第18話 狼王の妻 ブランカ

シルキーsaido

ドーモシルキーちゃんです。今日は...なに話そうかなぁ.......んーまぁいいや、今回はやめときます。それじゃあ、本編をどうぞ。

そうだね...私は子供だ...だがそれ以上に最後の蚕妖精である...戦闘は殆どできないけど、防壁を貼るくらいならできる...

だがその前に言いたいことがある...

「何でこの村を攻撃するんですか!話し合いはできないんですか!」

こっちに非があるとしても...私はティアナさんを守らなければならない!

何故なら、腕が折れ、足にヒビが入ってもなお、私たちを守るために戦ったティアナさんを尊敬してるからです!


「ん?.....その翅は...まさか....」

翅?...私の翅のこと?...まさかフワフワしてて、美味そうだと!?(錯乱)

そんな!確かにふわふわしてて、

「なっなんですか!私は食べても美味しくないですよっ...」


「お前....もしかして蚕妖精か?」

え?何で今そんな事を?というか何で知って!?

「そうですが....まさか!売り飛ばすんですか!?」

「いや!?違うからな!?」

「君は...本当に蚕妖精なんだよな」

「そうですよ!それがなにか!?」

「そうか.....今まで無事に生き残っていてくれたのか....本当によかった...」

無事?どういう事なんですか?

確かに生き残っていますが...何か知っている?

何故蚕妖精

「え?」


「いやなんでもないさ、ただの独り言さ」

爪を閉まって戦闘状態を解除するロボさん

これで、一旦戦闘終了かな...もうしたく無いなぁ...

死にたく無いし、殺したく無いし

「そうですか....」


「.....少し話そう」

?....なにを考えているんだ?

というか油断させて殺すつもりじゃ...

「なに、攻撃はしないから安心するといい」


「みんなを攻撃しないですよね...」

1日あっただけの交友関係だったとしても

知り合いには変わりがないのでね。守らせてもらうか!

「あぁ、その気はもう無い...それに部下は生きているしな...あのくらいじゃ死なないさ」

そうですか....

「そうだな...あれは俺が妻を娶った頃のこと」

そう言ってロボは思い出を語りだした。

というかロボさん奥さんいたんだ

「妻の名はブランカ、我が種族ブラックドックの中で珍しく体が白い奴だった」

{そこが気に入っていたんだがな}そう思いながら話していく

「ブランカ?」

たしか白いものって感じの意味だった気がするけど....

「そうだ、妻はほかの仲間より一回り小さくてな、だが狩りが上手だった」

小さいから、空気抵抗が減って動きやすいのだろうな。

機能美って奴だろ。胸が小さい方が走りやすいみたいな

「そうなんですか....あれ?奥さんは今はいないんですか?」

「ブランカは死んだ....初代勇者によって殺されてしまった。」


「そして300年前に起きた出来事が切っ掛けだった」

「三百年前...まさか人魔大戦?」

「そうだ、そして我らブラックドックが人類と敵対した時でもあった」


「人類は自分たち以外の種族を弾圧し始めた」

それは...ちょっとひどいですね...今までの恩を忘れて、攻撃してきたんですから..

「蚕妖精は別だがな...」

「人類に長らく人々に接してきた我らだったからある程度の弾圧なら受け入れようと言うことで合意していたが..人類側の兵士が殺し始めたのだ」

あぁ...それで魔族側に着いたのか....

「だから同族を守るために魔族側についたのだ」

「もちろん、人間全てがそう思っているわけではない事は分かっている」

「だが我らとて無闇に殺したりはしなかった...殺戮を楽しむ悪のみを殺してきた。

もっとも民衆には手を出さず、攻撃してきたとしても行動不能にするだけにしている」やっ優しい

「それで、何故蚕妖精の生き残りがいる事を知っていたのかだったな」

「はい。なぜ知っていたのですか?」

まだ世間に出していない情報だったのになぜ?

「それは...そうだな。古い友人が蚕妖精だったからさ...」

そうなの!?そういえばこの人300年前には居たってさっき言ってたし

「そうなんですか!でももう300年も昔の話じゃ?」

「あぁ、だが君は本当に純血を維持できるくらいの蚕妖精が残っていたと思っているのか?」

「え?...」

....確かに蚕妖精が300年も続くほどの個体数はいない筈...それも純血なんて

維持できるわけがない...前世の未来の技術にコールドスリープって奴があるけど

この異世界にある訳がない...

「いや、その蚕妖精が開発した技術にだな。凍らせて、種族を存続させる物があったのだ」

「そんなものがあったとは...」

「その蚕妖精の友人はなんて名前なんですか?」

前に見た、蚕妖精の本に載っているなぁ...載っていたのなら多分わかるはず

「それは.... フロンシアという男だ...」

「フロンシア....たしか蚕妖精の族長だった男ではなかったか?」

そうなんですか?ティアナさん...というか

もう起きなんですか。復帰早いですね

「そうだ...もっとも、200年前に死んでいるがな...」

100年くらい生きたのか...まぁ人間じゃなくて妖精だしありえるのかな?

他の妖精はどれくらい生きるのかわからないけど。

「そうですか....残念です」

もし生きていたら、会ってみたかったんだけどなぁ

「そうだな...本当に残念だ...」

「そうですね...」

なんか空気が重いようなぁ

「それじゃあ...そろそろ...合流しましょうか...」

「そうだな...そうしよう」

「そうだ...渡しそびれた物がある。受け取れ」

そう言って彼が差し出したのは一通の古い手紙と一通の新しい綺麗な手紙であった.....

古い方の手紙にはたった一行しか書かれていなかったが、ロボさんから話を聞かなくても大体内容がわかる...これは遺書だ

[もし、我々が全滅しかけたときは.....我が子を...シルキーを頼んだぞ。族長 フロンシア•〇〇〇〇より]

フロンシア....蚕妖精最後の族長....

「これ...私の名前だ...」

何で私の名前が?我が子って書いてあるんだから私がこの人の娘って事で良いんだろうけど

「そうか....やはり合っていたのか」

そのようですね....

「でもなんで私の名前が書かれているんですか?」


「それは....私にはわからないな。未来視は持っていないのでね.... 〇族だけど....」ん?なんか言った?まぁいいや

未来視の魔眼見たいなのかな?過去を魔眼も見るのもありそうだけど

持ってる人いるのかなぁ...未来を見る魔眼には2種類あって予測と測定に分けられると菌糸類が言っていたような...まぁこれはいいや

「そうですか....そろそろ村人に説明して誤解を解きたいんですが...」

そうだな...それが良いだろう...食料も少ないしなぁ」

「それじゃあ、村の人に説明してきますね。」

「「「おねがいしまーす」」」

はいよーまかせときなぁ!


会話してみて思ったこと...わかった事は、ロボさん達ブラックドックは別に悪い人ではないということがわかった。

具体的にはロボさん率いるブラックドック達はこの辺に盗賊が出没したとの情報を得て、討伐に来た討伐隊であったのである。なぜ討伐隊が人間の国にいるかと言うと、この村のすぐ隣は魔族の国との国境があるのだからだそうです。

そしてその盗賊は村にくるまでに遭遇した盗賊だったそうで、この村にいる我々を盗賊と間違えたのだそうです。おっちょこちょいですねぇ

村人たちの誤解を解いたことでこの村での人とブラックドックの争いは終結し、宴が開かれた。もっとも今も怖がっている人がいる事は変わらないのだがね。

でもまぁ...なんだかんだ言って、みんな仲良くなっているからヨシ!

「私は?何もなしか?」

あっいたんだ。

「あ...ティアナさん生きてたんですか」

「ひどい!?」

「冗談ですよ...七割くらいですが...」

もしかしたら違うかもしれませんけど

「えっ」

「嘘です。ちょっと揶揄っただけです」


次の日の朝....仲直りの宴も終わり、みんなすっかり仲良くなっていて

プレゼント交換みたいな会場が出来上がっていた。

何あれ、めちゃくちゃ参加したい!

「ん?君も参加するかい?シルキーちゃん」

わーい!やるやるー!

「そういえば...何交換してるんですか?」

一つはりんごならぬリンガでこれは...なんだろ?

何かの...骨?

「えーとね、フォード村の私たちはうちの特産品を交換しているんだよ。」

はえーでっかいリンガですねぇ

うまそうだなぁ

もう片方は何かな?

「私たちは狩で得た食糧になる肉や工芸品に使える皮や骨だな。」

あーなるほどぉ....

たしかに狼姿になることができるブラックドックは確か狩りが得意だったんだよね。

「シルキーちゃんは確か妖精族だったよね。」

「はい..私は生産魔法が得意ですので、大体のことはできます。」

生産魔法が得意なのは正確には私達の種族がですがね...

「生産魔法?あの消費魔力多すぎ問題であまり使えない魔法の代表例の?」

何だそのしくじ〇先生みたいな説明は...

まぁそうだよね。生産魔法は一部の人しか使えないし、生産魔法にも色々あるんだよね。多分素材の数だけあると思う。

良い魔法なんだけどなぁ...使用するときの魔力コスト高いけども!

「魔力さえあれば結構つかえるんですよ?」

色々応用効くからね。

「そっかぁ、私も魔法習ってみようかなぁ...」

そうですね...それもいいと思います。

魔法は生活を豊かにします!習っておいて損はありません!

「じゃあね、シルキーちゃん。」


「あっはい....あ、そういえば!名前は?」

「そうですね...名乗っていなかったですね。えっと私は...サラです。サラって呼んでください」

「はい...そしてあなたは?」

サラさん隣にいたもう一人のブラックドックの少女にも名前を尋ねる

「私はねぇ!ミラって言うのぉ♪よろしくねぇ!」

「はい...よろしくお願いします...ミラさん、サラさん...」


「んじゃあね。シルキーちゃん」

「はい...また今度」

そして2時間後...ロボさん達と別れる時間がやってきた。

門の近くから

「おーい!そろそろ行きましょうよ!王様ぁ!お土産も貰ったしぃ!」

活発そうな垂れた犬耳のちょっと薄い黒色の髪の少女がロボさんをよんでいるのが見えた。確かあの人はミラさんだっけ?

「ロボさん呼ばれてますよ」

「主、お時間です」ロボさんと話していると後ろの方で短い黒い髪に片方が垂れた犬耳の女性に人化したブラックドックがロボさんに声をかける

この人は....確かサラさんだったはず。ロボさんの副官の人だ

「ではさらばだ....シルキーよ」

またねーロボさん...もう会うことはほとんでないでしょうけど...

「はい...もう会うことはないでしょうけど、」

もうこの人には会いくないって感じ。ティアナさん重症だし

あぁでも多分お父さんだと思われるフロンシアさんの手紙を渡してくれたことはありがたいと思っていますけどね

「ははは、違いない...」


つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る