第310話 さすがのドワーフさんたちも⋯


妖精トリオを理解してくれる仲間が増えました。だけど、やっぱり大変な力なんだね。


『いや、大丈夫だろ。ここにこれ以上ない先生がいるんだからよ』

『もちろん、教えるつもりなんだろ?アイナ様』

親方たちが、分かってるんだぞ!ふふん!って感じです。

他のドワーフさんたちもうんうんってしてます。


アイナ様たちも、そう言って貰えるのが分かってたのか、くすくす笑ってます。


『さすが親方たちですわ。分かってらっしゃいますわ』

『だからにゃ。しばらくこっちにいると思うにゃ』

ちょっと申し訳なさそうに言うアイナ様たちに


『当たり前だろ』

『そうしなきゃ私たちが背中蹴飛ばしてでもここにいさせるよ』


「ほえ?」

押すんじゃなくて蹴るの?痛いよ?

『サーヤ、例えだ。本当にはやらねぇだろ』

そっかあ。おいちゃんが言うなら⋯


『何言ってるにゃ。やるにゃよ。この人たちは』

え?

『そうですわね~』


「ふえ?」

『まじか?』

やるの?ニャーニャにゃんのお顔がチベットスナギツネみたいな、お顔になってるよ?アイナ様は、ふっ。って、遠いお空見てる?


「けりゅ?」

『はいですわ』

『やるにゃ』

思いっきり頷いてるなぁ。ほんとかな?と思ってたら、


バシーン!

ペシッ!

『いたっ!ですわ!』どーんっ

『ひにゃっ!』どーんっ


「ふぎゃあ!?」

『うおっ!?』

アイナ様たちが飛んでった!?


『まったく、変なこと子供に吹き込むんじゃないよ』

『ほんとだよ』

おかみさんたちがアイナ様の背中と、ニャーニャにゃんのお尻を叩いたみたいです。


『ほらぁ、本当のことではありませんか』

『そうにゃ~』

アイナ様たちが戻ってきながら文句を言うと


『『なんだって?』』

すかさずポーズをとるおかみさんたち


『『ごめん(にゃ)なさいですわ』』

速攻ですね。


「ふおおおお」

『マジだったな』

「あい」

そんな感じで歩いていると


『おっジーニ様たちが手を振ってるぞ』

歩きながらの自己紹介も、あとは双子とココロを残した所で到着です。


「ただいみゃ~」

みんなに手を振ります。

ぴゅいきゅい『『おとうしゃ~ん』』

みんなも加わると、あっちでもみんな振り返してくれます。


『お、おい…俺たちこのまま進んでいいのか?』

『紹介されなくてもわかるよ。ありゃあ』

『普通に生きてたらお会いすることは無いはずだよな』

『そんな方たちがあんなに』

『嘘だろ』

『わたしゃ、足が震えてきたよ』

ドワーフさんたちが震え始めちゃいました。


「だいじぶ!みんにゃ、やしゃちい!」

『そうだよ~みんな優しいから大丈夫~』

ね~♪ハク♪


『私相手にいつもやりい放題ですのに。何を今更?』

『そりゃ、格が違うだろうがよ』

『ひ、ひどいですわ』

アイナ様がよよよって泣き真似してます。親方強い⋯。


『さあ、とにかく行くぞ!』

おいちゃんが後押しします。

ドワーフさんたちカチコチ。手と足が同じ方出てるよ?


〖お帰りなさい。サーヤ。ドワーフさんたちとは仲良くなれた?〗

ジーニ様がひょいってサーヤを、抱っこしながら聞きます。

「あい!おひげ、しゃわらしぇて、もらっちゃ!」

ちゃんと仲良しのご報告です。


〖そう。良かったわねぇ。ドワーフの長と、御家族にお友達かしら?かなりの実力の持ち主が来てくれたようね。よく来てくれたわね。ありがとう。私は魔神ジーニよ。よろしくね〗


ジーニ様が自己紹介すると、棒立ち状態から、ガクッと半分くずおれるように跪くドワーフさんたち。


『お、お初にお目にかかります。ドワーフの長でございます。後ろに控えるは、私の弟と、幼なじみ、それぞれの妻にございます。この度はお声掛け頂き誠にありがとうございます』


「ふおおおお」

おぉ、みんな一斉にお辞儀した!


『いや、サーヤ。あれが本来あるべき姿だと思うぞ』

『そうだな。ジーニ様たちがとてもお優しいのと、ここには子供が多いから、あまり形式ばったことにならなかったんだろうな』


おいちゃんとギン様が教えてくれます。そう言えば、ジーニ様はお空からキーンって飛んできたし、シア様たちは、それどころじゃなかったもんね。あれ?イル様は?


『あ~サーヤは寝てたからな』

ギン様が教えてくれます。

「しょっか~」

それじゃ、分からないね~


〖頭をあげてくださいな。私たちはこれから共に歩くのですから。私はシア。主神と魔神の娘ですわ〗

〖そうですね。これから主神や他の神も来るでしょうから慣れてください。私は医神エルンストです。よろしく〗

神様たちもごあいさつだね。


『は、はい。よろしくお願いいたします』

ドワーフさんたちまだ緊張してるね。


『ほらほらぁ。立って立って♪遠慮はなしよぉ』

『ああっ!その呑気な声は!精霊樹の精様!』

『久しぶりね~♪今は結葉よぉ。よろしくねぇ』

『久しぶりね~♪じゃねえだろが!みんな心配してたんだぞ!』

『ごめんなさいねぇ~色々あったのよぉ』

『全く悪いと思ってないだろが!』


あわわわわ。たいへんたいへん!

「じーにしゃま~」

〖大丈夫よ。サーヤ。親方、その件は私たち神にも責任があるの。後で説明するから、許してあげてくれないかしら?とりあえず、今は〗


ジーニ様が助け舟を出してくれました。

ん?とりあえず?今は?

〖サーヤ、いい子ね?〗

はい。サーヤは何も聞いてません。


『は、はあ。ジーニ様がそう仰るなら』

〖ありがとう〗

『ありとねぇ~』


良かったね~。だけど~

「むすびはしゃま、みんにゃに、ごかいしゃれてりゅ。ちゃんちょ、おはなち、ごめしゃい、ちないちょ、めーっよ?」

結葉様、大変だったの分かってもらわないと、ダメダメです。


『ふふ。そうねぇ。ちゃんとお話しして、ごめんなさいしないとダメねぇ。ありがとう。サーヤ』

頭なでなでされました。

「あい!」


ぴゅいきゅい『『おやかた、おやかた~』』

『ん?なんだ?』

ぴゅいきゅい『『おとうしゃんだよ~』』

双子がアルコン様を引っ張って来ました。

『え?』

『『『『『ええええ?』』』』』

『じょうちゃん、ぼっちゃん、の、とうちゃん?でも、この方は⋯』

親方たちががまたおかしくなっちゃいました。プルプルしてます。


『なんだ。二人とも自分たちの紹介はしてないのか?』

ぴゅ?『あれ?』

きゅ?『まだだっけ?』

モモとスイは、えへへ~って笑ってごまかしてます。


『子らがすまんな。我はエンシェントドラゴン。今はアルコンと名をもらった。この姿じゃないと皆といられないのでな、今は人型をとっている。よろしく頼む。ほら、お前たち』

きゅい『スイです!』

ぴゅい『モモです!』

ぴゅいきゅい『『ふたごだよ~!よろちくね!』』


『『『『『『えええええ~』』』』』』どすんっ


あ~尻もちついちゃった。そんなに驚くことかな?


『『『『『『驚くだろ!』』』』』』


そっかあ~

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る