第371話 いろいろ分けよう!

お野菜焼けたよ!お肉も焼けるよ!ホイル焼きはもうちょっとね!


『サーヤちゃんたちは、ホイル焼きでおなかいっぱいになっちゃうと思うので、少しにしておきましょうね』

『そうですね。とうもろこしもありますしね』

「あ~い」

そうだね。おなかいっぱいになっちゃうとデザート食べられないもんね。


『それにしても、このお肉柔らかいわね』

『な!肉は、筋っぽくて当たり前だと思ってたけどな』

フゥとクゥが感心してます。フゥとクゥは、果敢にもあのスープ争奪戦に参加してました。なんと、小鍋一杯分!


『おいしいのだ~ありがとうなのだ~』

姫ちゃんが涙流しながらおかわりを食べてます。ちょっとだけね。


『どういたしまして』

『絶対何人かこっちに流れてくると思ったからな』

『空中からこっそり、クゥに転移魔法でお鍋に移してもらったのよね』

『神様たちの上に零したらいけないからな、今までで一番緊張したよ』


フゥとクゥ流石です!ぱちぱち!

今、この席には、ちびっこ同盟とフゥとクゥ、山桜桃ちゃんと春陽くん、ぽぽちゃん兄弟と、姫ちゃん。後から合流した絹さん親子に、アイナ様たち、それから、レンゲ女王様たち、青葉ちゃんたちがいます。


きゅるる『ありがとう。フゥ、クゥ』

『私たちはお肉は持ってこられたのですけれど、スープは諦めましたの』

『よく思いついたな。転移させるなど』

『ホントウデス。スバラシイデス』

みんながフゥとクゥを褒めます。


『い、いや、大人は足りないだろうと思って』

『そうです。たまたまバートさんを思い出して、真似しただけですからっ』

照れなくてもいいのに~

「てれてれ~」

『『サーヤ?』』

なあに?


『それにしても美味しいだ~』

『父ちゃんたちも妖精さんたちと食べてるだ』

『ここにもどってよかっただ』

ぽぽちゃん兄弟の仲間は妖精さんたちのお世話をしてくれてます。トレちゃんとゴラちゃんはどうしてるんだろ?


『それにしても~白いご飯に~お肉乗っけると~なんでこんなに美味しいんだろね~?』

ハクがご飯の上にお肉乗っけてぱくぱく食べてます。肉汁がしみて美味しいよね!


ぴゅいきゅい『『おいしいよね~』』

双子もまねっこしてます。


『玉ねぎと人参も美味しいよ~』

『お野菜、焼くと甘くなるよね~?』

フルーとフライ、よく分かってるね!


『ほんとだね~』

『ブロッコリーに』

『やけたマヨネーズ』

『『『さいこう~』』』

妖精トリオすごい!いつの間にマヨ焼きまで!


『お肉、玉ねぎのも持ってきましたわ』

『リンゴのも持ってきたにゃ』

みゃ~『みんなでわけっこできるにゃ!』

「あいがちょ」

やった~!


『りんごに漬けた方は甘みの中に爽やかさがある気がしますね』

『玉ねぎの方も甘みがあるけど、リンゴよりすっきりしてるかな?』

『でも、不思議~』

『ね、やわらかい~』

青葉ちゃんたちも感心しっぱなしです。


「こうしょが、ぶんかい?よくわかりゃにゃい」

『酵素というのが、お肉の何かを分解するということですか?』

『役立ちそうなので、後でゲンさんに確認ですね』

お、おお。山桜桃ちゃんたちが研究熱心です。


『それにしても、レモンという物がこんなに万能とは知りませんでしたわ』

『ほんとにゃ~油っぽい物も、サッパリしておいしいにゃ』

アイナ様たちはサッパリレモンがお気に入りみたいです。


きゅるる『バターと醤油の合わせ技も捨てがたい』

『分かります!鉄板の熱で溶けて少し焦げるのがまた!』

『匂いまで美味いよな!』

絹さんとフゥとクゥはこってり派みたいです。


「でじゃーとにょ、ほいりゅやきにみょ、ちゅかえりゅ」

ぼそって言ったら


『ほんとうですの?』

『どうやるにゃ?』

「ほえ?」

すごい勢いで食いつかれました!


「しゅ、しゅっきり、にゃら、れもん、わぎり」

『のせて焼いていいんですか?』

『絞るだけじゃないんですね!すごい!』

山桜桃ちゃんたちまで!


きゅるる『バターは?』

「ばちゃー、のしぇりゅ、こってり、じゅーしー?」

『こってり』じゅる

『ジューシー』じゅる

きゅるる『美味しそう』

絹さんとフゥ、クゥが妄想の世界に


『ほかは~?』

ハクたちも、おめめがキラキラ!

「え、えちょ、はちみちゅかけちゃり」

『ていきょうしよう』

『ハイ。イクラデモ』

レンゲ女王たちまで!


「あいしゅ、のっけちぇも」

『それやる~!!』

ぴゅいきゅい『『りょうほうのせる~!』

『『うわ~ぜったい』』

『『『おいしい~!!』』』

うわあ、お口もキラキラ!


『分かりました。全種類作って』

『皆さんで分けましょう!』

キリッとしたお顔で山桜桃ちゃんたちが張り切ってます!


『『頭いい!』』

『それはいいですわね』

『食べ比べできるにゃ!』

みゃ~『たのしみにゃ!』

ほんとだね~


『でも、その前に、とうもろこしと、じゃがいもと、鶏肉のホイル焼きがそろそろかと』

『ちびっこの皆さんは、とうもろこし分けましょうか?』

山桜桃ちゃんたちが、トウモロコシを確認しながら提案してくれるけど、みんなは

『え~』

ぴゅいきゅい『『まるごと~』』

『『食べたい~』』

『『『おねがい~』』』

『おねがいなのだ~』

って、駄々をこね始めちゃいました。ありゃ~


『そうね。私もとうもろこし半分にしようかな。お腹苦しくなりそうだし。みんなもデザートまで美味しく食べたいでしょ?』

『そうだな。おれもそうしようかな?丸ごと食べたいけど、最後まで美味しくたべたいもんな』

フゥとクゥが山桜桃ちゃんたちに、こっそりウインクしながら言ってます。

たぶん、嫌がるみんなを、自分たちより体が大きいフゥたちでも苦しいんだよ?って思わせて、自然に納得させようとしてくれてるんだね。それじゃあ


「あい!さーやみょ!」

『そうですわね。私もそうしますわ』

『ニャーニャもにゃ!』

きゅるる『一本を細かく切って、初めに山桜桃たちが説明したとおり、味を変えたらもっと楽しめるんじゃ?』

きゅるるん『『『おかあさん、すごい』』』

きゅるるん『『すくなくても』』

きゅるるん『『あじちがうのがいい~!』』

絹さんナイスアイデアです!


『う~ん。それならいいかな~』

ぴゅいきゅい『『わかった~』』

『『がまんするよ』』

『『『あじ、いろいろのほうが』』』

『おとくなのだ!』

ちびっ子のりました!やったね!

フゥたちとこっそりグッ!です。


『そうですね!大きいですから、五、六等分に切りましょうか』

『じゃあ、皮剥いて、切りましょう』

山桜桃ちゃんたちが、取り掛かろうとすると


きゅるる『まかせて』

絹さんが糸で、しゅるるっ!ぷりんっ

「ほえ?」

『『え?』』

あっという間にとうもろこしが裸に?おヒゲまでキレイに!更に


しゅるんっ!しゅぱぱぱぱ!

「ふあ?」

『『す、すごい』』

あっという間に切れちゃいました!


きゅるる『糸は物も切れる。それに、とうもろこし熱い。これなら誰も熱くない』

「ふわわわ~」

『『あ、ありがとうございます!』』

すごいすごい!


きゅるる『どういたしまして』

きゅるるん『『『つぎはぼくたちも』』』

きゅるるん『『『『やる~!』』』』

子グモさん達もお母さんの活躍に大興奮です!次の時によろしくね!


その間に、山桜桃ちゃんがサササッとひとつをお皿にとりわけ、春陽くんがサササッと残りをお醤油で焼き目を付けてます!


美味しそう~!!う?

か、影?

後ろをおそるおそる見ると

「ひょえっ!」

みんなも気がついて

『『ひいっ』』

『『うわあっ』』

みんなそれぞれ悲鳴をあげてます。


〖また、ここだけ色々〗

〖いい匂いですねぇ〗

〖ずるいわぁ〗

『ほんとよねぇ、こういうことは教えてくれないとぉ』

いつの間にかジーニ様たちが、ガクガクブルブル


『ふむ。なるほどな』

『真似しよう』

『今すぐやろう』

『戻ろうかね』

ドワーフさんたちがあっさり戻って行くと


〖あっ待って〗

〖私たちも戻りましょう〗

〖そうですね〗

『そうしましょ~』

ジーニ様たちも戻っていきます。


すごい!こんなにすんなり!って思ったら、ドワーフのおっちゃんが、振り向いて、ニッ!と、親指グッてしました。おかみさんたちも、グッ!


「ふわぁ!」グっ!

『『素敵です!』』うるうる

『かっこいい~』キラキラ

ぴゅいきゅい『『うん!』』キラキラ

『『『『『かっこいい~』』』』』キラキラ

みんなもグッ!てお返しです。


ドワーフさんたち、大好き!ありがとう!


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。感想などなど嬉しいです(*^^*)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る