02 閉鎖空間



 私は、頭を抱えていた。


 こんな所、入るんじゃなかった。


 後悔してる。


 どうして、こんな洋館になってきてしまったのだろう。


 体が震えてたまらない。


 そんなの今さら。


 なんの意味もない。


 考えても意味のない事を、繰り返し考えてしまう。


 そんな私の近くで、誰かが話をしている。


「ってわけでさ」

「というか」

「だよね」


 同じようにこの洋館に入り込んでしまった少女達。


 彼女達は、まだ危険性を理解していないようだ。


 忠告してあげたのに。


 化け物がでるよって忠告してあげたのに。


 そんな態度だったら。


 あの子みたいに、また見捨てようかな

 

 窓を見る。


 どんよりと濁った自分の瞳が見えた。


 外の景色は見えない。


 外の景色はずっと、暗闇。


 時間が経っても、それは変わらない。


 何も見えないまま。


 携帯は通じないから、連絡がとれない。


 時刻表示もおかしくなったまま。


 ここは、どこかおかしな空間なんだろう。


 この洋館の幽霊が、私達を閉じ込めるために、ここをおかしくしているんだ。


 この洋館には幽霊が出るって噂があった。


 きっとそいつのせいで、こんな事になっているんだ。


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