霞掴む

夕景ゆみ

年下の女学生に性処理をされるお姉さんのお話

 大学の講義が終わり、夕暮れの空を眺めながら、変化のなかった日々を思い出す。

 高校から大学に進学して、実家を出て一人暮らしを始め、何か変化があるのではないかと思っていた。けど、新しい友人が出来るわけでもなく、学問に目覚めるわけでもなく、キャンパスとアパートを往復する日々でしかなかった。

 変化とお金を求めて、コンビニのバイトを始めた。始めたばかりは、真新しさはあったものの、バイト先が日々の往復先に追加されたに過ぎない。このまま就職したら、往復先が自宅と会社に置き換わることに、虚しさを覚えていた。

 おもむろに、バックの中から大事にしまっていた小さな鍵を取り出す。私は、沈みかけの夕日に鍵を重ねる。夕暮れの霞のような束の間は掴むことは出来ないけど、この鍵は掴んで居られる。今の生活を象徴する小さな鍵を、大事にバックにしまう。

少し歩いた先の別れ道で、前のバイト先がある駅前の方向へと、進もうとする足を止める。

「あ、前のバイト先に行きそうだった。今のバイト先への道は覚えたけど、まだ慣れないな」

 そう、これから行く先は、今のバイト先であり、今の生活をしている住居である。



 私はマンションの一室の前に辿り着き、合鍵を使い、部屋に入る。

「ゆうか、ただいま」

 私の声に反応して、部屋の奥からワンちゃんみたいな勢いで、主人の帰りを住居人がお出迎えしてくれる。

「あやか、おかえりなさぃ。きょうがんばったの。ほめてほしいことあるの」

 勢いそのままに、私に抱きついてくる。胸の辺りにゆうかの顔がくる。私もゆうかに会えるのは嬉しく、ぎゅっと彼女のことを抱きしめる。

 ゆうかは、私の胸にうずめていた顔を上げて、上目遣いで

「あやかに、ぎゅっとされてキュンキュンする♡。はやく、ていそうたいをはずして、おまたがムズムズする」

 う、なんだ、この可愛い生物は、庇護欲をくすぐられる。さっきよりもゆうかのことを強く抱擁して、気持ちを落ち着かせる。ゆうかは、見た目は中学生と言っても信じてしまうほど、幼い容姿をしているが、職業は小説家で、歴としたアラサー一歩手前の成人女性なのだと自分に言い聞かせる。   

 名残惜しいが、抱擁をやめて、下に置いたバックから小さな鍵を取り出す。

「あやか!はずしてくれるの」

 ゆうかは、下着に手を突っ込み、触れることの出来ない秘部を、貞操帯の上からクリを刺激しようと必死になっている。マスターベーションを覚えたての幼い少女ように思える。ゆうかの目の前に、小さな鍵をちらつかせて、

「どうしようかな?外して欲しいの?」

 甘やかしてあげた気持ちになるが、一週間も彼女に貞操帯を付けて調教していたのに、状況が整っていない玄関先で外してしまうのは、勿体ない。もっと甘えて懇願する彼女を観たい。

「貞操帯の錠前を開けてあげるから、服を脱いで」

 ゆうかは、乱雑に履いていたものを脱いで、貞操帯を露にする。彼女が付けている貞操帯は、革製のオーダーメイドで彼女の体にあった作りをしている。

 期待に満ちた目で私を見つめる。そんな目で見られると興奮してしまう。

「ん……。ぢゅ、れるりぃ」

 思わず、ゆうかの口に舌を入れていた。彼女は、急なキスに蕩けるような顔になるも舌を絡ませる。唾液が垂れてしまってもお構いなしに、行為に及ぶ。

「はぁ、あ、…」

 息継ぎをしようと、舌をゆうかの口から離した。だが、一呼吸もせずに、ゆうかに床に押し倒されながら唇を奪われる。

「んぶっ!」

 私がした時よりも濃いキス。頭を押さえられ、ぎゅっと抱擁をされる。

「ビクッ、ビクッ。チュ、チュ」

苦しいけど、気持ちいい…♡。



 何度も、執拗に唇を奪われて、どうしようもなくなってしまう。行為の最中に、身体が何度も痙攣する。ゆうかの舌の動きが鈍くなり、口を離してくれた。ようやく快楽の渦から逃れられた。

「あッ…あ…」

 行為が終わった後も、身体の疼きが残り、頭がとろけていた。

 ゆうかは、床にのびている私の上に馬乗りになって見下している。

「あやか、どうしたの。呆けた顔しちゃって、口付けがそんなに気持ちよかったぁ♡」

 性欲を少し発散させて、性欲に溺れた彼女ではなく、いつものゆうかに戻っていた。このままでは主導権を彼女に取られそうになり、右手にある小さな鍵を持っていることを思い出す。上体を起こして、さっきまでのことをやり返すように、彼女に抱きつく。

 ゆうかの髪を梳くと、この前に手入れしてから時間が経っていないのに、髪のがさつきが目立つ。それに、綺麗に手入れした毛先には枝毛がいくつもある。

「ゆうか、ここ最近、お風呂に入ってないでしょ」

 この一言で、今までの威勢は何処へ行ったのやら、彼女はわなわなとなる。

「だって、お風呂入るがいやなの。それに、ゆうかにあらってもらったほうがいいから」

 私に洗ってもらいたいと言ってもらえるのは嬉しいけど、長く綺麗な髪を自分でも大切に手入れをして欲しいという気持ちもある。

「ゆうか、貞操帯を外していい事する前に、お風呂に入ろうね」

 子が親に怒られたように、ゆうかは顔を下にして、しゅんとしてしまう。そんな彼女をお姫様抱っこで洗面所まで連れていく。バタバタと暴れる彼女をどうにか脱衣室まで連れていくは、毎回骨が折れる。



 脱衣室で、ゆうかの服を脱がす。

「バンザイして、脱がしてあげますから」

「えー、このままはいりたい。めんどい」

 嫌そうにしている彼女の服と下着を脱がせる。露になる貞操帯を眺めながら、手でなぞるように触れる。見惚れる造形をしている。裸体は何度も見ているけれど、花園が貞操帯で覆われているというはこんなにも破廉恥なものだとは思わなかった。

 今でこそ、一般的に普及して欲しいと願う貞操帯は女性の貞操を守るために、西洋ヨーロッパの十字軍遠征に旅立つ夫が妻に使用したとされる。そんな血生臭い歴史を持つ忌み嫌われる代物が、彼女が身に着けると、どうしてこんなにも麗しく思えてしまうのだろうか。

 ゆうかのことを気にもせずにまさぐっていると、

「貞操帯の上から刺激しないで、はやくはずして」

 貞操帯を外して、ゆうかがすぐさまオナニーをしないように、彼女の両手を紐で後ろに結ぶ。それから、小さな鍵で貞操帯の錠を外す。かちりと貞操帯を脱がすと私にとっての芳香を嗅ぎ取る。聖水で濡れた花園に口をつけて、そのまま舐めてしまいたい気持ちを抑える。今は、身体を綺麗にするだけだからと自分の心に言い聞かせる。彼女を浴室へと連れていく。浴室の鏡の前で、椅子にゆうかを座らせる。

「どこから洗おうかな?」

「早く、おまたからあらって♡」

 ボディソープを泡立て、優しくゆうかの体を洗っていく。私が入念にお手入れしている甲斐あって、すべすべな肌を入念に洗っていく。

「腋を洗うから、腕を上げて」

 後ろに縛っている腕をほどいて、腕をばんざいしてもらう。腋は毛の処理をしているので、つるつるで、そんな腋に汗が垂れて

「れろ」

「っ、何を!」

 驚いたゆうかは、上げていた腕を下げて、腋を手で隠して、私に触れられないようにする。

「いやー、魔がさして。ゆうかの匂いがあんまりにもクラってきちゃって」

「それは言い訳にならない!というか、私はそんなに匂うの?」

 匂いを嗅ぐ素振りをしながら疑問を投げかける。ゆうかは、匂いをあまり感じられない。強烈な匂いはさておき、食事の際には匂いとともに食べ物を味わってはいないそうだ。そのためか、体臭などにも無頓着というか、分からないらしい。

唯一、匂いでこだわりがあるというか、いま使っているシャンプーとボディソープ以外の匂いは頭が痛くなるらしい。そのため、香水や消臭剤などを使用しない彼女は、シャンプーとボディソープの匂いと彼女の体臭が混じった匂いは、とても香しい。だから、彼女への返答は、

「匂うよ」

 と意地悪い顔で答える。

「うう、ちゃんと洗って、お願い。」

 しょんぼりとする彼女を見て、意地悪しすぎたと思い、入念に髪を洗う。彼女の髪は、絹のような光沢となめらかな肌触りがある。私が手入れを欠かさずにしているおかげで、今の髪の状態を維持している。

最初に彼女の髪から絹を連想した時は、少し嫌悪感を抱いた。絹はシルクロードと呼ばれる交易路があったように、古代から人々に好まれている繊維の一つである。しかし、絹は蚕の繭から作られる。私は、絹の作られ方を知って、純粋に綺麗なものだとは思えなかった。

 私は学校の教育の一環で、蚕の飼育をして、絹を取り出すことをしたことがあった。その時に、大切に育てた蚕が繭となり成虫になる前に、繭を熱湯で茹でて殺してしまうことがどうしても耐え切れずに、成虫になるまで待って逃がしたことがある。

 何故か、彼女を見ていると、髪のように、美しく綴られ文字は成虫になり切れずに殺される蚕のように、大人になる前の繭のままの自己を殺して作品を生み出す彼女を連想してしまう。



「あやか、あやかってば、どれだけ私の髪をお手入れすれば気が済むわけ?」

「え、ああ、考え事をしていて」

 リンスを髪になじませて、洗い流す。髪の手入れは終わり、椅子に座っている彼女を抱きしめる。

「どうしたの、後ろから抱きついて。ひゃあ!」

 後ろから抱きついて、回した手を彼女の胸に触れる。

「あやかの胸って控えめなのに、乳首は大きいよね」

 と、乳首をぎゅっと、つまむ。

「あんっ♡」

 ぐりぐりと乳首を弄び、指の腹でさすり、乳首をぐにゅぐにゅと乳房に押し返す。

「はっ♡いじわるしないで…っ♡」

 ゆうかの顔は後ろからで見えないけど、体を私に預けて、舌から涎を垂らして、ハアハアしていることは、彼女の息遣いで伝わってくる。彼女の乳首は、私が開発する前からいびつに大きい。彼女にどうしてか聞けずにいる。自分で開発したのか、それとも誰かにされていたのか。私以外が彼女の体に、手を出していたのかと思うと、さっきよりも強めに乳首をいじる。

「いやぁ、やめて、あぁんっ♡」

 乳房の突起から手を離して、彼女の前に回る。彼女の前で膝を付いて、目線を合わせるために、あやかの顎を手でクイとする。

「ホントにやめて欲しいの?」

 ゆうかの体は正直で、触っていない下の秘部からは蜜が垂れている。蜜を指で拭き取り、

「ひやっ」

 見せつけるように蜜が付いた指を自分の口に持っていく。

「体は正直ね。ゆうかはどうして欲しいの♡」

 彼女の目の前で、手を自分の下の性器にかざして、くちゅくちゅと自慰を始める。

「ゆうかのそんな顔を眺めながらオナニーをする気持ちいい。ごめんね♡ゆうかは手を縛られてて、おまんこいじれないだったね」


ここまでがサンプルで読めるところです。

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