第8話 鍛錬1

 師弟関係を結んだ翌日――、俺たちは早朝からティムロードの街の南側へとやって来ていた。このティムロードの街は、昔から勇者の入れ知恵がある為か、区画ごとの特色がはっきりと別れている。


 例えば、西地区は職人の街となっているし、北地区に至っては行政地区として機能を果たしている。


 俺たちの泊まった建物は歓楽街として知られている東地区であり、この南地区では、市や商店が主に並ぶ商業区画として知られていた。


 そして、そんな商業地区のど真ん中にある馬鹿デカイ建物。平屋建てではあるが、とにかく馬鹿デカく、馬鹿長い。


 イメージとしては、港にある水産市場が近いだろうか。広大な空間を仕切りで区切って店舗とし、様々な商品が所狭しと並ぶ。その様は、まるで巨大なスーパーのようだ。


 うーん。勇者君が昔に説明したのは、ショッピングモールだったはずなんだが、どうしてこうなったんだろうな?


 ――まぁ、それはいいとして。


 とりあえず、今回の目的は別にあるのでちょっと急ごう。巻きだ、巻き。


 というわけで辿り着いたのは、市場の奥に用意された立派な一角。そこには、この雑多な市場の中にあって、やけに高級感が溢れる一室が用意されていた。白理石の壁に扉もエビルトレントの素材だし、ドアプレートなんかミスリル銀で出来ているような豪華さだ。


「ここに用があるです?」


 その扉に貼り付けられていたドアプレートの文字を確認しながら、俺は素直に肯定する。


「あぁ、今日はここに用事があってきたんだ」


 そこには、グエンタール商会の文字が達者な筆記体によって記載されていたのであった。


 ★

 

 おっす、オラ、剣神! 会頭いるー? とか受付で挨拶したら、問答無用で会頭室へと通された……。


 受付嬢がクスリともしないから、何か俺がものすごくスベったみたいな空気になっているんですけど?


 え、俺が悪いの?


 いいや、俺は悪くねぇ!


 誰かが悪いとか断定しない優しい世界でいこうよ? ね!


「これはこれは、辺境伯様。本日はどのような御用向きですかのう?」


 揉み手をしながら、恭しく挨拶をするグエンタール老。


 そういえば、俺、辺境伯になってたわ。


 そんな奴が直で訪ねてくれば、ノンストップで会頭室に通されるのも当たり前か。


 尚、本日も正体を隠す為に仮面を被っております。最近、素顔が看破されて、要らないトラブルを巻き起こすことが多いからね。そんな仮面の奥でふぅむと唸りながら、俺はグエンタール老に商談を持ち掛ける。


「グエンタール老の所では、荷運びの人足を日雇いで雇っていたと思うが、それは今でもやっているか?」


「えぇ、儂の所は何しろ広いもんで。倉庫から商品の補充となると、どうしても人足が要りますでなぁ」


「その人足として、この娘を雇ってはくれないか?」


「おに……、ししょー!?」


 ノアちゃんには言っていなかったので、そりゃ吃驚するわな。


 でも、最初からそのつもりでしたのでー。


 師匠の修行方法に意見は挟まないという条件を忘れたとは言わせませんぜ?


「ふむ、倉庫整理を手伝いたいと仰られますかのう?」


「まぁ、そんな所だ」


「ですが、大丈夫ですかな? 儂が言うのもなんですが、この商会はやたらと広いですぞ。ダークエルフのお嬢ちゃんが重い荷物を運ぶのには些か堪えるのではないですかな?」


「そういう修行だ。問題ない」


「修行です!」


 修行と聞いて、弟子の瞳が輝く。


 言っちゃ悪いがそんな良いものじゃないぞ?


「ほう。結局、このお嬢ちゃんを弟子に取ることに決めたので?」


「まぁな。ノアちゃんたっての希望という奴だ。後、この弟子に運ばせる物はなるべく割れ物でないものを頼む。今はそう懐が潤ってないのでな」


「ふむ、そうですのう。それでしたら、鋳造の青銅武器が収まった樽など如何ですかの。ただ、取っ手が短く、運ぶには難儀じゃとは思いますがのう」


「いや、それで良い。そちらの方が好都合だ。弟子よ、喜べ。難儀であればあるほど、お前は強くなるぞ」


「えーと、わぁい、嬉しいですー?」


 そこはかとなく懐疑的な喜び方なのは納得いかないが、まぁ良いだろう。


「後、もうひとつ。武器を注文したい」


「ほうっ、剣神様の命とあらば、とびきりのを用意致しましょうぞ。どんなものが御入り用ですかな?」


「剣を一振り、こんな感じで頼む」


 そう言って、俺はあらかじめ計っておいたノアちゃんの手のサイズ等が記載された紙をグエンタール老に渡す。それを見たグエンタール老の目が瞬時に見開かれる。


「これは!? ……しかし、よろしいのですかな?」

 

「気にするな。ある程度はこちらで調整する。で、何日で出来る?」


「何分、一からとなりますからのう。早くて三週間といったところですかな」


「二週にまからんか?」


「他のアイドルたちの武器も取り扱っておりますからのう。それを蔑ろにして仕上げるとなると……」


「分かった。三週で良い。その代わり、きっちりと仕上げてくれ」


「ほほっ、そこはグエンタール商会お抱えの優秀な職人がおりますからな。問題ないでしょう」


「宜しく頼むぞ」


「では、そろそろお嬢ちゃんを仕事場へ案内しましょうかの。ジュニア~、ジュニアはおらんかの~?」


 卓上においてあった鈴を鳴らすと、間もなくしてグエンタールジュニアが入り口から姿を現す。


「何ですか、会頭? おや、これは剣神様。この度は我が商会においで頂き、ありがとうございます。何か御入り用でしたら、最高の品質のものを取り揃えさせて頂きますよ」


「ほう、しっかりした息子だな」


「これぐらいの口上でしたらグエンタール商会の者なら丁稚でも言えますわい。それよりも、今、剣神様との商談がまとまったところでな。このお嬢ちゃんを二番倉庫まで案内して欲しいんじゃ。そこで樽運びを手伝わせてやってくれんか」


「人足ですか? ですが、お嬢さんには少々きついお仕事になると思いますが……」


「剣神様たっての頼みじゃ。それで否やはないじゃろ」


「そう言われるのであれば分かりました。しかし、不思議な話ですな。物を買うではなく、人足を売り付けられるとは……」


「安心せい。御注文も頂いておる」


「そういうことでしたか。では、案内致しますので、ついてきて下さい」


 かくして、俺たちはグエンタールジュニアの後に続いて会頭室を出るのであった。


 ★


「ふむ。活気があるな。流石はティムロード領にその名を轟かすグエンタール商会なだけはある」


「ははは、まだまだですよ。ですが、いずれは王国中に知れ渡るような商会にしたいとは思っていますけどね」


 グエンタールジュニアが謙遜して言うが、グエンタール商会の二番倉庫はなかなかの賑わいを見せていた。


 前世で言うところの体育館並の大きさの建物の入り口からは、グエンタール商会の商会員たちがひっきりなしに出入りしている。


 どうやら、あの馬鹿でかい店に商品の補充を行う為に行き来しているようだ。


 特に二番倉庫は金物類を多く取り扱っているのか、ひとつひとつの品の重量が重いようだ。そうなると一度に数を運べない為に、どうしても運搬の回数が多くなるのだろう。


 ふむ。鍛えるにはうってつけか。


「おぉい! ジミーいるかいー!」


「はいよ、若! 何です?」


 グエンタールジュニアが二番倉庫の手前に集っていた商会員に声を掛けると、その中から年若い男が歩み出てくる。


 黒髪の癖毛に鳶色の瞳をした、そばかす顔の青年だ。彼は人好きのする笑顔を浮かべて小走りにこちらへと駆けてくる。


「紹介しよう、ジミー。こちらのお嬢さんはノアちゃん。今日からしばらくの間、ここで荷運びの作業を手伝ってもらうことになった。ジミーにはそのサポートを頼みたい」


「荷運びの作業って……。大丈夫なんですかい?」


 ノアちゃんの細さを見て、ジミー青年が驚く。まぁ、どだい力作業には向かない体躯をしているからな。驚くのも無理はない。


「大丈夫、だとは思う、が……」


 困った顔を向けられ、俺は軽く頷く。


 そもそも、その貧弱な体を鍛える為に肉体労働に従事させるのだ。無理だといってやらなければ、いつまで経っても出来るようにはならないだろう。


「まぁ、迷惑を掛けるかもしれんが、面倒を見てやって欲しいといったところだな。一応、大事な取引先様との契約なんでな、気に掛けてやってくれると有難い」


「はぁ、分かりました」


 グエンタールジュニアの説明にジミーは歯切れの悪い言葉を返す。


「では、早速、倉庫の中を案内してくれ」


「あっはい。こっちです。お嬢さんとお兄さんもどうぞ」


 俺たちは案内されて、第二倉庫に入る。


 中に入ると同時に鼻を刺激するのは、金属と油の臭いだ。そして、運び出しがしやすいように、と丁寧に武器が種別ごとに区分けされて置かれている姿が見える。その広さと量はまさに圧巻。ティムロード中の武器が納められているのかと思ってしまうほどであった。


「ほえー、凄いですー……」


 どうやらノアちゃんも雰囲気に飲まれたようだ。そして、そんな姿を可笑しそうに笑いながら、ジミーが振り返る。


「グエンタール商会は、扱う商品が多岐に渡ることで知られてるんすけど、中でも鋳造品の武器の取り扱いに関しては、ほぼ独占してるんすよ。そりゃ、逸品ものに比べると質は落ちるっすけど、種類の多さと安さならティムロードで一番だと自分は思ってるっす」


「そんなに沢山作って売れるんです?」


「なんだかんだティムロードは剣闘の町っすからね。使い潰しても構わない安い武器っていうのは練習用に良く売れるんすよ」


 聞けば、安い武器はアイドル事務所の共同備品として大量に買われていくのだとか。


 見ただけであるが、粗悪そうな鉄や青銅で作られているものが大半で、俺が振っただけで折れそうな物ばかりのようだ。故に、そういう使われ方が妥当なのだろう。


「えーと、今日運び出すのは……あ、これっすね」


 ジミーが止まる。


 そこには運びやすいように樽に突っ込まれた安物の剣の束があった。大の男が抱えて運ぶにはちょうど良い量……そんな印象を受ける。


「普段は、こいつを台車に乗せて運んでるっすけど使うっすか?」


「不要だ」


 俺はきっぱりと断る。そのまま樽に近づき、取っ手を持って樽を持ち上げる。ふむ、大体三十キロ前後といったところか。


 ノアちゃんの体格を考えると、自重と同等ぐらいか、やや重いだろう。俺は樽の中にあった剣を十本ほど抜き取ると、近くの別の樽へと突っ込んで重さを調整する。


「弟子よ、これを持ち上げてみろ」


「は、はいです!」


 通常より少し軽くなった樽が、少しだけ宙に浮いて、すぐに元の位置に戻った。何とか持ち上げたノアちゃん……いや、我が弟子はかなり息切れしている。


 ダークエルフは森に棲む種族なだけに、町に住む子供よりは身体能力に優れていそうだが、全然満足できるものではない。


 普段なら、ここで更に樽の中の剣の数を減らして、普通に持ち運び出来るようにする……修行の質としては落ちるが、やっている本人には達成感が生まれる……のだが、現状のノアちゃんはモチベーションの塊のようなものなので、そんな中途半端な優しさは要らないだろう。


 俺はそのまま、剣の入った樽を手渡す。


「よし、ならばこれを指定の場所にまで届けることを行え。とりあえず、今日の目標は三十往復だ」


「えぇっ! 無理です!」


「別に出来なくても良い。ただ、お前を馬鹿にしたアイツは何と言うかな? そんなこともできないの? とか言うのではないかな?」


「クソムカついてきたです! やるです!」


「ジミーと言ったか。とりあえず、運ぶ場所を彼女に教えてやってくれ」


「あ、はい。わかりました」


「さて、それでは俺は行こうか」


「どこ行くです?」


「資格試験を受けるにはどうしたら良いのか、登録方法やら何やら調べることは沢山あるんだ。それを調べにいく。ついでに魔物素材も換金してくる。手持ちが余りないのでな」


「なるほど、行ってらっしゃいです!」


 ニコニコ笑顔のノアちゃんに見送られて、俺はグエンタール商会を後にする。また、お昼時にでもなったら様子を見に来よう。


 ★


 さて、アイドル資格試験に関してだが、どこに申し込めば良いのかだとか、何が必要なのかだとか、そういった情報を俺は持っていない。長い人生の中で知る機会はあったのだろうけど不要な情報だと切り捨ててきたからだ。


 なので、そういった情報が分かるであろう闘技場に向かってみたのだが、なんとまぁ、受付で門前払いを食らってしまった。


 いや、門前払いというのは正しくないか。


 どうやら、アイドル関係の話はアイドルギルドというものがあるから、そこで聞けという話のようだ。


 そして、同じ間違いをする奴がそこそこ多いらしく、対応が機械的だったということらしい。これは失礼した。


 というわけで、俺はアイドルギルドの場所を尋ねて、そこへ向かう。


 ちなみに今日は朝から身バレを防ぐ為の仮面スタイルなので、闘技場の受付の女の子には、もの凄く胡散臭い目で見られた。


 まぁ、仮面を付けた兄ちゃんが、アイドル業について色々と尋ねてくるのだ。そりゃ胡散臭いだろうとは思う。


 でも、そこは営業スマイルを崩さないで欲しいのが人の性というものではないだろうか?


 なんてことを考えていたら、いつの間にかアイドルギルドの建物に着いていた。


 ★


 アイドルギルドの建物は闘技場と比べると、ちっぽけにも見える二階建ての建物だ。


 だが、長い間アイドル業界を支えてきただけあって、建物自体には、かなり年季が入っている。良く言えばシックで、悪く言えばちょっと力を入れれば崩壊しそうなほどボロい。そんな建物であった。


 俺はそんな建物のスイングドアを押し開けながら中に入る。


 そこそこ広い室内には、奥に衝立で仕切られたカウンターがあり、手前には待ち合いにでも使うのか、丸テーブルと椅子が用意されていた。


 しかも、よくよく見れば、カウンターの一角で飲み物や料理まで売っているではないか。


 何これ? 変則的なフードコート?


 というか、酒場兼任の冒険者ギルドに酷似している。あれ? 間違えて冒険者ギルドに来たのか?


 俺は思わず、建物の外へ移動。


 建物の外には、祈りを捧げる乙女の周りに剣が突き立つデザインのマークが掲げられていた。


 闘技場にも同じマークがあったので、どうやらアイドルギルドで間違いないようだ。


 うーん。女性を中心にした職業だけあって、もっと華やかなイメージを勝手に抱いていたのだが、どうも思い込みだったらしい。


 俺は一番人が並んでいない受付に並び、順番を待つ。


 アイドルは限られた人間にしかなれないと聞いていたのだが、意外と人がいるな。


 いや、この人数はアイドルだけではあるまい。そのアイドルをサポートする人間や、トレーニングに携わる人間までいそうだ。


 其処彼処で聞こえてくる噂話に耳をそばだてながら待っていると、程なくして俺の順番が回ってくる。


 担当者は茶色の髪を三つ編みにした、どこかほっとするような空気を纏った女性であった。


 女性を中心とした職業であるから、受付にはホストみたいな優男を配置するのではないかと勝手に思い込んでいた俺の予想を見事に裏切った形だ。


「他の町のアイドルギルドでは、そういう所もあるみたいですよ。ですが、ここ、ティムロードのアイドルギルドは引退したアイドルの受け入れ口となっているため、女性の割合が多いのです。こんにちは」


「おっと、声に出ていたか。失礼」


「いえ、お気になさらず。それで本日はどのような御用向きでしょうか」


「アイドルになるにはどうしたら良いのかを教えてくれ」


「申し訳御座いません。アイドルはまず女性でないとなることができません。お客様はどう見ても……」


「いや、なるのは俺の弟子の少女だ。俺じゃない」


「それは早とちりを。そういうことでしたら、一番はアイドル事務所に所属してしまうことですね」


「アイドル事務所?」


「あぁ、そこから説明が必要ですね。えぇと、アイドル事務所というのは……」


 受付さんが言うところをまとめるとこうだ。


 まず、アイドルは個人事業主であるということ。


 彼女たちは本来なら、自身を鍛えるトレーニングの他に対戦相手の研究やら、ファイトマネーに対する税金の計算、練習場の予約や練習設備の調達等、それらを一人でこなさなければならない。


 だが、それらに頭を悩ませていると訓練に専念できない。


 そこで、アイドルたちの事務作業を一手に引き受けるプロデューサーという職が存在する。


 プロデューサーはアイドルが訓練に専念出来るように細事を全て引き受けるだけでなく、よりアイドルが効率的に鍛えられるように、トレーニングメニュー等も組んだりして、大いにアイドルたちの業務を盛り立てる役割らしい。


 そして、有能なプロデューサーは平凡な才能しか持たないアイドルでさえも、その献身的なサポートでトップアイドルにまで育ててしまうようだ。


 そんなプロデューサーが多数所属するのが、アイドル事務所――というわけだ。


「アイドル資格試験の合格を目指すなら、アイドルを多数輩出してきた実績のあるアイドル事務所に、アイドル候補生を預けるのが早いですね。やはり、ノウハウがありますし」


 現代日本でいうところの予備校みたいなものか。


 では、個人でノアちゃんを鍛えようとしている俺は家庭教師か?


「ちなみに、アイドル事務所に入らずにアイドルになる奴もいるんだな?」


「それはいますね。ですが、合格するアイドルは大体一定水準以上に達している人たちで、実力に不安のある子はアイドル事務所でじっくりと育てた方が、最終的に合格率が高いという統計があります」


 じっくり、とねぇ。


「ですので、私はアイドル事務所に所属することをお勧め致します。今なら、お勧めのアイドル事務所を紹介致しますが、どうでしょう?」


「いや、折角勧めてもらったところ悪いんだが、俺たちは事務所には入らずにやってみるよ」


「そうですか。では、アイドルが守るべき遵守事項をまとめた冊子は如何ですか? 筆記試験はこの冊子と一般常識から出題されるので必須ですよ」


「ん? 筆記試験があるのか?」


「はい。試験は筆記試験と実技試験があり、その二種類の合計点で合否の判定が下されます」


 これは、試験合格の難易度が更に上がったな。


「それで、その冊子というのはいくらだ」


「銀貨三枚になります」


 そこそこするな。


「ちなみに、受験登録料は銀貨五枚になります」


 やれやれ、しっかりしてるな。


「それ、銀貨八枚だ。ノアで登録しておいてくれ」


「はい、確かにお預かり致しました。では、こちら冊子と登録者証と試験案内です。当日はこの登録者証を胸に付けて、会場までお越し下さいね。それでは、頑張って下さいね、プロデューサーさん!」


 …………。


 いや、狙ってはいないんだろうけど、前世を思い出して、俺は思わずニヤリと笑ってしまった。

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