第385話 ぽふぽふぽふぽふ

編みぐるみじゃ、いくら可愛くても、ご飯食べられないじゃない!っと、気づいたおばあちゃん。


『ジーニ様お願い~』

と、縋り付くも

〖無理よ~〗

と、断られてます。でも、

『見てるだけなんて嫌~』

と、しつこくしつこくしつこく、ジーニ様のお胸にしがみついた( よじ登りました)結果!


〖う~ん、う~ん、何とかって言われても~おぉぉ〗

『お願い~』

むぎゅう~

『あら?あらあらまあまあ、すごいわ~』

ぽふぽふぽふぽふ

〖ちょ、ちょっと!?〗

すがりついてる途中でおばあちゃんが違う方に⋯


「おばあちゃん⋯」

『すげぇな~』

おばあちゃん、ジーニ様のお胸で遊んじゃダメだよ


『あらあらまあまあ?』ぽふぽふぽふぽふ

〖な、何なの!?〗

『ずるいわずるいわずるいわ~』

〖なにが!?サーヤ、ゲン、助けて?〗


ジーニ様、おばあちゃんが

「ごめしゃい」

『すまん。ジーニ様』

止められません。


〖えええ?〗

『あらあらまあまあ』

ぽふぽふぽふぽふ

〖ちょっと~?〗

『あらあらまあまあ』

ぺしぺしぺしぺし


「『⋯⋯っ』」

ごめんなさいごめんなさい

すまんすまんすまん

〖そんな!?〗

お手て合わせて、お祈りのポーズです。


〖まあ~お母様が、タジタジですわね〗

〖凄いですね。さすが師匠のご友人です〗

シア様とエル様が、驚きながら感心してると


『うふふ~。ただのご友人じゃなくなるかもよぉ~?』

くふふ。と、意味深に笑う結葉様。

きゅるる『どういうこと~?』

〖あ~。そうですよね〗

シア様は分かったみたいです。


『ねぇ?どう見たってゲンがおばあちゃんを好きなのは見え見えだものぉ』

きゅるる『なるほどぉ』

〖ふむ。今までのケースなら、名前をつけると若返りますしね。ん?確か天界の方は⋯〗

〖あっ、すでにサーヤと一緒で、再構築されてますわよね?若い姿で〗

〖そうです。たしか日本の神様から美しい方だからあまりいじらないようにと⋯あっ〗


〖〖⋯⋯〗〗

いきなり黙り込む神様ふたり


『なぁに?その間はぁ?』

きゅるる『気になる』


〖な、なんでもありませんわ。ね?医神〗

〖⋯そうですね〗

〖ま、まあ、大丈夫でしょう〗

〖そうですね。大丈夫ですね〗

〖〖あはははは〗〗


『なにかしらぁ?』

きゅるる『さあ?』


笑って誤魔化す神様ふたり。内心、汗だく。バレたら自分たちに飛び蹴りが来るかもしれない?


〖そ、そうなると早く本体の方に来てもらわないとですね〗

〖そうですね。応援させていただきますよ。師匠の明るい未来のために。ふふふ〗

『うふふ~。おばあちゃんは手強そうだものねぇ』

きゅるる『きっと、サーヤと一緒。お鈍さん』

『気合い入るわねぇ』

きゅるる『もちろん』

うふふ⋯と笑う、シア様エル様に、結葉様に絹さん。


ぞくぅっ

『うお?』

「うにゅ?おいちゃん?どちたの?」

『い、いや?なんか悪寒が?』

「かじぇ?おぢゃいじに」

『いや、風邪じゃないと⋯』

おいちゃんは何か感じたようだけど、おばあちゃんは

『お願い~』ぽむぽむぽむぽむっ

〖勘弁して~〗

まだ、ジーニ様に引っ付いてます。そして、お胸ぽむぽむしてます。おばあちゃん、そろそろやめてあげて?言えないけど⋯



『ねぇねぇ~さっきのお話なぁに?』

『こ、こら、ハク』

『え~?だってぇ。おばあちゃん、もうひとりいるのぉ?』

『あっ、そのことか』

ホッとするギン様にハクは

『どこのことだと思ったの~?』

『い、いや、なんでもない』

ギン様、うかつ⋯


ぴゅいきゅい『『それで?おばあちゃんは?』』

『『どうなってるの?』』

『『『おしえてよ~』』』

今度はちびっ子たちが、シア様や結葉様たちに迫ります。


〖ごめんなさい。あなたたちも気になりますわよね。ええ。そうですわ〗

〖天界におばあ様の体があるのです。信じられないでしょうが〗

シア様とエル様が教えてくれます。

『それにねぇ、あちらのおばあちゃんも、ずっと眠ってたけど、起きたんですってぇ』

結葉様、楽しそう


『そっかあ~すごいね~』

ぴゅいきゅい『『くまさんといっしょ』』

『『おっきしたんだね』』

『『『よかったね~』』』

みゃ『でも、サーニャにゃんはしってるにゃ?』

きゅるるん『『『そっかあ。しってたら~』』』

きゅるるん『『『『くまみは、ないよね?』』』』

ココロと子グモちゃん達が核心を突きました!


きゅるる『あっ』

『しまったわねぇ~』

〖その通りですね〗

〖面白いからもう少し黙ってますか?〗

エル様、ひどい。その時



〖あっそうだわ!〗

「うに?」

ん?何が?

『ジーニ様!何か思いついたのかしら?』ぽふぽふぽふぽふ


おばあちゃん、ぽふぽふやめてあげて~


〖天界のおばあちゃんと、味覚を共有できるようにすれば、食べた気になるんじゃない?〗

「ほえ?」

天界のおばあちゃん?


『え~?それじゃ、みんなと食べられないじゃない~』

〖それは、さすがに⋯天界のおばあちゃんに、食材を大分渡したから、美味しいものが食べられることには変わらないんだから、それで勘弁して~〗

『え~。しかたないわねぇ』

ジーニ様?おばあちゃん?


「おばあちゃん、てんかいにょ、おばあちゃん、にゃに?」

どういうことかな?


『あら?あらあらまあまあ。言ってなかったかしら?』

言ってないよ~


〖実はね、おばあちゃんの体と魂も、天界で保護していたんだけど、どういう訳か、全く起きてくれなくてね?原因をずっと探ってたんだけど〗

ジーニ様が説明してくれると、ずいぶん、おばあちゃんのために頑張ってくれているのが分かりました。

〖主神なんか、日本の神様に相談にまで行ってたのよ、なのに、原因が⋯〗

「うに?」

原因が?なんでそんな残念なお顔?へにゃへにゃ?


『あ~、サーヤ言ったろ?おばあちゃんの翡翠の勾玉の話』

おいちゃんが、すっごい言い辛そう~に言います。

「ふあ?にょんじゃっちゃ?」

『そう。その飲んじゃったやつだ』

『いや~ん』くねくね

おばあちゃん⋯


〖そう。その勾玉に魂が分かれて入っちゃったみたいでね。そのまま眠りについてたみたいなの。そこに、姫に言われて〗


あ~、わかったかも~

「さーや、くましゃんに、ごはん、あげちゃ」


〖そうよ。サーヤが石に魔力を流してくれたから、天界のおばあちゃんも、くまさんも、目覚めたみたいなのよね~〗

「ほあ~」

まさかそんなことが~

『いや~ん』くねくね

おばあちゃん⋯


〖さすがに、あまりの展開に、走ずりまわってた主神が気の毒になったわ~。普段なら笑い飛ばすけどね〗

それは、イル様かわいそう。優しくしてあげて~


「いりゅしゃま、ごめしゃい」

イル様に今度会ったら、ありがとうとごめんなさいしないとだめだね⋯

『いや~ん、お世話になりっぱなしで申し訳ないわ~』くねくね

おばあちゃん…


〖そんなわけでね?もう暫くは、おばあちゃん天界にいるんだけど、近い将来、くまさんと一緒になる予定だから、人間の姿のおばあちゃんにも会えるわよ〗

ニッコリとジーニ様が教えてくれます。

「ほわ~あ」

うれしいけど、うれしいけど、それ、大事なとこ~!!

『あらあらまあまあ?たしかに?』

〖そうだわね〗


そうだよ!もうもう!いまさら、そんな、ごめんね~のお顔してもダメダメです!

「くまこ、くまみ、だめだめ」

知ってたら、言わなかったもん!プンプンだよ!


『あらあらまあまあ。そうよねぇ』

〖ごめんねぇ〗


ホントだよ!でも、お名前考えるのはご飯の後だよ!だって


「ぽんぽん、へっちゃ!」

「きゅるるるる~」


『あらあらまあまあ』

〖あらら〗


ほら!ぽんぽんもおしゃべりしちゃったよ!


「く~きゅるるるる~」


『あ~久々に聞いた気がするな。あれ』

『そうね。初めての日に聞いたわね』

フゥとクゥが感慨深げですね。


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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「きゅるるるる~」

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