第5話 転移者を保護しました
「おお。
上限が1000の世界でこれだけ強ければ、もうレベルはどうでもいいな。」
先程の攻撃について。
強力なモンスターが爆散するほどの威力で小石を弾けば、弾いた瞬間小石が砕ける、そう思うだろう。
しかし、そこは「器用さ34000」が仕事をしてくれているのだ。
尋常じゃないほど器用なのだ。
「これで、なんとか生きていけそうだな…。」
蒼真が一安心した時、床が光り出した。
「なんだ!?」
さっと横に飛び退く蒼真。
光がパアッ!と目が開けられないほど強くなる。
目を開けると、そこには1人の人間が。
(もしかして、女神様が言ってた転移者か?)
蒼真の転移はイレギュラーであり、本来転移される予定の人がもうすぐ転移されると言っていた。
(思ったより早かったな。)
「う…。」
転移してきた人間が目を覚ました。
「…大丈夫?」
「ん…。
…あれ?
こ、ここは?」
人と話すのが苦手な蒼真は、どうせ女神様から説明聞いてるだろうと思い、黙って眺めている。
「もしかして、ここが異世界!?
あ、あなたは!?」
(あれ?
聞いてないのか?
…面倒だな…。)
「…女神様から聞いてないか?」
「女神様から…?
そういえば、最後にボソッと何か言ってたような…。」
(…俺と同じパターンか…。)
「もしかしてこの世界に転移した先輩ですか!?」
「…先輩?」
「先に転移してこられてたんっすよね!?」
「まあ、ついさっきだけど…。」
「あ、そうなの?
じゃあタメ口でいっかな?」
「…お好きにどうぞ。」
「なあ、この世界生存率0%って聞いてたんだけど…。
確かに周りなんにもねえな…。」
「…だな。」
「でも、2人いればなんとかなるかもしれねえ…!
力を合わせて生き延びようぜ!
あ、俺は『広瀬 光』。
ひかるって呼んでくれ!」
「…別行動でもいいか?」
蒼真はぐいぐいくる光に、すでに疲れ始めていた。
「そんなこと言うなよ!
1人じゃ死んじまうぞ!?
ていうか名前くらい教えてくれよ!」
「…古仙…蒼真。」
「そうま、蒼真か!
よろしくな!」
「グゥオオオウウウゥ!!!」
「え!?
なに!?
なになに!!?」
遠くから緑色をした筋肉隆々の巨人が走ってくる。
「なんじゃありゃーーー!!
か、【鑑定】!」
************
名前:オーガ
Lv:67
HP:7000
MP:530
耐久力:680
力:700
素早さ:610
器用さ:560
魔力:840
************
「レベル67!?
なんでスタート地点であんなの出るの!?
こんなの生き残れるわけねえじゃんか…。
2人いたって無理だよ…。」
(まあ、そう思うよな。)
蒼真は地面から手頃な小石を拾い、オーガに向かって中指で弾いた。
…ッパーー…ン!
今回も見事、爆散。
「…は?」
『レベルが上がりました。』
************
名前:広瀬光
Lv:1→56
HP:100→5600
MP:10→560
耐久力:10→560
力:10→560
素早さ:10→560
器用さ:10→560
魔力:10→560
************
「え!?え?え!?」
(うるさいなこいつ。)
「なんで?
なにが!?
レベル、めっちゃ上がったんですけど!?」
「…レベル上がったのか?」
「あ、ああ。
すげえ上がった…。
…お前、なにしたんだ!?」
「中指で小石飛ばした。」
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