第12話 大人の階段、上る

宿屋にやってきた2人。



「一番いい部屋を2部屋で!」


宿屋へいき、部屋をとる光。


お金はどうせ使いきれないくらいあるので、使えるところは奮発することにした。



(それにしても、この世界のお姉さんはみんな綺麗だな〜…。)


ギルドの受付嬢や各店の店員など、会う人会う人レベルが高い。


(世界を救っていいところ見せたら、ちょっとハメ外したい…!)


光のイヤラしい目線に気付き、宿屋のお姉さんがサッと目を逸らす。


嫌だと思っても、勇者に対して無礼なことはできない。



「おい。

 そんなスケベ丸出しの目で女の人を見るなよ。」


「いやいや!

 見てませんよ!」


蒼真の助け舟で、視姦されていた宿屋のお姉さんが救われる。


だが、蒼真が何言ってるかわからないので、蒼真のポイントが上がるわけではない。


(でも確かに…、綺麗な人だな…。

 スタイルもいいし…。)


実は蒼真も気になっていた。



「それでは、こちらが鍵になります。」


光、蒼真へと部屋の鍵を渡すお姉さん。


「あざっす!」


「ありがとう。」


蒼真が鍵を受け取った時、異変は起こった。


「あんっ…!」



((え!?))


聞き捨てならない声に、光のみならず、蒼真も反応した。


当の本人は、自分の手を見てぼ〜っとしている。



部屋に向かう途中で光が蒼真に話しかける。


「…あれ、絶対喘ぎ声でしたよね?

 兄貴何したんすか?」


「な、何もしてない!」


「ん?

 もしかして兄貴…、チェリーっすか?」


「は!?

 な、なにが?」


「そうっすか…。

 大丈夫っすよ!

 この世界では俺らはヒーロー!!

 きっとかわいい姉ちゃんたちにモテモテっすよ…!

 グフフフ…。」


「…ゲスだな。」


「…興味あるくせに…。」



バタン。



光はこれから訪れると信じているハーレム生活に胸を躍らせながら眠りについた。


一方蒼真はなかなか寝付けなかった。


(はぁ。

 とんでもないことになったな…。

 魔王を倒したら元の世界に戻れるって言ってたけど、俺死んだのにどうなるんだろ…。)



そんなことを考えていると、蒼真の部屋の扉をノックする音が聞こえた。


「…はい?」


(誰だ?)


「光か…?」


扉の鍵を開けると、鍵を渡してくれた宿屋のお姉さんが。


お姉さんは薄いネグリジェを着ていて、その下にはパンティーしか着ていない。


つまり、おっぱいはほぼ見えている。


(ぶっ!

 なんて格好…!

 おっぱい、おっきいし…、ぴ、ピンク…。

 いや、見ちゃダメだ!)


「あ、あの、どうされました?」


「%&$(#!’$」


(あー、言葉通じないんだった…。)


「しょ、しょうがない、光を…。」



ギュッ



不意に。


通訳をお願いしようと、部屋を出ようとする蒼真にお姉さんが抱き着いてきた。



「え!?え!?」


テンパるチェリー。


おっぱいの感触がダイレクトに伝わってきて、ヤバすぎる。


(なんだこの柔らかさ!?)

 

お姉さんは扉を閉め、蒼真の手を強引に引いてベッドに連れて行く。


「(%#?」


(【言語能力】、残しときゃよかった〜〜!!)


お姉さんは蒼真をベッドに押し倒す。


蒼真はもう、されるがまま。


「&’$#?

 ’%#)#$’(+・`・*_」


(ん?)


なんだか言ってることがわかるような気がした。


しかし、それはエロで満たされた蒼真の頭の中で変換された妄想だった。

(※でも、ほとんど合ってる)


「初めてなの?

 お姉さんが教えてあ・げ・る。」


「お、お願いします。」


うなずくお姉さん。


相手も脳内変換(妄想)されているのだろう。



…どうやらエロいことを考えてるときに中指で触ると、めっっちゃ気持ちよくなるらしい。


手に触れただけで喘ぎ声が出るくらいだから、おっぱいやあんなとこを触ると…、もうすごかった…。


ただ、中指が凄すぎて、肝心の息子がお邪魔した時に「あれっ?」ってリアクションをされたことは蒼真の心の傷を抉るので、今後触れないようにしておく。



この夜、蒼真は大人の階段を上った…。

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