第341話 それで?
ドワーフさんたちと、石の山の前に来ました。何するのかな?
『サーヤ、さっきアルミの話しをした時、何か考えてたろ?』
「うにゅ?」
おっちゃんと、アルミのお話、してた時?
『何を考えてたんだ?』
あれはぁ?
「いししゃんから、いししゃんを、とりだしゅの」
『取り出すだって?』
『石から石を?』
『どういうことだい?』
「ふお?」
おかみさんたちが前のめりで迫ってきます。すごい迫力です。ずずいってやつです。
「おいちゃんが、ちゅうしゅつ、っていってちゃ」
サーヤよくわかんない。
『アルミってのは、単独の石じゃなくて、別の石と結びついてるってことか?』
「しょんなかんじ?」
よくわかんないけど、たぶん?合体?
結葉様がサーヤを下ろしてくれて、一緒に石の山の前にしゃがんで石を触ってます。
『例えば~鉄は最初ピカピカだけどぉ。だんだん錆びるじゃなぁい?』
「う?しょれは、しゃ、さんか」
『さんか?』
「さんしょ…そ、の、さんか」
『酸化⋯』
だったよね?違ったらごめんなさい。おいちゃ~ん!カムバッ~ク!
『じゃあ、そんな感じでアルミってやつも石に混ざってるのか』
「うにゅ~う?」
分かんない。違うかも?むずかしいよ~。ぷすぷす
『あらぁ?サーヤの頭から煙が出てきそうねぇ』くすくす
「ふぎゅう」
『まあ、難しいことは後でゲンに説明してもらいましょうねぇ』なでなで
「あい」
そうしてください~
『そうだな。ゲンをとっ捕まえて吐かせるとして』ポキポキ
「ふにゅ?」
なんで指ぽきぽき?だめだよ?乱暴は。あ、でも、おいちゃんなら跳ね返しちゃうかも?
『まあ、とにかくそれをどういう方法かは分からないけど』
『分離させて取り出すんだね?』
『ええと、抽出だっけかい?』
おっちゃんたちも石に触ります。
サーヤも釣られて触りながら
「あい。ありゅみしゃんを、ちゅうしゅつ~」
ぴちょん。
「ほえ?」
ぴゅるるるるるる~
「ほぇえ!?」
なに?なに?なんか銀色のがピュルル~って集まって来たよ!?
『あ~やっぱりかぁ』
『気のせいじゃなかったんだねぇ』
『石の山を触りながら同じことしたらと思ってはいたけど』
『こんなに上手くいくとはね~』
ドワーフさんたち!?確信犯ですか!?
『サーヤが単じゅ⋯素直な子で良かったわねぇ』
『お母様⋯言い直せてませんわ』
『ご主人⋯これも確信犯だと思うにゃ~』
『あらぁ。ニャーニャ、言うわねぇ?』
みんな確信犯~!!
ひとりあわあわしてるサーヤを他所に確信犯たちは
『未知の素材だな』
『楽しみだね~』
『まだまだありそうだね~』
『親方が悔しがりそうだね~』
違うのもやるの!?
『異世界辞書あるからねぇ』
『そうですわね』
『色々出てきそうにゃ~』
似た者親子プラスにゃんこだ~!
〖まあまあ、サーヤ諦めなさい〗ぽんっ
ジーニ様?
〖師匠と同じく、やはりサーヤも規格外なのですね。素晴らしい〗ぽんっ
エル様?
〖サーヤ、そろそろいいんじゃないかしら?それ〗ぽんっ
シア様?、なにが?あ?
「ふみゃあ!?」
シア様に言われて気づいたら、自分の前に、一回り小さくなった石の山と、新しく銀色の塊ができてました!
「ふみゃあ!?」
〖〖〖どんまい〗〗〗ぽん
神様たち、どこでそんな言葉を?
しくしく。みんながひどい。
今、サーヤの前にはアルミさんと、アルミさんが抜けた分純度が上がった魔鉱石があります。さっきのお山は魔鉱石だったんだって。
『いやあ、楽しいなぁ』
『『『ほんとだね~』』』
ドワーフさんたち、ほくほくしてます。
『でも本当に軽いなこれ』
軽いの?サーヤのぽんぽんと同じ位の大きさだよ?動かなかったよ?ひょいひょい持ち上げてるね⋯軽いんだね。
『サーヤ、これでホットケーキの枠できるのか?』
そう言えば、それが本題だったよね。
「あい。たぶゅん?めだみゃやき、ちょか、おこにょみやき、ちょか?いりょいりょ、ちゅかえりゅ?たぶゅん?」
そんなのあったよね?
『お好み焼き?新しく聞くわねぇ。うふふ』
「ふあっ?しまっちゃ」
『楽しみねぇ』
む、結葉様が怖い。で、でも
「でみょ、しょーしゅ、にゃい。まだ、できにゃいっ」
お好み焼きも焼きそばも、おソースあってこそなんだから!
『ソース?それも新しいのなのねぇ?うふふふふ』
「ふみゃあっ!?」
またやっちゃった!?がーん!
『お母様、サーヤちゃんをからかうのも程々にしてくださいませ』
『そうにゃ!かわいそうにゃ!』
『うふふ♪』
え?からかってたの?
「ぶーっ」
ひどい~
『ふふっ♪だってぇ、可愛いからぁ、つ ・い♪ごめんなさい♪でも、お好み焼きとソース?楽しみねぇ』
『お母様!もう!』
『結葉様!またかにゃ!?』
『まあ、たしかに』
『楽しみだけどにゃ』
結局、そうなるんだね⋯
『おいおい。程々にしてやれよ。そんで、どんな形なんだ?』
「うゆ?」
『ホットケーキの枠だよ。どんな形なんだ?』
「どんにゃ?」
ん~?
目をつぶって、思い出します。コメカミ指でくりくり。
まあるかったり~?しゅるん
『え?』
ハートだったり~?しゅるん
『『『ちょ、ちょっと?』』』
くまさんだったり、とりさんだったり~?しゅるしゅるん
『さ、サーヤちゃん?』
『何が起こってるにゃ?』
それでぇ、生地が流し込める高さがあって~?にゅるにゅる
『ジーニ様、これってぇ?』
そのままのもあったけど~、サーヤは持つとこあった方が楽ちんだったなぁ?にょ~ん。
〖ええ、これは〗
でもぉ、あのままだと熱いんだよね~?お鍋みたいに持つところに木があると、熱くないのにな?燃えにくいやつ~ぅ、あったよね~?しゅんっ!
〖トレントの木の枝ですか?移動してきましたよ〗
そこを持てるようにしたら?しゅるん
〖持ち手ができたみたいですね〗
「う?」
さっきからみんな何言ってるのかな?サーヤ一生懸命思い出してるだけだよ?目を開けて、伝えようとしたら
「あにょね~?」
『うん。分かってる』
『丸かったり』
『動物の形だったり』
『色々あるんだね?』
「あい」
なんで知ってるのかな?それになんでドワーフさんたち、サーヤの上みてるのかな?
「しょれでね~?」
『ホットケーキ位の高さがあるんですわよね?』
『ちょっと厚めかにゃ?』
「あい」
スフレのホットケーキは厚いからね~?でも、なんでアイナ様たち知ってるのかな?やっぱりサーヤの上見てるし?
「しょれから~」
『持ち手がある方が便利なのよねぇ?』
「あ、あい。にゃいのも、ありゅよ?」
結葉様まで何で知ってるの?それにやっぱりなんで変な方見てるの?
「でみょ~」
〖そのままだと熱いですからね〗
〖熱に強い木があるといいなぁって思ったのね?〗
「あ、あい」
エル様にシア様まで、なんで分かるのかな?
「にゃんで?」
〖分かるのかって?〗
「あい」
ジーニ様もなんで分かるの?
〖それはね?サーヤ、上を見てご覧なさい〗
「うえ?」
なんでか分からないけど、言われるまま上を見ると~
「ふぎゃ!?」
な、なななななな?いっぱい枠が浮いてる!?
〖分かったかしら~?〗
〖規格外だとは思ってましたが、これは、すごいですね〗
〖具現化?錬成?転移?少なくともこれは、出来てますわね。お母様?〗
〖あと、浮いてるからね~。空間魔法も使えてるかしらね?〗
『すげえな、おい』
『『『ほんとだね~』』』
神様たちが次々になんか言って、ドワーフさんたちが感心してます。
「こ、こりぇ?どわーふしゃんちゃち?」
『ちげぇよ!』
『『『サーヤちゃんだよ!』』』
「ふあ?」
まさか~ぁ
『無意識ってすごいわねぇ』
『サーヤちゃん、すごいですわ!』
『でも、そろそろ、これ下ろしていいんじゃないかにゃ?』
「ほえ?」
ほんとにサーヤがやったの?
〖そうよ。すごいわね、サーヤ。さすが、ゲンをそばで見てただけあるわね〗
ジーニ様がトドメの一言
「⋯⋯⋯」
〖サーヤ?〗
「ふ、ふみゃ~あああ!」
サーヤがやったの?と、思ったとたんに、浮いてたたくさんの枠が、
ドンガラガッシャーン!!!
カコーン!
「ふみゃっ」
『『『『ぎゃー!!!』』』』
『『きゃーっ』』
『降ってきたにゃ~!』
〖〖〖サーヤーっ!〗〗〗
サーヤの上に降って来ました
「きゅううう」
ぱたり。
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
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