第386話 朝ごはん!と、その前に

「きゅるるるる~ぐぅ~」

サーヤのぽんぽんが鳴いてます。


『おぉ!盛大になってるなぁ』

〖お腹が喋ってるみたいねぇ〗

『あらあらまあまあ』

おいちゃんとジーニ様とおばあちゃんが感心してますね。


「く~きゅるるるる」

「ぽんぽん、へっちゃ、ゆってりゅ」

サーヤのぽんぽん、お話ししてます。ちょっと静かにしてね。なでなで。



『最初に会った時のサーヤと一緒だね~』

『僕たちが食べられちゃうかと思ったよね~』

『もふもふ~もふもふ~って、言ってたもんね』

ハクとフルーとフライが、あの時を思い出してお話してます。フゥとクゥがここに連れてきてくれた時のことだね。


『あ~。口の周り光っててな』

『飛びつかないように言い聞かせてね~』

ぴゅいきゅい『『しゅごかったよね』』

フゥとクゥと双子も、懐かしそうです。すごいって言ってくれてます。


「しょれほぢょでみょ~」

くねくね


『いや、誰も褒めてないと思うぞ』

おいちゃん、そんなことないでしょ?

「く~きゅるるるる」

ほら、ぽんぽんもそんなことないって言ってるよ。



『ほれほれ、サーヤがこれ以上、お腹で話さないうちに、朝食にしたらどうかのぉ』

『山桜桃と春陽が困っとるしの』

じぃじたちが、ドアの方を見て言うと、そこでは山桜桃ちゃんたちがオロオロしてました。


〖あら。ごめんなさいね〗

ジーニ様がお胸におばあちゃんを貼り付けたまま言います。そろそろ剥がしてもいいんじゃないかな?

『『い、いえ』』

山桜桃ちゃん達も、おばあちゃんから目が離せないみたいです。

おばあちゃんが、すみません。


『じゃあ、飯行くか!』

「あ~い」

「きゅるる」

ごはんごはん♪


『ちょっと待った。サーヤ』

なんですか?フゥ

『パジャマは着替えないとね?』

そうでした。

「あい」

「きゅるるるる」


『それじゃ、着替えてから来るんだぞ。先に行って用意しとくからな。フゥ、頼むな』

『はい。ゲンさん』

「あ~い」

「きゅるるるる~」

『サーヤ、腹で返事せんでも⋯』

してませんよ?

「きゅるるるる~」


フゥがパジャマのボタンを外してくれます。

「ごはん♪ごはん♪」

『ほら、サーヤ。おしり振らないの。お着替えできないでしょ』

「あ~い」

「きゅるるるる~」


『あらあらまあまあ。お腹の声とサーヤの声が一緒になってるのね~』

「ぶー」

「きゅる」

そんなことないよ。それより


「おばあちゃん、じーにしゃまかりゃ、おんりちた」

良かったね。ジーニ様。


「おばあちゃん、じーにしゃまで、あしょんじゃ、めっ!」

たしかに、けちからんお胸だけど

『いや~ん。だってぇ。この世界、なんで女の敵ばかりなのかしら~?』

なんでだろうね?フゥをちらって見ると

「ふぅみょ⋯」

『あらあらまあまあ』

じとぉ

『ええ?』

〖まあ、たしかに、将来有望そうかしらね?〗

「あい」

「きゅる」

ジーニ様が、くすくす笑いながら言います。矛先がフゥに移ったわぁ~って、思ってるの丸わかりですよ。でもね?


『やっぱり、一番の、ボンッキュッボンのけしからんボディは、ジーニ様よ!』

ビシィッ!


ああ、やっぱり⋯


ぴょーんっびたっ

〖えええ?またあ?〗

『けしからんわけしからんわ~』

ぽふぽふぽふぽふ


ああ、やっぱり~ぃ。ジーニ様

「ごめしゃい」


『あ~サーヤ、今の内に着替えましょう』

「あ、あい」

「きゅるるるる」


『あらあらまあまあ!サーヤ!これ着て欲しいわ!』

「う?」

「きゅる?」

ジーニ様とクローゼットを覗いていたおばあちゃん、指さすのは


〖あ~それね〗

『なるほど。いいかもしれませんね』

〖『それでいきましょう』〗


「う?」

「くるる」

あれ?一発で決まっちゃったよ?


『うふふ~やったわぁ♪』

おばあちゃんの意見採用です。そして



ぽてぽてぽてぽて

ぽふぽふぽふぽふ


『わ~おしりの形とかそっくり~』

ぴゅいきゅい『『おちりのうごきかたも~』』

『『そっくり~』』

『『『おもしろ~い』』』

サーヤとおばあちゃんの後ろからちびっこたちが何か言ってます。


〖あ~ん♪かわいい♪朝から幸せ~。もちろん全角度から撮影よ~♪〗

ジーニ様はいつも通りです。



サーヤは、おばあちゃんとおててつないで、てくてく

みゃ『ぽてぽてだにゃ~』

てくてく

『キャハハ~ぽてぽて~』

てくてく歩いてます。


『そういうことにしてあげましょ。みんな』

『『『『『はーい』』』』』

フゥ?みんな?なんですか?


『うふふ。かわいい孫とペアルック♪夢だったのよ~♪うれしいわぁ』

「あい。おしょろい。うれちい♪」

「きゅるるるる~♪」

おばあちゃんとお揃いです!



『ジーニ様、あれはペアルックというのでしょうか?』

〖まあ、絹が気合い入れて作った着ぐるみだからね。モデルはたしかにおばあちゃんのクマだから〗

『そうですね~』



そう。サーヤの今日のお洋服は、真っ白なくまさんの着ぐるみです。おそろいです。

おばあちゃんは編みぐるみだから、サーヤも今は編みぐるみです。

おしりがポッテリ、お腹がぽっこり、かわいいお洋服です。


『それは、サーヤの体型が⋯』

お洋服です。

『⋯そうね』


まあるいお耳も可愛いです。お気に入りです!ご飯食べれないので、手袋部分は外せて、ボタンで止められるようになってます。


「おまたちぇ~」

『お待たせしました』

フゥと、二人で到着のご挨拶です。ごはん~♪


きゅるる『あら、おそろい。かわいい』

『ほんとだね』

『かわいいね』

『羨ましいよ』


「えへ~♪」

『あらあらまあまあ。ペアルックほめられちゃったわね~♪』

絹さんのおかげです。ドワーフのおかみさんたちもありがとう。


『さあ、飯にするぞ。席に座れ~』

「あ~い」

「く~きゅるるるる」

ごはんごはん♪おいちゃんご飯作りに間に合ったんだね!


『パン仕込んでくれてて助かったよ。ジャムなんかの他に、挟めるように卵焼きとか、野菜とか、炒めた肉なんかもあるからな。好きなように挟んでくれ』

『スープはサーヤちゃん待望の』

『コーンポタージュスープですよ』

『ゲンさんが作ってくれました』

『良かったですね』

おいちゃんの説明に山桜桃ちゃん達が付け加えて教えてくれました。食べたいの覚えててくれたんだね!


「こんぽちゃ!」

『あらあらまあまあ。良かったわね。サーヤ大好きだものね』

「あい!」

「きゅるるるる~」じゅるり。


『あ~はやくはやく~』

ぴゅいきゅい『『こんぽた!』』

『『サーヤのおくち』』

『『『きらきら~』』』

みゃ~『はやくたべるにゃ!』

『姫も!姫も待ちきれないのだ!』

サーヤのお口光る!イコール美味しいもの!みんなのおめめギラギラ!


『あらあらまあまあ、サーヤったら⋯』

なんですか?


『お、おう。それじゃ、みんな、いただきます!』

「いちゃだきましゅ!」

「きゅるる~!」

いただきます!!


がっ!


「ふお?」

うわぁみんな、スープ一直線。大丈夫?熱くないの?


ずずずず

カチャカチャカチャカチャ

「ふ、ふわぁ~」

『あらあらまあまあ~』

『すごいな』

ほんとだね


『『『『『お代わり!』』』』』


「ふあ~」

『あらあらまあまあ、あっという間ね』

ほんとだね


『あ~セルフでよろしくな』

あ、おいちゃん、それ言っちゃ⋯


ギランッ!


〖私が先よ!〗

〖私です〗

『あ~ん、ずるぅい』

ぎゃおおおおお


あ~やっぱり~

『あらあらまあまあ、すごいわねぇ』

「いちゅも」

『そう⋯それは大変ね』

ほんとにね



『ほら、こっちの分はちゃんとあるからな、大人しく食べような』

おいちゃん、さすがです。


『皆さん、お待たせしました』

『おかわりもよそいますから、仰ってくださいね』

山桜桃ちゃんたちも戻ってきました。


「あい!こんぽちゃ!」

わ~い!おいしい~♪

『ほんとだね~』

ぴゅいきゅい『『あま~い』』

『『おいしい~』』

『『『おかわり!』』』

みゃあ『ココロもにゃ』

『姫もなのだ!』

わ~大人気だね!



『ずるいわ~』

ん?あっ


『はやく何とかしなきゃ。私だって食べたいわ』

ぶつぶつぶつぶつ


お、おばあちゃん⋯

『サーヤ、何も見るな、聞くな』

「あ、あい」


『ずるいわ~』

ぶつぶつぶつぶつ


おばあちゃん、呪いの呪文がふえそうだよ⋯


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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