第309話 ドワーフさんたちは、すごい好奇心持ちです

おいちゃんってば、めーめーしゃんのバリカンが先なのに~。だめだめ~


『ん~?でも~そもそも~』

ぴゅいきゅい『『サーヤが』』

『櫛を出したのが』

『元だよね~?』

『まあ』

『サーヤだから』

『しかたない~』

『にゃ~(しかたないにゃ~)』

なんですか?みんな?


『あら、ちびっ子たちも同じことを思ったみたいですわね』

『ほんとにゃね』

『そうですね』

アイナ様たちまだなんですか?



『あ~そうそう。ジーニ様たちも羊達のところにいるから、このままそっちに行くぞ』

おいちゃん、ナイスです。みんなのお話から離れました。


「わかっちゃ~。はく~」

お願いします。

『は~い。乗って~』


ハクがまた乗っけてくれます。ココロをだっこして、

「おいちゃん」

乗っけてくださいな。


『はいよ。ほら。ハクまた頼むな』

『もちろんだよ~』

「はく~もふもふ♪」ばふっ

『にゃ~(もふもふにゃ♪)』ぽふっ



あっ!そうだ!

「こぐもしゃんちゃち~」

ちょっといいこと思いついたんだよ。でも、それには子グモさんたちが必要なのです。


きゅるるん『『『なあに?』』』

きゅるるん『『『『どうしたの?』』』』


「あにょね~」

こっちきて~って、ちょいちょいって手招きします。ちょっと内緒のお話ししたいの~


『お話しするならぼくの背中においでよ~』

きゅるるん『『『わ~い』』』

きゅるるん『『『『のる~』』』』


子グモさんたち、ぴょんってハクの体に飛びついたら、ててててって走って登ってきました!

子グモさんたち、壁とか木も垂直に歩いたり走ったりできるんだよ~。すごいね~


きゅるるん『『『と~』』』

きゅるるん『『『『ちゃく!』』』』

しゅたっ!


「いらっちゃ~い」

『にゃ~(いらっしゃいにゃ)』


待ってました~。他のちびっ子たちは、またギン様の背中です。


『じゃあ、行くか』

「れっちゅごー」

『ゴー!』

ハクとギン様がみんなを乗っけて出発です。


『あにょね~』

こしょこしょこしょこしょ。子グモさんたちに相談です。

ちょっと子グモさんたちに作ってもらいたいものがあるのです。


『にゃ~(いいにゃ~。ココロのぶんも~)』

ありゃ?ココロも欲しい?

話を聞いてたココロも興味持ったみたいです。


きゅるるん『『『うんうん』』』

きゅるるん『『『『できるよ~』』』』


「ほんちょ?」

出来る?わくわく


きゅるるん『『『うん。でもきっと』』』

きゅるるん『『『『そうだね~』』』』


はてな?なにかな?子グモさんたち、みんな腕組んでうんうんってしてます。


きゅるるん『おかあさんにいったら』

きゅるるん『みんなのぶん』

きゅるるん『つくるぞ~』

きゅるるん『とくにさーやのぶんは』

きゅるるん『たくさ~ん!』

きゅるるん『って、まちがいなく』

きゅるるん『なるとおもう~』


え~?

「そうにゃの?」


きゅるるん『『『うん!』』』

きゅるるん『『『『ぜったい!』』』』


「しょ、しょっか~」


ドワーフさんたちの分だけでよかったんだけどな?

ん?なんか、圧力を感じる?何か感じる方を見ると


「ふわぁっ!」びくうっ

きゅるるん『『『うわぁっ!』』』

きゅるるん『『『『びっくり!』』』』

『にゃ!(びっくりにゃ!)』


みんなでビクーッです。だけどハクが


『さっきからこんな感じだよ~』

って、教えてくれます。出来ればもっと早く教えてほしかったな⋯聞かれちゃったかな?


親方たちみ~んな、顔がすぐそこにあるよ。

すっごいおめめパッチリで子グモさんたちを見てました。


『こりゃあ、驚いた』

親方がお髭をなでなでしながら子グモさん達を見てます。

子グモさんたち、怖がって抱き合ってぶるぶるしてます。


『ほんとだね。アラクネかい』

『こんなチビッこいアラクネ初めて見たぞ』

『いやいや。それだけじゃないよ』

『こいつら三人、男だよな?』

『珍しいどころじゃないね』


おお!子グモさんたちが注目されてる!

あっ!ハクの毛の中に隠れちゃった!


『あははは。子グモさんたち~くすぐったいよ~』

ハクがくすぐったがってます。

もぞもぞして顔だけぴょこって出てきました。もぐらさんをたたくゲームみたいです。


「かーい~ね~」

『にゃ~(かわいいにゃ)』


かわいいけど、またぴょこって完全に隠れちゃいました。


『すまんすまん。ついマジマジと見ちまった』

『アラクネなんて久しく見てないからね』

『しかも女の子だけじゃなくて男の子もいるだろ?』

『かわいいもんだね~』

『もう糸出せるのか?』

『アラクネはあんたたちだけかい?』


親方たちが謝ると、質問攻めが始まっちゃいました。

子グモさんたちまたぴょこっと顔だけ出てきました。みんなで顔見合わせてます。


きゅるるん『おかあさんがいるよ』

きゅるるん『おかあさんはおっきいよ』

きゅるるん『みんな糸だせるよ』


代表して男の子たちが言いました。言ったとたんにまたぴょこんって引っ込んで、今度は、お顔半分だけ出てます。


『そうか。母ちゃんがいるんだな』

『もう糸が出せるなんて凄いじゃないか』


親方夫婦が言うと、今度は女の子たちが


きゅるるん『わたしたちも』

きゅるるん『サーヤになまえもらったら』

きゅるるん『こうなったの』

きゅるるん『糸もいろんなのだせるよ』


女の子たちも言うだけ言ったらまた引っ込んじゃいました。


『ええ?違う種類の糸が出せるのか?』

『そんなことあるんだね~』

ドワーフさんが感心してます。


『あ~こいつらの名前はサーヤが俺たちが前にいた世界の糸や布の名前をつけたんだよ』


そうなんだよね~。色々悩んだんだよ~


『母親の絹、それから、こいつらが、木綿、麻、紬、絣、縮、友禅、更紗。色んな糸出してくれて助かってんだ』


ほんとに大活躍です。おいちゃんの言葉を聞いていたみんながくねくね照れてます。かわいい♪


『へ~それじゃ、今度見せてくれよな』

にかって笑う親方に、ぴょこっと出てきた子グモさん達は


きゅるるん『『『いいよ』』』

きゅるるん『『『『みせてあげる』』』』


子グモさんたち褒めてもらって、まだ照れ照れだけど、嬉しかったから体全部出してお返事してます。仲良くなってくれたみたいです。良かったね!


『ぼくは、フルーだよ!探し物得意!』

『ぼくは、フライ!飛べるようになったよ!』

『『サーヤのおかげ~』』

子グモさん達をきっかけに、フルーたちが元気よくごあいさつです!


『お~こりゃかわいいなぁ』


そうでしょ?それにもふもふなんだよ!


『サーヤちゃんのおかげってことは、やっぱり名前付けてもらったからかい?』

おかみさんが聞くと


『『そうだよ~。いいでしょ~♪』』

と、元気に応えるフルーとフライ。サーヤ照れちゃうよ~


『そうか。サーヤと名前で繋がると強くなったり進化したりするのか?』

う~ん?と、おひげ、なでなでしながら言うドワーフさんたち。


『この子たちも、ちょっと大きくなったようですけど、この子たちは最初からほかの子たちと違ったようですわよ』

『三人で自分の力と向き合ってきた頑張り屋さんにゃ』

そう言って妖精トリオを紹介するアイナ様たち


『この子たちは私と同じですわ』

そう言うとドワーフさんたちの目がまたまたおっきくなりました。


『まさか、こんな小さいうちから精霊眼が?』

『しかも三人ともかい?』

みんな妖精トリオに大注目


『フィオです』

『ヴェルです』

『アーブです』

『『『しょくぶつさがすのとくいだよ』』』

そう言うと今度は妖精トリオが

ギン様の毛の中に隠れちゃいました。

珍しいね?注目されて、照れちゃった?


『そうか。三人ともよく頑張ったな』

『精霊眼持ちは、他の人に見えないものが見えちまうからねぇ』

『ただでさえ周りに理解されにくいもんが』

『それがこんな小さいうちから…』

『頑張ったな。でも、三人で良かったな』

『そうだね。一人じゃないって言うのは心強いもんだからね』


ドワーフさんたちが妖精トリオに優しく話しかけます。

今度は妖精トリオがおめめまん丸です。


『親方たちは私を知ってますから、それがどんなに大変なことか知ってるのですわ』

『そうにゃ。もう親方たちは三人の理解者にゃよ』


にこにこしながらアイナ様たちが妖精トリオにいうと、三人はちょっとうるうるしてた目をゴシゴシして


『『『ありがとう!よろしくね!』』』

と、今度こそ元気に挨拶しました。


フィオ、ヴェル、アーブ、良かったね!


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございますm(*_ _)m

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