第3話 右手、左手
「よっ」
道で会った友人が手を上げている。こっちも「よっ」と手を上げて返事をしようと思った。すると、
「よっ」
友人は、さっきとは、反対の手でまた手を上げた。友人は今、両手を上げている。
なんで、両手を上げたのだろうか。そういう流行りなのだろうか。咄嗟に、自分も両手を上げようとする。
いやいや違う。もしかしたら、自分の後ろに別の人がいて、片方の「よっ」はその人に向けてなのかもしれない。
そう思い、「よっ」と片手で返した。
「よっ」後ろから声が聞こえる。振り向くと、その人は両手を上げていた。恥ずかしそうな顔。俺の勝ち。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます