不老不死
ねえ花のひと、果実のひと
もとはわたしも花だった
指が腐って頑なになる
今では石がうずくまるだけ
今にわたしを置いてって
あなたは
顔を覚える
枯れて芽生えてまた枯れて
ねえ花のひと、果実のひと
もとはわたしも人だったんだ
こんな体じゃ誰にも会えない
百億年の石の猿
波がさざめく雨が降る
枯れて芽生えてまた枯れて
行ったり来たりの渡り鳥
街は栄えて忘れられる
ねえ花のひと、果実のひと
もとはわたしも君だった
触れ合うことも叶わない
やわらかな手は脆すぎる
ねえ花のひと、果実のひと
いかないで嫌だいかないで
ねえってば!
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