第2話 気遣い上手
電車に乗っているとき、前に座る男性の足元には黒い大きなバックが横たわっていた。
何が入っているのだろう。もしかしたら、死んだ犬かもしれない。
男性は少しうとうとしていて、降りる駅に着いた時、慌てて降りようとする。そのとき、バックの口が開いていたのか、中身を車内にぶちまけてしまった。
何かの、DVDみたいなものがぎっしり。そのうち、一枚が自分の足元まで転がってきた。
拾い上げると、「巨乳の街」とかいうタイトルのAV。男性は、何とか拾い集めようと必死だった。
電車の発車を知らせるメロディーが鳴る。
返そうと思ったが、いや、待て。もしこれを他人から返されたら、男性は羞恥心で自殺してしまうかもしれない。そう思い、もっていたDVDを二つに割ってポッケに隠した。
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