第313話 どうしよう?


どうしよう?


おいちゃんは今、じぃじたちからお説教され中です。正座してます。

あっ!ジーニ様まで加わっちゃいました。後ろにシア様とエル様も続きます。

と、いうことは?おいちゃんは使えません。

でもバリカンの説明、おいちゃんしか出来ないよ?

ん~。どうしよう?おいちゃん助ける?でもぉ~


ちらっ



『まったく、あんな幼子に知らなかったとはいえ威圧をかけるなど、言語道断じゃの』

『ほんにのぉ。サーヤに耐性があったからか、大事にならなかったから良かったがのぉ。もし、これがほかの子だったらどうなっていたかのぉ』

〖うふふ。ゲン~安心して?今からこの私が直々にしっかり教えてあげるわ~(まったく、かわいいサーヤになんてことを)〗


『はい⋯』


あれ?ジーニ様だけ副音声が?


〖医神、珍しいですね。いつもなら、こういう時、お母様を言い負かせてでも、真っ先にあなたが行きそうなのに〗

〖そうなのですが、相手が師匠となると、どうしたものか⋯実に悩ましい〗

〖そ、そうなの⋯〗



⋯むりです。

おいちゃん、弱虫なサーヤを許してください。

『おい!助けろ!』

なにもきこえない、なにもきこえない、なにもきこえない⋯


『サーヤちゃん⋯』

『まあ、じぃじたち』

『ああなったら』

『長いもんね』

『『『それが』』』

『『『せいかいかも~』』』

青葉ちゃんたち、ありがとうございます。


こうなったら直接ドワーフさんたちにお願いするしか?でもぉ


ちらりっ


みゃあ!ポーズをとるココロ

『『いいね~』』うううっ

『『かわいいね~』』おいおい

『『もっとやれ~』』ワハハハ


⋯どうしよう


『大丈夫。サーヤ』

『考えがある』


え?牡丹ちゃん?揚羽ちゃん?


『くふふ』

『ちびちゃんたちに』

『頑張ってもらいましょ♪』


らんちゃん、なるちゃん、氷花ちゃんも?くふふって何か楽しそう?


『なにするぴょん?』

『め~?なに~?』

『なんでもやるじょ!』


なんだかイタズラでもしそうな精霊さんたちに影響されたのか、ちびちゃんたちもなんだかやる気満々です。


『ふふふふ』

『もふもふのあなた達にしかできない』

白黒コンビが怪しく微笑みながら言います。


『お~ぼくたちだけぴょん?』

『め~?なんだろ~?』

『どんとこいだじょ!』


ちびちゃんたちが、ますますやる気満々です。


『いい?あなた達の演技力にかかってるわ』

『あなた達ならできる!』

『練習してみましょう!』


え、演技?練習?らんちゃん達が自分たちで壁を作ってなにやらコソコソやり始めました。すると⋯


『『うっ』』

『『『あうっ』』』


ええ?精霊さんたち、よろりとよろけて地面にぺっちょんしてます。何してるんだろ?


『『か、完璧!』』

『すごいわ!』

『最強よ!』

『これでイチコロよ!』


精霊さんたち鼻を押さえながら、親指グッ!ってしてます。


『『『『『『わ~い♪』』』』』』


ぴょんぴょんして(多分?)喜ぶちびちゃんたち。もこもこが、もふんもふんしてます。可愛すぎです。でも、何をしたのかな?


『『頑張って!』』

『『『合言葉は?』』』


あ、あいことば?


『『『もふもふは』』』

『『『せいぎ!』』』


ち、ちびちゃんたち?合言葉のあとに『だぴょん』とか『め~』とか、『だじょ!』とか続けてます。かわいい~♪じゃなくて⋯


『『では、将来有望なもふもふたち』』

『『『成功を祈る!』』』ビシッ


『『『『『『あい!』』』』』』ビシィッ


もしもし?だれがそんなこと教えたの?


『あおばちゃん、あいなしゃま、にゃーにゃにゃん、なにしゅる、おみょう?』

ちびちゃんたちやる気満々だよ?

『さ、さあ?なんでしょうね?』

『何か企んでそうですわよね?』

『なんだろにゃ?』

アイナ様たちも、分からないみたいです。


とってとってとってとって

ぽってぽってぽってぽって

ちょっこちょっこちょっこちょっこ


みんな、ドワーフさんたちの方へ走り出したけど、おいちゃんが何とか動けるくらい毛を刈ることが出来たけど、完全に刈れてないので、動きがいつもよりポテポテしてます。これはこれでかわいいです。あっよろけた。


『何する気かな~?』

ぴゅいきゅい『『なんだろね?』』

『『よたよただね』』

『『『あっ』』』


アイナ様やハクたちと見守る中、ちびちゃんたちがドワーフさんたちの方へ。

ドワーフさんたち、ココロに合わせて地面にあぐらとかかいて座ってます。

その一人一人のお膝に⋯


ちょん。

『ん?なんだ?』

『歩く毛玉かい?』

『どこから来たんだ?』

『膝に乗ってんの足かい?』

『ええ?じゃ、動物か?』

『顔はどこだい?』


その言葉を待ってたかのように、顔を上げるもふもふちびっこ軍団。

うるるん

きゅるるん


『『あうっ』』

『『ううっ』』

『『おうっ』』


うるうるきゅるきゅるしたおめめで親方たちを見つめてます。というか、じっと目を合わせたまま動きません。


『『よしっ!』』

『『まずは第一段階クリアよ!』』


精霊女性軍団が小さくガッツポーズしてます。


『『さあ、次は』』

『『『第二段階よ!』』』


え?まだ続きがあるの?


『おじちゃん』

『おばちゃん』

『うごけにゃいの』

『『『たしゅけて?』』』こてんっ


きゅるんっとしたおめめのまま、こてんってしました。


『『『『『『はうっ』』』』』』


ドワーフさんたち、ズキューンと打たれたみたいに、胸に手を当ててばたばたっと倒れました。


『『よしっ!』』

『『『完璧よ!』』』


さっきの練習はこれですか⋯


「あいなしゃま、こあくまちゃんが、いっぱいだにぇ」


『『……』』しーん。


「ありぇ?」

お返事がない?


『サーヤ、サーヤ~。たぶん~』

ぴゅいきゅい『『きこえてないよ~』』

「ほえ?」

『『上じゃなくて』』

『『『したみてみて~』』』


下?アイナ様のお顔があるはずのお隣の上の方には何もありません。ハクたちのいうとおり、そのまま下を向いてみると⋯


「ふぉお!?」

アイナ様?ニャーニャにゃん?


『ぐふっ』

『にゅふっ』

お、お鼻から赤いお水が!?


「あいなしゃま?にゃーにゃにゃん?だ、だいじぶ?」


『う、うううっ や、やられましたわ』

『や、やられたにゃ』

ええええ!?


『『あ~』』

『『『そっちにも効いちゃったか~』』』

精霊さんたちが、あちゃ~って顔してます。


『ドワーフさんたちも~』

ぴゅいきゅい『『あちゃ~だね』』

『『起き上がれないみたいだね~』』

『『あちゃ~』』

「あちゃ~」

ドワーフさんたち、しっかり~


『『あ~』』

『『効きすぎちゃったかしら?』』

精霊さんたち、ちびちゃんたちが可愛すぎたんだよ


『おじちゃ~ん』

『おばちゃ~ん』

てしてし、てしてし

『『しっかりするぴょん』』

『『め~ぇ、バリカンは~?』』

『『ハサミはどうするじょ~?』』

てしてし、てしてし

『『『『『『うううぅ⋯』』』』』』



『ねえ、あれって逆効果よね?』

『うん。大丈夫か?ドワーフさんたち』

『完全に撃ち抜かれてるわよね』

『『『うん』』』

『『『『『『まちがいないね』』』』』』

フゥ、クゥ、それから青葉ちゃんたち、サーヤもその意見に一票。

ちびちゃんたち、肉球てしてしはご褒美でしかないと思うよ?


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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