転生お蚕妖精、生産チートで頑張ります

第17話 狼王ロボ

ティアナsaido

「いいのか？引かせて...」

「あぁ、いいさ。これからの戦いではあの子は足手まといになっちまうからな」

傷を負ってしまってはアルカさんやあの方々に怒られてしまうからな

「そうかそれもそうだな.....まぁいい、では始めようか」

空気が変わった..

「あぁ...では行くぞ！」

そう言って私は片手剣を構えると

相手も部分的に獣化させて鋭い爪を構える

「来い！」

はあああああああ！

「「はああああああっ！！」」

繰り出される斬撃を避け、次の手を準備する

「ふっ..」

そう言って奴は剣を振ったなにをして..と思ったら

私の頬に線のような傷ができる

....っ！こいつ...私の顔に傷を...

やはり、ただもでは無い...

「貴様！若いのにやるな！」

「そっちこそ！！私に傷をつけるとはなぁ！！」

鉄の剣と鋭く尖った爪が衝突し火花が散る

ガキンと鈍い金属音が辺りに響き渡る。

「せいやあぁぁ！！」

砂埃を立てると

「ふっ...」

なっ！？奴は何処だ！

「ティアナさん！後ろです！」

後ろだと！？

「チィ！避けたか」

危ない...もうちょっとで死ぬ所だった

シルキーに後で感謝せねば....

それよりも...こっちに集中しないと...

「そっちこそ、もう後がないんじゃないか？」

「いいや...まだまだ行けるさ...いや立てなきゃ騎士として有り得ない！」

「そうか...ならば此方も敬意を持って、相応の対応をしなくてはな！」

そう言って奴は魔力を使って何かをしようとする...

なんだ...何をする気だ

「見せてやる...我が真の姿を！！」

なにぃ！？まだ強くなるというのか！！

だが負ける訳には行かぬ！！

そう己を鼓舞しながら両腕に力を込める。

「ほう」

「我名はロボ...狼王ロボである！」

「狼王...ロボ...」

狼王ロボ。彼は

魔族連合国の獣人系魔族の国王をしている大魔族で四天王候補とも言われている

すごい魔族で人魔大戦時代から存在しているとの噂が流れているほどの大物

まさかこれほどまでの大物がこんな辺境にいるとは思わなんだ....

震えが止まらない...鎮まれ！鎮まれ！

「そうだ...我は狼王ロボである。...なんだ怖気付いたのか？」

あぁそうだ。私ともあろう物が怖気付くなんて...天才と言われてきて

調子に乗っていたのだな私は....

「？...？」

「いやはや...気づきたく無かったが...私は自惚れていたらしいな...」

「やっと気づいたのか...それで？どうするんだ？まだ戦うか？」

「あぁ、私はお前が怖い...だが守るべき者やシルキーが見ている今、負ける訳にはいかないのだ！！」

てやああああああ！！

「く！」

これ以上長引かせると体がもたない...

「そうか...お前は奴らとは違うのだな...よろしい..貴様には敬意を表し、とっておきの『これ』を持って決別の儀としよう！」

魔力濃度上昇....収束魔力砲撃！？

やば

「リミッターオフ....補助礼装トリスメギストス起動...魔力収束開始....」

来るか！

「喰らえ！！クローズブラスター！！！！」

「こい！防ぎ切ってみせる！」

魔力障壁多重展開！！！

身体強化に三割、残り魔力の七割を障壁に回して

防御体制に移るとすぐに魔力砲撃が障壁に衝突した

痛い...痛い痛い...

熱い...熱い熱い...

急激に魔力の残量が減ることで体がやめろ...やめろ...と悲鳴を上げている...これ以上魔力を使うと体の魔力核が無くなり、何もかも守れずに朽ち果てると...

一生後悔することになると...本能が訴えかけてくる...

いやまだ行ける。頑張れる！。戦える！！

「まだ耐えるか....なぁっ！？」

へへ、どうだ防ぎ切ったぞ...

それを見た狼王ロボは困惑しながら頭を抱え込む

「なぜだ！なぜそこまで頑張れる！？何故此処まで傷つけられてもなお立ち上がる！？お前は一体何を考えているのだ！？」

そりゃ...そうだろう...腕は片方折れて、片方の足にはヒビが入り

軋んでいる。とてもじゃ無いが動けるはずがない...だが私には...私には！！

「私には...守りたいものがある！！」

魔族のお前にはわからんだろうけどな！

「騎士としての誇りか？それとも財産か」

いいや...違うな...それじゃない

「私は騎士としての義務ではなく、人として、友人として！彼女を守ることは変えられんのだ！！」

耐え切った....これで右手は完全に使えなくなった...だが

「防ぎ切ったのか....我が砲撃を！！」

隙ができた...決めるなら今だ！！この一撃に残す力全てを込める！

「セット！ブラスターオン！！」

「今、我が家に伝わる魔法を行使する！！」

「なぁっ！？貴様！！その魔力上昇量...自爆する気か！？」

いいや違うね！私は死なない！死ぬのは....

「いや！死ぬのは貴様だけだ！！ロボォ！！」

「何ぃ！」

「ラストブレイカー！！！」

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シルキーsaido

拡散魔力爆発....

「ふっふっふっ、勝った...ぞ。シルキー」

そう言い残してティアナさんは倒れてしまった...

流石にこれを受けて立ってはいないはず....なっ....に！？

「ふぅさすがに危ない所だった...もうちょっとで死ぬ所だっだな」

なん...だと....そんな直撃のはずなのに！？

「なっに....！？」

「馬鹿な...これほどの攻撃を受けて、立っていられるはずがない！」

「終わりだ...これで」

助けるなら今だ！

今にも逃げ出したいがそれはできない。

何故なら今度は私がティアナさんを守る番だからです。

「死ねぇ！！」

「危ない！ティアナさん！」

「我が友の身を守れ、硬糸！」

手袋にエンチャントされた魔法を使ってティアナさんに向けて発動し、周りに硬糸の壁を瞬時に編み上げると

よし。ちゃんと防いでくれてるな。

これで撤退する時間くらいは稼げる...はず

もしかしたらすぐに突破される可能性もあるので

敵に硬糸で作ったミサイルのような攻撃を弾幕のように打ち続けて離れるのと同時にティアナさんに駆け寄り糸で逃亡用の防壁を貼る

気休め程度には役に立つはずです。

でも時間がありませんからさっさと撤退しないと...

おい、起きるのです。ペチペチ

「うう....」

よかった...まだ息がある...でもこのままじゃ不味いですね...

「ティアナさん！捕まってください引きますよ！」

私の体系的に担ぐのは無理ですね..糸で巻き取って蜘蛛男みたいに撤退しますか

って！？

「ふん！そのような防壁で私の攻撃が防げるか！」

パリン！とガラスの割れる音がして奴が破損箇所から顔を出す

ちぃ！もう破られたか！やはり私では魔力量が違うか！

「何故邪魔をする...いや...此奴は貴様を守ったのに出てくるとは....」

確かに...

「ティアナさんには一歩も触れさせない！」

「ほう..その体でか？」

そうだね...私は子供だ...だがそれ以上に蚕妖精である...戦闘は殆どできないけど

防壁を貼るくらいならできる。

だがその前に言いたいことがある...

「何でこの村を攻撃するんですか！話し合いはできないんですか！」

こっちに非があるとしても...私はティアナさんを守らなければならない！

何故なら、腕が折れ、足にヒビが入ってもなお、私たちを守るために戦ったティアナさんを尊敬してるからだ！

つづく