第382話 感動の?再会

ぽ~んっ

『あらあらまあまあ~私、飛んでるわ~』

放物線を描いて、空を飛んでいくおばあちゃん

「ふぇ~?」

おばあちゃんを飛ばした張本人、びっくりぼうぜんなサーヤ

『うわ~ぁ!落ちる落ちる!』

慌てふためくゲンさん


ひゅ~うぅ、ぼすっ

『ふぅぅぅ~。間に合ったか』

『あらあらまあまあ。ゲンさん、ナイスキャッチねぇ』

『いやいや、なんか違うだろ⋯』

落下地点でおいちゃん見事にキャッチ!ほっとするおいちゃん。

おばあちゃんはやっぱりのんき。

そして、おいちゃんは、呆れながらも慣れたご様子。

「ふぇ~?」

やっぱり、びっくりぼうぜんなサーヤ



『う~ん。あの三人、きっと、向こうの世界でも、こんな感じだったんでしょうねぇ』

流石の結葉様も呆れてますね。


〖年季を感じるやり取りよねぇ〗

〖いくら師匠が優しくても、お隣のご家族というだけで、なぜこんなに親密なのかと、少々疑問に思っていたのですが⋯〗

〖きっと、放っておけなくて、世話焼いてるうちに親密になったんでしょうね〗

うんうん。と、納得している神様たち三人。


きゅるる『目に見えるよう⋯』

『ええ。申し上げにくいですが、サーヤちゃんと、このお祖母様の二人暮しとなれば』

『きっと、ニャーニャが、お隣さんでも、心配で毎日見に行くにゃ』

『同感ですわ』

きゅるる『私も』

絹さんもアイナ様たちも遠い目を⋯


『分かります。私でもハクを連れて毎日通うと思います』

『小僧も人並みになったの』ほろり

『親になると変わるもんだのぉ』ほろり

『『大人になったもんじゃの(ぉ)』』ほろり

『黙れ、ジジイ共』

ギン様はじぃじたちにいじられてます。


『うむ。流石の我も確認しに行きそうだ』

『『『同感だな』』』

『『『同感だね』』』

いつもお鈍さんなアルコン様でさえ⋯

そして同意するドワーフさんたち。


おばあちゃんとサーヤを野放しにしてはいけない。

みんなの心が一つになった。


そして、噂の的たちは

『こら、サーヤ、せっかく会えたおばあちゃんを投げるんじゃない』

「ほえ~?ごめしゃい?」

まだ訳が分からないサーヤ。訳は分からないけどあやまっている。

『あらあらまあまあ。この子ったらまだ分かってないみたいね~』

サーヤの目の前で手を振るおばあちゃん。


『ほら、サーヤ~おばあちゃんよ~♪』

おばあちゃん、軽い⋯


「くましゃんだにょ。おばあちゃん、ちあうにょ」

首ぶんぶんのサーヤ

『違わないのよ、くまさんだけど、中身がおばあちゃんなのよ』

「くましゃんは、くましゃん、おばあちゃんは、くましゃん?ふえ~?」

どんどん訳が分からなくなるサーヤ。


『サーヤ、気持ちは分かるがな、諦めろ。間違いなく、中身はサーヤのおばあちゃんだ』

肩にぽんっと手を置いてサーヤに説明するおいちゃん。


「おいちゃん⋯どちて?くましゃん、おばあちゃん?」

助けを求めるようにおいちゃんを見上げるサーヤ。


『あのな?サーヤ、おばあちゃんの、翡翠の勾玉のお守り、覚えてるか?』

「あい」

こくりと頷くサーヤ。良かった。今回は普通の顔だ。

『そうか。おばあちゃんな、あれを割っちまってな?』

「わっちゃっちゃ?」


『違うわよ。割れたのよ~』ぷんぷん

訂正するおばあちゃん。


『まあ、とにかく、割れた石をな?それを⋯』

「しょれを?」

『片方を、このくまのぬいぐるみの、腹ん中に入れたらしいんだ』

おいちゃんはショックが小さそうな方から話した。


「ふおぅ。ここに?」なでなで

くまさんのお腹を撫でるサーヤ。

『あらあらまあまあ、いやぁねぇ』

なぜか、体をくねらせて恥ずかしがるおばあちゃん。


『そして、もう片方は⋯』ごくり

「かちゃほうは?」ごくり

緊張の瞬間!


『おばあちゃん、あろう事か、お茶と一緒に飲み込んじまったらしいんだ』

大真面目な顔で言うおいちゃん。

「ふあ?」

なんですと?

『飲み込んだんだ』

もう一度言う、おいちゃん

「ふおお?にょんじゃっちゃ?」

びっくりおめ目で、おばあちゃんを見るサーヤ。


『あらあらまあまあ。やあね~そんな見つめられてもぉ~』

くねくねするおばあちゃん。


「⋯⋯」

びっくり呆然のサーヤ

『⋯⋯』

サーヤがどんな反応をするか気が気じゃないおいちゃん

『いや~ん』くねくね

なぜか恥ずかしがるおばあちゃん


やがて、沈黙を経て

「⋯おばあちゃん、だかりゃ、ちかたにゃい」

こっくりと、頷きながら言うサーヤ。

『そうか。やっぱりな。サーヤなら納得すると思ってたよ⋯』

同じように頷くおいちゃん。


『あらぁ?なんか、複雑な気分?』

一人、納得のいかないおばあちゃん。


「おばあちゃんなりゃ、にゃんでもあり⋯」

『そうか。そうだよな⋯』

遠い目をした二人

『あらあらまあまあ?どういう意味かしら?』

今度はぷりぷりするおばあちゃん。


「しょれじゃ、ほんちょに、おばあちゃん?」

『そうよぉ』

『そうだな』

じっと見つめ合うサーヤとおばあちゃん。傍目には、見つめ合う幼児とくまの編みぐるみ⋯


「おばあちゃん!」がばっ

『サーヤ!』ひしっ

『うんうん』

ひしっと抱き合うサーヤとおばあちゃん!そして、感動するおいちゃん。

だが、傍目には、抱き合う幼児とくまの編みぐるみと、頷くあんちゃん。


「おばあちゃ~ん」うわ~んっ

『サーヤ~』むぎゅう

『よかったなぁ』うううっ

泣きながら抱き合う祖母と孫、傍らにはつられて涙ぐむおいちゃん⋯

でも、傍目には、抱き合う幼児とくまの編みぐるみ。傍らには涙ぐむあんちゃん。



〖〖〖『えええ?』〗〗〗

『う~ん。なんでかしらぁ?感動の再会シーンなはずなのにぃ』

〖な~んか、締まらないわねぇ〗

〖それに、あの説明で納得してしまうって〗

〖どうなんでしょうか⋯〗

残念感漂う光景に、残念がる結葉様と神様たち。


きゅるる『さすがサーヤのおばあちゃん』

『なんと言いましょうか⋯サーヤちゃんはおばあちゃんに似たのですわね』

『そっくりにゃ』

妙に納得する絹さんとアイナ様たち


『なあ、ハクたちが、サーヤのおばあちゃんに似ることはあるだろうか⋯』

『どうかのぉ』

『わからんの』

『ちびっこたちが全員似てしまったら?』

『『あんまり、考えなくないの(ぉ)』』

『そうだよな』

おばあちゃんに失礼なことを考えるギン様とじぃじたち。


『やめてくれ。双子で想像したぞ』

『『『あ~そりゃ』』』

『『『手に負えないかもね』』』

アルコン様にドワーフさん達まで。

みんなして、おばあちゃんとサーヤに失礼⋯



『なになに~?どうなってるの~?』

ぴゅいきゅい『『おばあちゃん?』』

『『くまさんが?』』

『『『どういうこと~?』』』

みゃ『わからないにゃ~』


『きゃはは♪』


きゅるるん『『『ひめちゃんだけ』』』

きゅるるん『『『『わかってたみたい?』』』』

ちびっ子たち、置いてけぼり⋯


とにかく感動の再会を果たしたサーヤとおばあちゃん。と、おいちゃん。


「おばあちゃ~ん」うわ~ん

『サーヤ~』ぎゅううう

『うんうん。よかったなぁ』ううう


良かったね。でも、見た目は⋯

カオス⋯いや、シュール?


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございますm(*_ _)m

フォロー、応援などなどありがとうございますm(*_ _)m

星★や感想もありがとうございます。嬉しい感想を頂けますと、サーヤたちがお返事するかもです。よろしくお願いします。

昨日、星がついに100個になりました。星をつけて下さった方々、ありがとうございますm(*_ _)m

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る