第383話 ぴっこぴっこぴっこぴっこ

泣いて抱き合って、奇跡の再会を喜ぶサーヤとおばあちゃん。見守るおいちゃん⋯そこへ


ぴっこぴっこぴっこぴっこ


『あ、見てあれぇ』

結葉様が指さす先には


〖〖〖あっ〗〗〗

編みぐるみのストラップ、うさちゃん登場。


ぴっこぴっこぴっこぴっこ

ぴょんっ


「うにゅ?」

なんか来た?

『へ?』

『あらあらまあまあ。そういえば、その子も動けるようになったんだったわぁ』

サーヤの頭に飛び乗ってきた、うさちゃんに、そういえば~と、おばあちゃん。

「うにゅ?うにゅにゅ?」ぴたぴた

サーヤは頭に乗ってきた何かを確認したいが、頭のてっぺんにいるうさちゃん。サーヤのおて手は届かない⋯


『やっぱり動いてるわねぇ』

〖気のせいじゃなかったわねぇ〗

〖それでもってやっぱり〗

〖おばあちゃんは何か知ってそうですね〗


『きゃはは♪』ぴとっ

「うにゅ?うにゅにゅにゅ?」ぱたぱた

姫ちゃんもサーヤの頭に。

『サーヤ、届いてないぞ』

『あらあらまあまあ、残念ね~』

「うにゅ、うにゅにゅにゅ~」ぱたぱた

『きゃはは♪』

うさちゃんと姫ちゃんは、サーヤの頭の上で腕を組んでクルクル回ってます。


『それに、姫ちゃんも何か知ってそうですわねぇ』

『そうにゃね~』


サーヤの頭に乗っかった、うさちゃんと姫を見て、大人たちが喋り出すと⋯


『ねぇねぇ~どういうこと~?』

ぴゅい『どちて、くまさん』

きゅい『うごいてるの~?』

『それに、なんで』

『くまさんが、おばあちゃん?』

『うさちゃんもだよ~?』

『なんでうごいてるの~?』

『ひめちゃん、しってるの~?』

みゃ『わけわかんないにゃ』

きゅるるん『『『おかあさんたち』』』

きゅるるん『『『『おしえてよ~』』』』


置いてけぼりのちびっこ同盟たちが、痺れを切らして、教えてよ~!って言い出しました。


『みんな、とりあえず待つんだな。サーヤちゃんにとっては、久々のおばあちゃんなんだな』

『そうなんだな。おいらも知りたいけど、ガマンなんだな』

『にいちゃんと、ちいにいちゃん、がまんするなら、わたちもがまんするんだな』

朝のお野菜を届けに来て、騒ぎに気づいたぽぽちゃん兄弟が、みんなを止めてくれました。


『あらあらまあまあ。みんないい子ね。可愛いわぁ。お顔をよく見せてちょうだいな』

そんなちびっこたちを見て、可愛いもの大好きなおばあちゃん、ちびっこたちに話しかけます。


だけど、かわいいくまの編みぐるみから聞こえるのは、年寄⋯『なあに?』お年を感じ⋯『何かしら?』お、大人な話し方⋯『まあ、いいかしらね』ほっ⋯


まあ、とにかく、見た目とギャップのある話し方に、ちびっこたちはびっくりです。


『サーヤのおばあちゃんよ。サーヤがお世話になって~。ありがとうね。これから私もお世話になるのよ。よろしくお願いしますね』


しーん


『あらあらまあまあ。みんな、なんで固まっちゃったのかしら?もしもし?もしも~し』

みんなの目の前でぴょんぴょんしながら手を振るおばあちゃん。


しーん


『あらあらまあまあ?何がそんなに衝撃だったのかしら?こんなかわいいクマの編みぐるみなのに?』

そういう問題ではない⋯


『ほ、ほら、ハク、気持ちは分かる。すごく分かるが、しっかりしなさい。あいさつしなさい』

『モモとスイも、固まってないであいさつしなさい。まあ、こうなるのは分かるが⋯モモ、スイ!』

頑張るお父さんコンビ。


『ハッ。そうだね。ええと~ほんとに、サーヤのおばあちゃんなの~?』

ぴゅいきゅい『『くまさんなのに~?』』

まだ、信じられないハクと双子が確認します。無理もない⋯


『そうよ~。おばあちゃんよ。よろしくね♪』

おばあちゃん、やっぱり軽い⋯


『そうなんだあ~。ぼく、ハクだよ~。よろしくね~。サーヤ、良かったね~』

ぴゅい『モモです』

きゅい『スイです』

ぴゅいきゅい『『ふたごだよ~。よろしくね~』』

『ぼくフライ』

『ぼくフルー』

『『よろしく~』』

『フィオ』

『ヴェル』

『アーブ』

『『『ようせいトリオだよ~』』』

みゃあ『ココロにゃ』

皆が順番に『よろしく~』と、自己紹介♪その度におばあちゃんは


『あらあらかわいいわね~♪あとで、抱っこさせてもらわなきゃ~』

とか、言ってるんだけど、みんな、『抱っこされるの間違いじゃ』と、思ってるけど、声には出せません。出しちゃいけない気がします。


こそっ

「しぇいかいだよにぇ」

『だな』


『あらあらまあまあ、なあに?二人とも』にこにこ


「ごめしゃい」

『すまん』

謝り方がすばやい?


そして、みんなの自己紹介が終わると、

『あらあらまあまあ。家族がこんなにたくさん♪良かったわね~サーヤ』

「あい!」にこにこ

おばあちゃんも、もう家族!


『それにしても、二人とも、変わりすぎよね~。ゲンさんは若返り過ぎだし。サーヤは髪も目も銀色だものね~』

「⋯おばあちゃん、いちばん」

『⋯そうだよな。いくらなんでも、おばあちゃんには適わないよな』

『え~?』

え~?ではない⋯いくらなんでも編みぐるみには敵わない



『ねぇねぇ、おばあちゃんは、サーヤの魔力を石に送ったから、目が覚めたんでしょ~?』

ハクがのんびりおばあちゃんに話しかけます。


『そうよ~。まあ、ハクちゃんはもふもふね~』

『えへへ~そうでしょう~?ぼくもふもふ~。それじゃあ、サーヤの頭の上のうさちゃんは~?』

『うふふ。ほんとにもふもふね~。このうさちゃんはね~』

この二人、似てる⋯?


『じ、ジジイ共どうしてくれるんだ。なんだか似てるぞ』

ギン様、錯乱!

『いや、なんでワシらかのぉ』

『たまたまだろうが。小僧がしっかりと己の背を見せれば良いと思うがの』

『そ、そうか。そうだな』

だから、おばあちゃんに失礼ですよ。


『このうさちゃんも、このくまさんも、サーヤを守ってね。サーヤが寂しくないように一緒にいてあげてね。って、お願いしながら私が編んだのよ~』

ぴゅいきゅい『『そうなんだ~』』

『そうなのよ~。まさか、自分がくまになるとは思わなかったけどね~』

分かってたらもっとスタイルよく編んだのに~

『やめてくれ』

おばあちゃんの胸の辺りを触りながらのつぶやきに、おいちゃんがすかさず反応。


『双子は大丈夫だろうか?』

『『『アルコン様、ちょっと喋っただけで』』』

『『『無駄に心配しすぎだよ』』』

『そうだろうか』

やっぱり、おばあちゃんに失礼ですよ。


『おばあちゃんは、元から石が入ってたのだ~。石に意思があったのだ~』

「うにゅ?」

姫ちゃん?


〖姫?おばあちゃんは、サーヤが魔力を送ってくれたから、石の中に眠ってた意思が起きたってこと?〗

『そうなのだ。ゴーレムの核みたいなものなのだ』

ジーニ様の問にエッヘンと胸を張る姫ちゃん。


『なるほどですわ。確かにゴーレムを作るとき、まずは核を作りますわね』

『なるほどにゃ、うさちゃんは、体があっても核がなかったにゃね』

アイナ様とニャーニャにゃんは、ゴーレムさんの作り方を知ってるから、すぐに分かったみたいです。


『そうなのだ!だから、入れてあげたのだ~』

「ほえ~」

姫ちゃんの説明だけじゃ、きっと分からなかったね~

『ひどいのだ!そんなことないのだ』

ごめんなさい。


〖たしか、光属性の石って言ってたわね〗

〖そうでしたね。光は生命も司りますから、核とするにはうってつけな石だったかもしれないですね〗

ジーニ様とシア様が、そう分析すると、合ってるよ~とばかりに、うさちゃんが手を叩いてます。なぜ分かるかって?前髪が挟まれて一緒に叩かれてるからです。


〖シアが言うなら間違いないでしょうね。うさぎも手を叩いてますし〗

ん?

「えりゅしゃま?どちて、しあしゃま⋯」

〖シアだと間違いないと、言ったかですか?〗

「あい」

その通りだよ。


〖それはですね、シアが生命を司る女神だからですよ〗

「ふあ?」

〖シアが生命の女神だからよ〗

エル様とジーニ様が教えてくれました。


〖あら?言ってませんでしたか?〗

「あい」

言ってないです。イル様とジーニ様の娘ってことしか知りません。


〖あら?それは失礼しました〗


もう、何を言われても驚かないかもです。


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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