瞬間、帰路の十四行


放課後の チャイムが鳴った

紫だちたる茜雲

前へ前へと伸ばされた

影 踏切に捕まって


轟音そして通り過ぎた

駅を離れた準急を

光にふれた蛾のように

踵返して追いかける


坂を転がり落ちるほど

車両は高く駆け上がる

そのさまが ロケットめいて見えたから


遥か彼方に遠ざかる

後ろ姿に叫ぶのだ

──突っ走れ、日没さえも追い越して!

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