214日目 バックスタイル(裏編)
【きまくらゆーとぴあ。トークルーム(個人用)】
[マ ユ]
くぉらああああーーーー!
まこちゃんコノヤロぉぉぉぉぉぉ!!
[まことちゃん]
あ、まゆちゃんおつかれー
ナイファイ
[マ ユ]
ナイファイ!じゃないっふぁい!!
[まことちゃん]
GG
[マ ユ]
何なの!?
ほんっと何なの!?
何のつもりなのおおおお!!!!
[まことちゃん]
まあまあお茶でも飲んで落ち着いて(´・ω・)っ旦~
[マ ユ]
うるさいうるさい!
私はまこちゃんに!
聞きたいことが二つある!
[まことちゃん]
はいはい何でもどうぞ
[マ ユ]
まず一つ目!
まこちゃん今まであんな強くなかったよね?
少なくとも私と最後に遊んだ先月のあの時より、ずっとレベル積んでるよね?
[まことちゃん]
そだねー
先月も何も、頑張りだしたのはリーダー選出があってからだから、ここ一週間くらいのことだよ(•ө•)
お陰で来月の期末テストがヤバいかも
こっから頑張って巻き返さないと
[マ ユ]
ふーん
つまり最近めっちゃきまくら。やり込んでたと
普段私がいくらクエスト誘っても課題があるだの試験勉強があるだのとなかなか付き合ってくれないのに、
今回はその勉強まで犠牲にしてたと
[まことちゃん]
うん
まあいい息抜きにはなったよ
やっぱきまくら。面白いねー
[マ ユ]
なんで…なんでそのレベル上げに私を誘ってくれないわけ!?
私めっちゃ張りきって手伝ったのに!
超キャリーしてあげたのに!
私に頼んでくれたら、まこちゃん今の2倍…は言い過ぎかもしんないけど、1.5倍は筋肉モリモリになってたよ!
[まことちゃん]
うーん、そこだよね
まゆちゃんとやると隅々までお世話してくれるから、レベル以外身に着かないっていうか( ˘ω˘ )
[マ ユ]
がーん!
[まことちゃん]
今回の試合まゆちゃんと同じチームってわけでもないし、自分なりのプレイスキルを習得しておきたかったっていうか
対人はコマンド連打で勝てるわけじゃないからねー
[まことちゃん]
それに、まゆちゃんをぼこぼこにしに行くための修行でまゆちゃんに手伝ってもらうの、ヘンでしょ
[マ ユ]
ががーん!!
[マ ユ]
…二つ目の質問、丁度、なんで私との同盟無視して私のとこ攻めに来たの?って聞くつもりだったけど
[マ ユ]
ってするとつまりまこちゃんの今回の裏切りは、チームメイトの意見を断れなかったとかブティックさんに脅されたとか
何かのっぴきならない理由があったわけじゃなくて
寧ろまこちゃんの意思で最初から計画されたものだった、と…
[まことちゃん]
そだよー
ブティックさんにぼくのほうから頼んで協力してもらったかんじ
チームメイトの間では元々メンバー的に優勝は無理だよねーって話になってたから、
じゃあブティックさんとこに乗っかる形で、上手いとこ平均より上取れたらいいねって流れになった
で、自然まゆちゃんちをいただくことになったわけ
[マ ユ]
まこちゃんが命賭けてる勉強も犠牲にして、私を凹る計画を立てていたと
[まことちゃん]
別に命は賭けてないよw
勉強は手段であって目的じゃないから、もっと大切なことがあれば犠牲にもするよw
[マ ユ]
今まで周りにばらしたことのなかったロックスキルを晒してまで、私を凹りに来たと
[まことちゃん]
そりゃどっかで使わないと宝の持ち腐れだからねえ(・ω・)
ちゃんとここぞというところで役に立ってくれたから、後悔はしてないよ
まあ今回作戦の都合上、知見と会得に引っかからないようかなり気を遣って打ってたし、
結局ブラフに気付いた人もそんなにいなかったっぽいけど
ブティックさんのイメージバリューが想像以上に仕事してくれたよ
[まことちゃん]
でも今となってはそれもどうでもいいかな
ぼく多分、来月には怠惰の
さっきも言った通り、ここに来てめっちゃ遠征頑張っちゃったからさ
さすがにもう、全ユーザーの中でぼくが一番怠け者、とはならないと思うんだ
[マ ユ]
もおおおーーーー!
そんなふうに、老師の座もロックスキルも勉強の時間もふいにして私を凹る理由って、一体全体何なワケ!?
まこちゃんは私のことが嫌いだったの!?
私まこちゃんに何かした!?
そんなふうに粘着妨害してくるくらいの恨み、何か買ってた!?
だったらこんな遠回しに嫌がらせしてくるんじゃなく、口ではっきり言ってよおおおおー!
[まことちゃん]
違う違う
ぼくはただまゆちゃんの仇を取りたかっただけ( ˘ω˘ )
[マ ユ]
はあ?
[まことちゃん]
まゆちゃんが憎いわけじゃないよ
まゆちゃんのチームのボスが憎いんだ
[まことちゃん]
だってぼくの大切な友達は、そいつのせいでこれから死のうとしてるんだもの
今までこの世界で積み上げてきた何もかも、台無しにして
そんなの許せないに決まってるよね
[マ ユ]
それって…
[マ ユ]
……まこちゃん、本気で言ってる?
[まことちゃん]
ぼくはいつだって本気なのだ
[マ ユ]
うーん…
[マ ユ]
まこちゃん、バーチャルとリアルの区別は付けたほうがいいよ
[まことちゃん]
その言葉、そっくりそのままお返しするよ
[マ ユ]
私は付いてるもん!
めっちゃメリハリ付けてるもん!
[まことちゃん]
いやいや…( ¯ω¯ )
[マ ユ]
でもまあ、いいや
まこちゃんのその話、私信じちゃうからね
[まことちゃん]
うんうん信じて
ぼくはいつだって真実を話しているのだ
[マ ユ]
つまり今回のまこちゃんの裏切りは私へのラブだって思い込んじゃうからね!
[まことちゃん]
そうそう、ラブなのだ
[マ ユ]
だからこれからもこうしてまこちゃんにトークしまくっちゃうし、めげずにクエストも誘うからね!
[まことちゃん]
うん、待ってるー
[マ ユ]
…えへへ、まこちゃんありがと
私のために
[まことちゃん]
どういたしまして(•ω•)
[まことちゃん]
けど…あーあ
いよいよほんとに、まゆちゃんのそのアバターともお別れか
そう思うと今回のイベント、がっつり参加しといてよかったな
見納めってことで
[マ ユ]
だからあ
バーチャルとリアルの区別は付けなさいって
「マ ユ」がいなくなったところで、私は変わんないんだからさ
それにまた新しい私がこの世に降臨するのが楽しみだと思わない?
[まことちゃん]
まあ確かに
でも、まゆちゃんの今のキャラ、ぼく好きだったんだよな
[マ ユ]
え?
そうなの?
[まことちゃん]
うん
快活で天真爛漫で大胆ぶってるけど、育ちのよさが拭いきれてないかんじ
リアルのまゆちゃんと雰囲気がよく似てる
ブティックさんの衣装も似合ってて好きだったな~
[マ ユ]
な……
[マ ユ]
何さああああ!
そーゆーことは早く言いなさいよおお~~!
[まことちゃん]
うん?
[マ ユ]
べべべ別にまこちゃんがそこまで言うんならさ、どうしてもって言うんならさ、全然このままでいくのに!
[まことちゃん]
え?
[まことちゃん]
…クリフェウスへの贖罪は?
[マ ユ]
それはそれ、これはこれでしょー!
だから私、バーチャルとリアルの区別は付いてるんだって!
[まことちゃん]
そうなの?
[マ ユ]
そうだよ!
[マ ユ]
まったくもう
まこちゃんってほんと分かってないよね~
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