第372話 たまには平和に⋯

焼きとうもろこしは、茹でたのと、また違うよね。

ちょろっと歯にひっつくのが、たまにきずってやつだよね。

でも、美味しい!やめられないとまらない~♪枝豆と一緒だね!しゃくしゃく。


『ねぇねぇ、サーヤ~。いーっしてみて~?』くすくす

「うにゅ?」


ハクがなんか笑ってます。意味深ってやつですか?なんだか、モモとスイたちも、クスクスしてる?でも、とにかく『いーっ』て言ってるから


「いーっ?」

ってしたら、


『わ~い♪なかまだ~♪』

「ほえ?」

なかま?なんの?


ぴゅいきゅい『『ほら~いーっ』』

『『いーっ』』

『『『いーっ』』』

みゃ『いーっ』

『きゃはは!いーっ』

きゅるるん『『『『『『『いーっ』』』』』』』

みんなして、いーって。そしたら


「あ~っ!きいりょ」

みんな、歯にとうもろこしが!


『サーヤもだよ~』

「ふぇ?」

ぴゅいきゅい『『おそろい~』』

ありゃ?そう言えば、なんか歯の間がむずむず?


『なんか、いつまでも』

『お口の中、美味しい感じ?』

お~!フルーとフライの言ってること分かる~!


『とるのもったいないけど~』

『なんかはさまってて』

『きになる~?』

妖精トリオのも、分かる~!


『姫はこのままでいいのだ~』

みゃ~『ココロもにゃ~』

ん~それはちょっと~?ずっとは~


『ま、まあ、私もかしら?』

『ニャーニャもかにゃ?』

アイナ様たちがお手てで、お口隠してモゴモゴしてます。みんなきっと⋯ふへへ

『『サーヤちゃん?』』

ふへへ


『なんだ?楊枝作ってやろうか?』

『あんた、ダメだよ。小さい子にゃ』

『そうだね。あぶないね』

『口ゆすいでくるかい?』

ドワーフさんたちが、気づいて楊枝とか、提案してくれたけど、おばあちゃんにお行儀悪いって言われちゃうから、ダメです。危ないし。血でちゃうよ?


〖だいじょうぶですよ。クリーン〗パチンッ

エル様がみんなにクリーンをかけてくれました。


『あ~すっきり~?』

ぴゅいきゅい『『とれちゃった~』』

『『『すっきりだね~』』』

『美味しいのが』

『消えちゃった』

『なんか、もったいないのだぁ』

みゃ~『おいしいのがないにゃ~』

あらら、見事に反応が別れちゃったね~。サーヤは両方かな?


『この手がありましたわね』

『あったにゃね』

あったね~


〖師匠が歯の隙間は虫歯要注意と仰ってましたからね。不安材料は取り除かなければいけません〗

そ、そっか。まだ、ご飯途中なんだけど

〖終わったらまた綺麗にしましょうね〗にっこり

そうだね。


そんなやり取りをしてたら、山桜桃ちゃんたちが、またまた説明を始めました。


『で、では、ホイル焼きもそろそろ⋯』

たしかに!いい匂いがしてきてるよ!くんくんっ


『蒸気で火傷なさらないように、特にお顔、気をつけてください。覗き込むと⋯』


『あちっ!』


「ふえ?」

ぴゅいきゅい『『おとうしゃん⋯』』じとぉ

アルコン様が⋯


『え、ええと、あのようになりますので』

『十分お気をつけください』

山桜桃ちゃんと、春陽くんが申し訳なさそうに説明してるけど、今のは


ぴゅいきゅい『『おとうしゃん』』

『な、なんだ?』びくっ

ぴゅいきゅい『『だめだめ~』』

『うぐっ』

だよね~?


ぴゅい『おはなちは』

きゅい『ちゃんときかないと』

ぴゅいきゅい『『だめだめ~』』

『ぐっ、す、すまん』

あ~、とどめ


『え、ええと、味付けは塩コショウとバターでついてますが』

『お好みで調味料をお使いください』

おお!強引に説明が続いた!山桜桃ちゃんたち、ごめんね。でも~


「あ~い!」

わ~い!ホイル焼き~♪

ホイル焼きの誘惑には敵いません!


『あっ、ちびっこの皆さんは私たちがお手伝いしますので』

『お待ちくださいね』

「あ~い⋯」

山桜桃ちゃんたちは心配性ですね。早く食べたいです。


そんなこんなで

『おお~』

ふわ~とそこら中から白い湯気がぁ。いい匂い~♪


『おお?凄いな!鶏肉はパサついて肉食ってる気しなかったけど、これは』

『ああ、見ただけでプリプリしてるのが分かるね』

つんつん

『弾力もあるよ』

『おお~しっとりしてるよ』

ドワーフさんたち見ただけですごい!

食べてみて食べてみて~♪


『ん!これ、ほんとに鶏肉か?これなら、肉って認めてやる!』

『ほんとにおいしいね!醤油垂らしてみなよ!また違うよ!』

『驚くのは野菜もだよ!すごいよ!とろとろだ!』

『ん~んん!野菜がこんなに甘いなんて!!新発見だねぇ』

そうでしょそうでしょ?玉ねぎとろとろ!にんじんもとろとろ!おいしいよね!

もう、すごい勢いで食べてますね!


『サーヤ~、これおいしいね~』

でしょう?

ぴゅいきゅい『『おいち~い♪』』

『じゃがいももおいしいよ~』

『バター足すともっと美味しい~♪』

『『『はぐはぐはぐはぐ』』』

『鶏肉も、おいもも、おいしいのだ~』

みゃ~『おいしいにゃ~』


み、みんな熱くないの?すごいね。

サーヤはじっくり食べます。お肉の上にお醤油をかけ過ぎないようにたらり~。かけすぎるとお醤油の味だけになっちゃうし、体にも良くないので真剣です。ん~あと、一滴。

じゃがいもにはバターを足して、お塩をぱらぱら~。お醤油を垂らす人もいるけど、サーヤはかけない派です。

では、あ~ん♪はふはふ。美味しいです!鶏肉さんもぷりぷりです!もちろんお野菜とろとろ~♪特に玉ねぎ~とろとろあまあま幸せです♪

じゃがいもはホクホクです。ほっぺたがとろけます~♪

ふへへ~

ホイル焼きは大成功です!


『うんうん。そうやるのね~』

『サーヤの真似が一番確かだからな』

『たしかに。それから色々試した方が』

『『『はやいね!』』』

「ふお?」

フゥ達だけじゃなく青葉ちゃんたちまで!


『それにしても、美味しいですわね』

『ほんとにゃね』

きゅるる『サーヤの言う通り、ハンバーグも楽しみ』

きゅるるん『『『ぜったい』』』

きゅるるん『『『『おいしい~♪』』』』

うわ~?みんなの期待が高くなってる?


『サーヤちゃん、これはハンバーグの前に』

『アルミホイルまた作らないといけないかも、です』

『妖精さんたちも夢中です』

『もちろん神様たちも』ちらり


〖あ~ん、蕩けるぅ。野菜がこんな風になるなんてぇ。さすがサーヤが私の為に考えてくれたものだわぁ〗はぐはぐ

〖お母様の為かどうかはともかく、本当に。お野菜がお肉の味も吸って美味しさが増してますね〗はふはふ

〖そうですね。魔神の為かはともかく、色々試してみたくなる美味しさです〗ぱくぱく

『ん~お野菜最高ねぇ。もっと早くに知りたかったわぁ』

『もう二度と野菜などとは思わないな』ばくばく

『アルコン様、同感です』はぐはぐ

なんか、ジーニ様、ご飯食べてなんでお色気?それになんであそこの席だけ、ホイル焼きあんなにたくさん!?


『サーヤちゃん。皆様、あの位でしたら簡単に完食されます』

『はい。ですので、明らかにアルミホイルが』

『『足りません』』

や、やっぱり?


『サーヤ、おいしいけど、足りない~』

ぴゅいきゅい『『もっと~』』

「ふえ?」

ハクたちも、もう食べちゃったの?このままじゃ、ほんとにアルミホイルが⋯

『『足りません』』

だよね⋯


きゅるる『山桜桃、春陽、そろそろデザートじゃない?』

絹さんがみんなの様子を見て言うと


『あっ!大変、デザートの用意しなきゃですね』

『アイス持ってきますね』

山桜桃ちゃんと春陽くんが慌てて動き出します。

『『おまたせしました!』』

はやっ


『皆さんのテーブルにも置いてきました!』

『さあ、開けましょう!』

ふわ~あぁ、あま~い匂いが~

『うわあ~はやくはやく~!』

ぴゅいきゅい『『おなかいっぱいなりそうだったけど~』』

『『お腹空いた~』』

『『『じゅるり』』』

『はやくたべたいのだ~』

みゃ~「ココロもにゃ~」

デザートは別腹!みんなも待ちきれないよね!


『まずはそのまま』

『はい!どうぞ』

待ってました!山桜桃ちゃんたちが少しずつ取り分けてくれました。


「ふわ~」

おいしい~♪

『すっぱいのにあま~い』

ぴゅい『りんご、しゃくしゃく~、とろっとろ~』

きゅい『おいもも、ほくほく、でもとろっとろ~』

『『やわらかい~おいしい~』』

『『『はぐはぐはぐはぐ』』』

『これは!これは!喋るのももったいないのだ!』

にゃー『おいしいにゃ~』

そうでしょそうでしょ?


『バターがこくを?凄いですわ』

『至福ってきっとこういうことにゃ~』

分かる~


きゅるる『おいもにリンゴの果汁が染みて』

きゅるるん『『『『『『『おいしい~~』』』』』』』

分かる分かる~


『山桜桃ちゃん、春陽くん、次いきましょ、次』

『レモンレモン!』

『『は、はい』』

フゥ、クゥ、そんなに急かさなくても⋯あぐあぐ。


アルミホイル開いた瞬間

「ふわあ~」

レモンの香り~

『すっぱいけど、さらにあまい~?』

ぴゅいきゅい『『ふしぎ~』』

ね~?ふしぎだよね~

あれ?みんなは?


はぐはぐはぐはぐ


あっ。なるほど。しゃべるのももったいないんだね。


『私、このまま飲み込みたくないですわ』

『ニャーニャもにゃ』

きゅるる『口の中が幸せ』

きゅるるん『『『『『『『しあわせ~』』』』』』』

な、泣いてる?


『まだだ』

『ソウデス。ユスラ、ハルヒ、コレヲドウゾ』

はちみつ!!

みんなの目が!!


『『は、はい』』

あ~ビクビク。お耳がぺたん~


『では、アイスとはちみつを』

『のせますね』

とろ~り


「ふわ~あ」

とけた~


ごくっ


「ふえ?」

『『う、うわ』』

み、みんな?


ギラリッ


こ、こわこわ

「い、いちょごう」

『『は、はい!どうぞっ』』

みんなの目が怖い~


がっ!ばくばくばくばく


「ひょえっ」

『『ひいっ』』

う、奪うように⋯っ。こわこわこわこわ

こっ、こっちでこれじゃ⋯

パシっ

『だ、ダメです!サーヤちゃん!』

『そ、そうです!見たら呪われます!』


うおおぉぉぉ!

がおおぉぉぉ!


み、みちゃだめみちゃだめ。がくがくぶるぶる


「ちゃ、ちゃべよう」

『は、はい』

『たべましょう』

もちろん、お味は最高でした。


「たみゃには、へいわにたべちゃい」

『『同感です』』

がくがくぶるぶる


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございますm(*_ _)m


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