111日目 銀河坑道(1)
ログイン111日目
本日は久々に冒険プレーを楽しんでいこうと思う。
やって来たのはレスティーナにある遠征フィールドの一つ、【銀河坑道】。
ここね、美麗な観光名所としても有名だもんで、前から一度は訪れてみたかったんだよね~。そして初めてのビギナー用でないフィールドとなるので、ちょっとどきどき。
こういう上級フィールドは出てくる幻獣が強いのは勿論のこと、ギミックが複雑だったり一癖あったりするらしい。純粋なレベルとかステータスのみならず、知識や立ち回りを考えることも大分重要になってくるんだとか。
勿論私の脳味噌にそっち方面の期待を寄せるのは、現実的はでない。それは私自身が一番よく分かってる。
でも何事も、まずはやってみなきゃ始まらないからね。仮にまともに探索や採集ができなかったとしても、とりあえず綺麗なフィールドのロビーだけでも眺められればそれはそれで満足なわけだし。
というわけで張り切ってやって来たのだけれども――――――。
「ここはいつ来ても混んでるよね~。もうちょっと前なら、新規勧誘キャンペーンでワンチャン空いてる時間もあったのかもだけど」
「やっぱ鉱石系が旨いからな。ニッキンゲツギンは湖だけど、量採れるわけじゃないし」
「鍛冶系素材は護身具としての需要が強いよね。あとはトカゲの尻尾か」
「素材もそうだしフィールド自体とっつきやすいというのもある。湖とか古城は準備めんどいから、ふらっと遊びに行くには微妙。ソロじゃ尚更」
「分かる。……ねーブティ、ところでさっきからずっとあっこでキムチがちらっちらってこっち窺ってんだけど。パーティに誘ってあげたら?」
――――――なぜか今日は、身辺が賑やかでしてね。
後ろから堂々と付いて来るリンちゃんゾエ君に、そのさらに後ろからこそこそ付いて来てるらしききーちゃん。
いや、きーちゃんはいいんだよ。あれは事前に双方合意済みなのでね。
ウラクリ素材の値上げの件なんだけど、価値が認められたにも拘わらずきーちゃんは相変わらず遠慮気味でさ。っていうか私に対して強く出る気がないみたいなかんじなの。
もも君にも意見を聞いて、ウラクリ素材の妥当な値段を算出してもらったんだよ。そしたらきーちゃん、ショップにだす売り物のほうはそこそこ値上げしたんだけど、私に先行販売してくれるクロスのほうは「友情割引~」とか言ってあんま高くしてくれなくてさあ。
いやさすがにこれは健全な友情関係ではないよ! そんなふうに困ってたら、彼女は「その代わりと言っては何だけど、びーちゃんにお願いがあるの」と言ってきた。
「気が向いたらでいいんだけど、遠征に行くときは一言声かけてほしいんだ」
都合があえば、きーちゃんも私のそばで採集作業などをしたいとのことだった。
ただしパーティを組んで一緒に行動したいというわけではないらしい。飽くまで別個の存在として、近くで遊んでたいんだって。
これね、人といるの大好き交流得意な陽キャには意味分かんないかもしれないけど、私としては結構共感できるんだよね。
なんかこう、人恋しさは感じるんだけど、マイペースは崩したくないし、ゲームでまで人間関係に気を遣いたくない、でもぼっちはちょっと寂しい、みたいな陰キャの我が侭感覚なんですわ。
まあきーちゃんが丸々私と同じことを思ってるかどうかは分からないけど、納得できる申し出ではある。勿論私は快諾したのであった。
だからきーちゃんはあのままでいいんだよ。そっとしておいてあげてね。
そう言うとリンちゃんゾエ君は顔を見合わせ、首を傾げた。
「意味分かんない」
「あー、あれか? 目立ちたくないとかもあるんじゃん?」
これだから陽キャは! 全く!
ゾエ君に至っては謎の方向で訳知り顔みたくなってるし。
とにかくきーちゃんはいいの。寧ろ私としては、あなた達が一緒に来てることのほうが意味分かんないの。
事の発端は昨夜のことである。我が
なんか最近暇なのか、そこそこの頻度でリンちゃん顔を出すんだよね。長居するわけでもないんだけど、作業してる私の傍らでだらーっと今日あったこととか話して、だらーっと帰ってくの。
で、何気なく私のほうから、「明日は銀河坑道行ってみようと思うんだ~」って言ったわけよ。
そしたら「じゃあ私も行くー」って。今日ログインしたら、「ゾエも行くわー」って。
なぜに急に? と、私としては少々困惑である。
だってこの人達、絶対私と一緒に遊んで楽しめるレベルの人達じゃないんだよね。
今までもリンちゃん、きまくら。内でふらっと駄弁りに現れることはあったものの、遠征に誘ったり誘われたりってことは一度もなかった。
リンちゃんはリンちゃんでゾエ君含むクランに所属して活動してるし、私は私で個人行動スキーだしで、そこに踏み込むような関係は求めてないって、なんかお互い分かってるふしがあるんよね。
だから今回初めてその境界線を踏み越えてきたことに、ちょっとびっくり。
まあ私としても嫌じゃないよ。たまにはこういうのも楽しいかなって思うよ。
けどだったら折角の機会なんだし、リンちゃんゾエ君のほうこそ、一緒にパーティ組もうよ。って提案するんだけど、なぜか二人はそこには首を横に振るのだ。
「いや、いいわ。パーティ組んでないほうが動きやすいって利点はあるし」
「寧ろ俺としては、本人にも悟らせず見えないところから援護射撃するほうが芸術点高くて好きなくらいなんで」
「いや意味分かんないよ! 二人ともきーちゃんのこととやかく言える身じゃないって」
「私達は友達として付いて来てるわけじゃないの。保護者として来てるの」
「いえす、うぃーあーふぁみりー、のーふれんず。今日に限ってはね」
駄目だ分からん。
好きにさせておこう。そして私も好きにしよう。
******
【きまくらゆーとぴあ。トークルーム(公式)・総合】
[なまこ]
地>光>心>闇>風>木>雷>水>炎>氷>地
きまくら。の属性ジャンケン絶妙に覚えにくいんだが
[アリス]
あれ、光>闇じゃないの?
[檸檬無花果]
光>心>闇でもあるし、光>闇でもあるし、闇>光でもある
どれも正解
[カタリナ]
光>心>闇は絶対ルールだけど光>闇と闇>光はフィールド優勢属性によって立場が変わるとか何とか
つまり光>心>闇だけ覚えてればよし
[shiga0]
対立属性論だっけ?
光×闇は病める森の件があったから理解できるけど、他の組み合わせはあんま効果に実感湧かないんだよな
利用できるシチュエーションが少ないからか
[ジャゴリコ]
対立はほんと
親和はオカルト
[hajime]
対立属性とか親和属性とかまだそんなこと言ってる奴いたんだ
仮にほんとだったとしてもプレイングに然して影響あるわけでもなし、おまえら暇ね
[くるな]
ゴリ押し脳筋派は黙ってろい
[ナルティーク]
最初の提唱者がのりきゅうだから信じたい気持ちはある
[さきすけ]
>>カタリナ
心属性に汎用性がない以上闇×光も覚えとくべきでしょ
[鶏ムネ]
親和も対立も70%くらい信じてるけど、この話題は絶対結論が出ないまま終わるので嫌いです
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