ある日の秋の日日記 番外編

「う~さぎうしゃぎ♪にゃにみてはねりゅ♪じゅーごやおちゅきしゃん♪みちぇは~ね~りゅ♪」


『う~ん、あとちょっとな感じなんだよな』


「うにゅ~」


ここは、めーめーさんや、うさちゃんたちの小屋。サーヤがうさちゃんをなでなでしながら歌っています。おいちゃんの厳しいツッコミも入っています。


『サーヤ、まえもうたってたぴょん』

『じゅーごやってなんだめ~?』

『つきはわかるんだじょ』

もえちゃんたちがしつもんしてきました。


「うにゅ?じゅーごや、おだんご、たべりゅ」

おつきみだんご~じゅるり


『う?おだんごだべるひぴょん?』

「あい」

そうだよ~おいしいんだよ~


『サーヤ、それはサーヤが楽しみなところだけだろ』はぁ~

「ありゃ?」

そんなことないよ?


『十五夜ってのは、まあ、旧暦とか色々面倒だから簡単に言うと、秋の美しい月、まあ十五夜はだいたい真ん丸な月だな。それを、ススキや月見団子を飾って、見て楽しもうってとこか?』

「あきにょ、まんげちゅ。んちょ、ちゅーしゃにょ、めいげちゅ?」

『そうだな。秋の満月だな。でも、惜しかったな。注射じゃなくて、中秋の名月な。月に注射してどうする』

「うにゅ~」

難しい言葉はわかりません。

『うん、まあ、でもよく覚えてたな。えらいえらい』わしわし

「えへ~♪」

なでられちゃった。


『ここではやらないぴょん?』

『おどらないのかめ~?』

『まえはサーヤおどってたじょ?』


「う?」

お月見で、おどり?


『あ~、思い出してきたぞ。ほら、うちの縁側でお月見した時、おばあちゃんが「月にはうさぎさんがいて、お餅ついてるのよ」って教えたら、サーヤ「すごいね~」って、もえたちの前足持って、歌って踊ってたな。あれか?そそら そらそら うさぎのダンス~♪ってやつ』


「ふあ~?」

そういえば、あったね。

「よく、おぼえちぇちゃにぇ?」

すごい~


『たのしかったぴょん♪』

『あのあと、おばあちゃんにしこまれため~』

『まえはうまくおどれなかったけじょ』

『いまならじょうずにできるぴょん♪』

『うたもうたえるめ~』

『やりたいじょ』

って、もえちゃんや、つとむくんたちが楽しそうに教えてくれたんだけど


「ふにゅ?」

『はあ?』

おばあちゃんが?しこんだ?色々色々ツッコミどこ満載だったような?


「おばあちゃん?」

『動物相手に何してたんだ?』

「しゃ、しゃあ?」

ほんとに何してたんだろ?


『さーやといっしょに』

『おどってくれたら』

『ぜったいかわいいはず』

『って、いってたぴょん♪』

『こうやるんだめ~』

『おしえてあげるから、いっしょにやるじょ!』


「あ、あいっ」

問答無用で始まる、うさぎのダンス教室。


『『そそら そらそら うさぎのだんす~♪』』

もえちゃんと、つとむくんがお手本で歌っておどって

『サーヤ、うさぎのおみみのまねだめ~』

『おててこうだじょ』

『あたまにおててめ~』

『ぴょこぴょこだじょ』

「あいっ」

うさちゃんのまね、ぴょこぴょこ


『おいおい⋯』

らむちゃんや、ちーちゃんたちがサーヤを囲んで踊りながら教えています。


『『たらったらったらった♪らったらったらったら~♪』』

『め~、りずむにあわせて』

『はねるんだじょ』

『できたらみぎひだり』

『むきかえるんだじょ~』

「あいっ」

ぴょんぴょんぴょんぴょん

みぎ、ひだり、みぎ、ひだり


『な、なかなか、難しいこと仕込んだな⋯何やってたんだよ、キヨさん』

おいちゃん、呆然。


『『あしで けりけり ぴょこぴょこおどる~♪』』

『あしでけるぽーずだめ~』

『みぎあし、ひだりあしだじょ』

『めめっワン・ツー、ワン・ツー』

『がんばるんだじょ』

「あ、あいっ」

いち、に、いち、に


『子羊の口からワン・ツーを聞くとは⋯サーヤはいち、に、なのに⋯』

おいちゃん、びっくりと残念⋯


『『みみにはちまき らったらったらったら~』』

『め~うさみみのまねは』

『そのままだじょ』

『さげちゃだめだめ~』

『そのままぴょこぴょこだじょ』

「あ、あい」

おててぴょこぴょこ、あしぴょんぴょん


『す、スパルタだな?』ひくっ

おいちゃん、若干引いてます


『『そそら そらそら うさぎのだんす~♪』』

『つぎいくめ~』

『うさぎになりきるめ~』

『おみみちゃんとするめ~』

『がんばるんだじょ』

「あ、あいっ」

おみみぴょこぴょこ


『『たらったらったらった♪らったらったらったら~♪』』

『さっきといっしょだめ~』

『みぎ、ひだりに』

『ぴょんぴょんだめ~』

『みぎ、ひだり、みぎ、ひだり』

「あ、あい」

ぜえぜえ、つかれてきたよ~


『サーヤの体力向上になりそうだな』

おいちゃん、感心し始めた


『『おしりふりふり ぴょこぴょこおどる~♪』』

「うにゅ?」

あ、あれれ?

『なんだ?歌詞が違う?』

サーヤとおいちゃんが、とまどっていると


『しゅーちゅーだめ~』

『おしりをつきだすんだじょ』

『おしりふりふりだめ~』

『みぎひだりにおおきくだじょ』

「あ、あい」

腰に手を当てて、おしりふりふり


『『もふもふは せいぎ らったらったらったら~♪』』

「ふおお?」

ぜんぜんちがう!?

『キヨさん、ほんとに何やってたんだ!?』

サーヤとおいちゃん、驚愕!


『おつかれだめ~』

『きをつけするんだじょ』

『かたっぽのあんよ、ななめうしろにひくめ~』

『おじぎしておわりだめ~』

「あ、あい」

おててもちゃんとポーズとっておじぎ~


『そういや、キヨさん、宝塚も好きだったな⋯』

おいちゃん、呆れる。


すると、

『『『『『わああっ』』』』』

パチパチパチっ

大歓声がっ


「ふ、ふお?」

『『な、なんだぴょんっ』』

『『めめめめっ』』

『『てきしゅうだじょ!?』』


『あっ、いつの間に⋯』

小屋の中も外もいつの間にか鈴なり!


『わ~いまのなぁに~?』

ぴゅいきゅい『『かわいい~』』

『『楽しそう!』』

『『『まぜて~』』』

きゅるるん『『『『『『『やりた~い』』』』』』』

みゃあ『おしえてほしいにゃ!』

『ニャーニャもにゃ!』

『兄ちゃんやりたいだ!』

『あたちも!』

『ええ?おいらはいいだよ!?』


「ふ、ふおお?」

ちびっ子たち大興奮っ!あれ?ニャーニャも!?


〖あ~ん♪かわいいかわいいかわいい~♪〗

ジーニ様はぶんぶん飛びまくり

〖ちょっとアイナ大丈夫ですか?〗

『ぐふっ』

『アイナちゃんたらぁ、いつか血が無くなっちゃうわよぉ』


『なんだったんだ?あれは』

『なんで、もえたちが?』

『いや、話せば長いことながら⋯』


きゅるる『エル様、私、衣装作ってくる』

〖任せましたよ〗


思わぬところから始まった、うさぎのダンス教室は、いつもの泉のほとりに移して発表会に!


〖きゃああああっかわいいかわいいかわいい~♪〗

ジーニ様は狂ったように飛びまくり

『ぐふっ』

〖アイナ、ほんとに大丈夫ですか?〗

『やあねぇ、サーヤたちの晴れ舞台見損ねちゃうわよぉ?』

アイナ様は命の危険⋯


〖絹、いい仕事しましたね〗

きゅるるん『がんばった』


『うさぎがたくさんね』

『そうだな』

『かわいいです!』

『癒されます』

フゥとクゥ、山桜桃と春陽の目の先には


うさぎの着ぐるみを来て踊るサーヤとちびっこ同盟。プラス、ニャーニャ。

そして、率先しておどる将来有望なもふもふたち。

もちろん衣装は絹さん。


「うしゃぎにょ だんしゅ~♪」

『おしりふりふり~♪』

結果、おしりフリフリが大好評!完全定着!サーヤのおばあちゃん、恐るべし!


「きゃははは♪」

『たのしいね~♪』

ぴゅいきゅい『『たのし~♪』』


まあ、楽しかったらいいか♪


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