ムニャマ地区、取り壊し後の十二行
日が
蠅の羽音に振り向けば
瓦礫の山だ
昨夜まで、あれは誰かの家だった
悲鳴 警吏の怒号 ──声!
今も鼓膜にこびりつく
頬にこぼした安酒を
拭いもせずに怯えている
子供の遊びをなぞるように
蠅は飛び来て飛び去って
夕日を浴びる
空は今、傷跡のように赤々と
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