第7話 騎士団本部へ行こう
今日はラインハルトさんとウィリップさんにこの町の騎士団本部を案内してもらう日です。楽しみでなかなか寝付けなかったけどそれはそれです。
それにしても今日はいい天気ですねぇ。
「お婆ちゃん、ちょっと出かけてくるね!」
そう言って私は玄関から駆け出す
「えぇよ、行っておいで気を付けるんだよ!」
「はい!行ってきます♪」
大通りに出たときに大変なことに気づく
「あ、騎士団本部の場所教えてもらってない」
そう、道がわからないのだ(2回目)
お前いい加減学べよと言われそうだけど...学びません!!(学べ)
こうなったら近くの人に場所を聞くしかないかなぁ
う〜ん....
そう座り込んで唸っていると兵士らしき人に声を掛けられた
「どうしたんだ君?迷子か?」
「!あのぉ...騎士団本部って何処にあるんですか?」
「騎士団本部?騎士団本部だったら西区のあの時計塔の辺りだよ、送っていこうか?」此処からでも見える時計塔を指し、手に持っていた地図で道を兵士さんは教えてくれた。ありがてぇ...
「西区ですか?」
西区って何処ですか?時計塔が見える方に行けばいいかな?
「一様この街の地図を持っていきなさい」
とため息を吐きポケットからもう一つ地図を出して私に差し出した。
ありがてぇ...助かりますぅ...
地図を受け取り最初のページを開くとまず目に入ったのは町の名前のイーストポーンという文字街は円形の城壁に囲われていて、街は四つの地区に分かれていることや地区はそれぞれ名前があって東はノリッジサイド、西はポーツサイド、南はヨークサイド、北はデリーサイドと書いてあった。ちなみに私が住んでいるのはヨークサイドで、図書館があるのはデリーサイドです。西は治安が悪いと書かれてたからなるべく行かないでおこう。フリじゃないよ?
「地図までくださりありがとうございます!」
頭を下げてお礼を言う。
「別に良いさ、この街に来る観光客に配ってる物だからね」
観光客用なんですねこの地図....結構いい紙を使っているんですね...
本当に観光用なのかなぁ....
「これが時計塔かぁ」
離れて見た時計塔は思ったよりちっちゃかった。ロンドンのビックベンに比べてちょっと小さいが見た目は十分豪華だった
こりゃ観光地にはもってこいの建物だね。
「騎士団本部は....この地図だとこっちのはず」
少し歩き時計塔の近くまで行くとそこは観光客でごった返していて
熱気がすごかった。まるでコ◯ケだなぁ。
一回行ったことがあるけど、彼処生半可な覚悟で行くところじゃないよ...
めちゃくちゃ暑かったし(今は会場中は涼しいらしいぞ)
「「おーい、シルキーちゃーん」」
振り向くと黒髪の男性と金髪の男性が手を振っているのが見えた
「!ラインハルトさん!ウィリップさん!」
迎えに来てくれたんだ!
「昨日ぶりだな!シルキーちゃん」
イースト騎士団本部と書かれた看板を背に騎士二人はこう言った。
「ようこそ!騎士団本部へ!」
「ここが騎士団の本部ですか?」
騎士団本部はちょっとしたお城のような建物だった
「そうだよ?ここでは最大で五百人の騎士がこの町を守るために日々訓練しているんだ。」指差す方には50人くらいの騎士たちが木剣を振って訓練していた
すげぇ....
「すげぇだろ!この町は重要な資料を保管している施設があるからほかの町よりも騎士が多いんだぜ!」
さすがに王都と騎士の街には負けるがな!とラインハルトさんは言う
施設って図書館のことかな?色々資料あったし
「そりゃそうさ、なんせ王都だからな此処とは段違いに騎士も兵士も多いさ」
?誰だろう?
「申し遅れたな俺は此処の騎士長をしているロック・ゴールドだ。よろしく?おチビちゃん」
騎士長!?この人が!?あとおチビちゃん言うな!
「おチビちゃん言わないでください」
「はっはっは、すまんな、許してくれや...この通り」
「すーすーzzz」
彼処で寝ているのはティアナさんかな?
何でここにいるんですか?
「ローウェルさんまーた寝てるよ」
と呆れた顔でため息をつくウィリップさん
えっ?またってことは何回もこんな事があったの?
今脳内の理想的な騎士のイメージのティアナさん像がガラスの音を立てて崩れ落ちた。
「ティアナさん、起きてくださいティアナさん、ほんと起きてください」
ティアナさんは目をこすりながらまだ寝ぼけた頭を覚まさせる
「む?シルキーじゃないか、なんでここにいるんだ?」
「ティアナさんこそどうして此処に?」
てっきり王都にいるのかと思ったんだけど違うのかなぁ
「私?私は色々やることあるからここに滞在しているんだが」
「それで?シルキーはなんでだ?」
「私は昨日そこの二人に助けてもらって、その時に見学に行く約束をしていたので、此処にいるんですよ」
そうなのか!?と驚くティアナ=さん
「そうそう、僕が助けなきゃ攫われてましたしね」
ウィリップさんは誇らしげにそう言ったがむすっとした顔のラインハルトに
「俺たちがだろ?」
と言われ取っ組み合いに発展
キャット....ファイト!!
「やめんかお前たち!子供がいるんだぞ!」
ハッと顔を上げて周りの視線に気がついた騎士二人は顔を赤くして
.....ティアナさんの口元に涎ついてる...
「あのぉ....言い忘れていたんですがティアナさん服に涎ついてますよ?」
「え?まじ?」
慌てて確認するティアナさん
「ほら、これでその涎を拭いてください」
そう言ってティアナさんにハンカチを差し出す
「あぁすまない...ん?このハンカチは?」
「!そのハンカチ!何処で手に入れたんだ!」
鬼気迫る表情でティアナさんは詰め寄ってくる
うわっ...と少し引いた表情になるが
「これ?これは私が作ったやつだけど?どうしたんですか?そんな顔して」
「何!私にもそのハンカチを作ってくれないか!」
出来ればバラの刺繍を入れてくれ!と頼み込むティアナさん
「俺もくれないか?」
とロックさんもリクエストとしてくる
「別に良いですよ?得意なので」
ヤッタァ!と盛り上がる二人だが
一つ気になったことがあった
「でもなんで欲しいんですか?」
なんで欲しいのか、なんでそんなに喜んでいるのか
気になった貴重なのかな?種族魔法で作ってるし。
「そうだなぁ。そもそも蚕妖精自体絶滅したようなもんだしなぁ」
つづく
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