第8話 超新星爆発

転移した後モンスターを倒して、最寄りの町に向かった『蒼穹の閃光』の2人。


【マップ】で方角はわかったが、思ったより遠い。


いまいち距離感が掴めてなかった。



「はぁ…。はぁ…。

 まじで…、死ぬ…。」


中指以外のステータスが一般人レベルの蒼真はもうヘトヘト。


一方、光は余裕たっぷり。



「兄貴!

 おんぶしましょうか!?」


「…いや…。

 いい…。」


「でもこの調子だと、あと1週間くらいかかるっすよ。」


「…まじか…。」


「おんぶしていけば…、2日っすかね。」


「…お願いします。」



ということで、光におんぶしてもらって移動再開した。


途中で出会ったモンスターは『中指フェイルノート』で爆散させた。


蒼真は1つもレベルが上がらなかったが、【経験値2倍】を持つ光は66まで上がった。




************


名前:広瀬光

Lv:66

HP:6600

MP:660

耐久力:660

力:660

素早さ:660

器用さ:660

魔力:660


************




そして夜になった。


食べれそうなモンスターがいなかったため、森の中で食料調達をして食べた。


毒のある植物や果物も多く、光の【鑑定】がめっちゃ役に立った。



(1人だったら町に着く前に死んでたかも…。)


光を遠ざけていたことを少し反省した蒼真だった。



「ちょっと寒いっすね〜。」


「火が起こせればいいんだけど…。

 …ちょっとやってみるか…。」


蒼真は枯れ木を持ってきて、中指で擦り始めた。


高速で。


強すぎる中指では力調整が非常に難しいが、そこは「器用さ34500」が仕事をする。


見事火起こし成功。



「なんでもありっすね。

 これは…、『中指マッチ』で。」


「…なんか飽きてないか?」


「まさか!

 火、大事っすよ。」


「魔法使えないのか?」


「あ〜、どうでしょうね。

 ん〜!

 『ファイア』!」



ボッ!



「出た。」


「…『中指マッチ』要らなかったな。」


「まあ、MP使わないから便利じゃないっすか。」


「…。」



(生き残るためとはいえ、やっぱりスキル全部無くしたのはやりすぎだったかな…。)


ちょっと後悔しながら、蒼真は眠りについた。




翌日もおんぶしてもらって進んでると、空から大量のモンスターが追いかけてきた。


「あ、あれはやばいな。

 魔法とか使われたら、一発で死ぬわ。」


「それはまずいっすね。

 とはいえ、あっちの方が早そうだし…。

 『フェイルノート』いっときますか?」


「流石にあの数は厳しいな…。」


「『the finger』は単体攻撃魔法っすか?」


「多分な。

 わからんけど。」


「俺っちの魔法じゃ倒せなさそうですしね…。」


「魔法…、魔法か…。」


「何か手があるっすか?」


「中指、魔力も限界突破してるから、小石に魔力込めて飛ばしてみようかなって。」


「なるほど…。

 するなら敵が遠いうちにお願いします。

 なんか嫌な予感がするっす。」


「なんだよ、嫌な予感って。

 じゃあ、やるよ?」


蒼真は小石に魔力を込め、『フェイルノート』と同じように弾いた。


光を帯びた小石は中央あたりにいるモンスターに命中。



ドッ……ゴォ………ン



命中した瞬間、大爆発が巻き起こった。


数百メートルは離れていたにもかかわらず、爆発の余波が蒼真や光のところまで届いてきた。


数十体いたモンスターは全滅。



「…やっぱり。

 『中指メテオ』…?

 いや、これはもはや超新星爆発…。

 『中指スーパーノヴァ』…か…。』




『レベルが上がりました。』




************


名前:古仙蒼真

Lv:66→68

HP:100

MP:10

耐久力:10

力:10

素早さ:10

器用さ:10

魔力:10


(中指)

耐久力:34500→35500

力:34500→35500

器用さ:34500→35500

魔力:34500→35500


************




************


名前:広瀬光

Lv:66→70


HP:6600→7000

MP:660→700

耐久力:660→700

力:660→700

素早さ:660→700

器用さ:660→700

魔力:660→700


************




「レベルが68になった。


「俺っちは70です。

 1匹も倒してないのに、とうとう兄貴を超えたっす。」


「うん…。」



蒼真もあまりの威力に放心状態。


『the finger』を使った時ほどの脱力感はないので、MPを使い果たしてはいないらしい。



「これは、使わない方がいいな。」


「そうすね…。」



その後はモンスターに襲われることもなく、無事町まで辿り着くことができた。

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