作りがいがあるわね~。ベーコンとかも作れるわ~。ローストビーフもステーキもいけるわ。あとで天界にも届けてもらわなきゃ!』

おばあちゃん大興奮!


『凛、アースドラゴンも、滅多に食べられないご馳走よぉ。キバとか素材になるしぃ。ほら、来たわよぉ』


「うにゅ?」

『来た?』

何が?


『『『うおおぉ!素材だー!!』』』

「ふあっ?」

ドワーフさんたちが!目が血走ってるう!

『あらあらまあまあ。天界にも分けてね~』



って、ことがありまして⋯

アルコン様がとってきてくれた海の幸は、天ぷらになってます。楽しみです。


『さあさあ。お蕎麦は打ち終わったら、茹でますよ!』

『『『おう!』』』

『⋯⋯』

おいちゃんが、高いテンションについていけないようです。まだ無言!

頑張れ!おいちゃん!


『天ぷらもあがったよ!』

『そばつゆと、天つゆも出来てます!』

『おっしゃ!運ぶよ!』

『はい!』

な、なんでしょう?そこらじゅう、体育会系?


そんなこんなで、とにかく出来上がりました!ざるそばアンド天ぷら~!ぱちぱちぱち!


『サーヤが天ざるが好きだから、メインがこっちになっちまったが、ちゃんと温かいそばの用意もあるからな』

〖大丈夫よ。どっちも食べるから〗

〖また僕達も呼んでくれて嬉しいよ。ね?バート〗

『そうですね。主神がもっと仕事を早くしてくれれば、もっと早く来れたのですよ』

〖ええ?ひどい!!〗

相変わらずです。いいコンビ⋯


『まあまあ、それじゃ、いただきます!』

「いちゃだきましゅ!」

『あ~ん、ずるいわ~』

おばあちゃん、ごめんなさい


ずるずる、さくさく

「おいちい~おしょばみょ、えびちゃんもおいちい~」

アルコン様ありがと~えびちゃん♪

『あらあらまあまあ。ほんとにエビ好きよね。かき揚げもあるわよ』

「あい!」

次はかき揚げ!

『お野菜も食べるのよ』

「あい!」

もちろんです!

おそばもおいしいよ~♪ずずず


『皆さんも気に入ってくれたようですよ』

『なので、サーヤちゃんはあちらを見ないようにしましょう』

「あ~い」


『山桜桃も春陽もだいぶ慣れたな』

『はい。あれは、みなさんの教育には良くないと思いますので』

『夢に出てきたら可愛そうですから』

『言うようになったな~』

おいちゃんが苦笑いです。


『あらあらまあまあ。ほんとに凄いわ。クラーケンの天ぷらが飛んでるわぁ』

見ちゃダメ見ちゃダメ。見たい気もするけど、見ちゃダメ。


〖ああ!魔神ちゃんひどい!それ僕の!〗

〖可愛い妻に譲りなさいよ!〗

〖そんな!?〗

〖お母様、そんなことしてたら可愛いって言って貰えなくなりますよ。ねぇ?〗

〖ノーコメントで〗

『右に同じく』

喋ってるはずなのに、お皿はどんどん空に⋯


『うん。海の物など食えぬと思っていたが、勿体ないことをしていたな。また行かねば』

『アルコン様、次は私も連れていってください。どんな状況でも戦えるようにならなくては』

『いいだろう』

こちらも、お箸がありえない音を立ててぶつかってます!


『ガハハハ美味いな!』

『こっちに来てよかったな』

『ほんとだな』

『サーヤたちに感謝だね』

『ホントだよ』

『サーヤに乾杯!』

『『『『『『ワハハハハハ』』』』』』

出来上がってます。



『あちらは気にしてはダメだ』

『ソウデス。コドモハ、チャント、カンデ、ユックリタベマショウ』

『はい!なんだな』

『いい子に食べるんだな!』

『そうなんだな!』

きゅるる『あなたたちも』

きゅるるん『『『は~い』』』

きゅるるん『『『『わかったよ~』』』』

うん。こっちは平和です。


『まあ、来年も美味いもん食って楽しく過ごしたいな』

『大丈夫ですよ。これだけ頼もしい家族がいるんですから』

「あい!みんにゃ、なかよち!」

『そうだよね~♪来年もサーヤの好きなもふもふでいないとね』

『『ぼくたちも、もふもふ!』』

「あい!もふもふはしぇいぎ!」

『『『みんなであそぶ~♪』』』

みゃ『もちろんにゃ!』

『もちろんなのだ!』

「あい!」

『まあ、騒がしいのは間違いないね』

『そうだな。間違いないな』

『そうですね』

『楽しそうです』

フゥたち言いたい放題ですね?まあ、楽しいのはいいことだよね!


「らいねんもみょ、よりょちくね!」

『よろしくな』

『よろしくね』


『『『『『よろしくね!』』』』』


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

拙い文章をお読みいただきありがとうございます。皆様のおかげで書けております。

来年もよろしくお願い致します。

「よいおとちを♪」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る