第8話 氷の王子!?

王宮での夜会から半年が過ぎた頃、

お城から招待状が届いた 。


『騎士団実技大会』への招待状だった。



騎士達の腕試しのようなもので、

「え?どうして姉様にお城から招待状がくるの?」


キャロルは何だか納得行かないようだ!

確かに!


・・・・夜会以降何も連絡はなかったのだから婚約者選びも候補に入っていないと思うのだけれど・・・・


え?ゲームでこんなシーンあった? そもそも何で私が呼ばれるの?



宛名は父様と私宛てだったが、家族でどうぞとの事だった 。



「きっと父様の関係で社交界デビューしたオリヴィアにもって事じゃないかな?」

ブラッドはキャロルをなだめる為に説明するが、 全く私も意味がわからない。


確かに父様は昔騎士団にいたのだから呼ばれてもおかしくないのかもしれない。


でも私は・・・・。


この時期にお城に行くのは気が引ける、 1年間はおとなしくしていたかった。


ゲームでは、私はこの頃絶賛アルバート殿下に猛アタック中だったはず・・・・ 。



しかもまだ主人公が出て来てないから この辺のイベントはゲームは、スルーされていたのかも 。



「オリヴィアは行くの?」



ブラッドは何か心配そうだ・・・・



「ええお城からの招待だし、家族でってことなら特に意味はないのかも」


「そうだね・・・・」



ブラッドの表情少し暗くなるブラッドの様子が少しおかしい気がするが 未知の場所に行くのは凄く気が引ける しかもお城からの招待・・・・ 。



断ること何てできないのだけれど 、私達は5人で行くことにした 大会当日馬車でお城に向かう途中キャロルは初めてのお城にテンションが上がりまくっていた!


10歳の女の子にとっては憧れの場所に行けるのだから無理もない。


無邪気に笑うキャロルは可愛い!素直にそう思う。


これからでもキャロルとの仲は修繕できるかな? と思いながらキャロルを見つめていたら、 私の視線に気づいたキャロルが


「何見てるの!」

鋭い目付きで睨んでプイッと顔をそむけられてしまった・・・・。


仲良くは・・・・




無理かもしれない。


お城に馬車が到着して、 出迎えてくれたのは意外にも第一王子のアルバート殿下だった!!





えーーーーーーーーーー?




アルバート殿下が何で私達を待っているの?

本当に意味がわからないし 、怖い。



アルバート殿下は、私が馬車から降りる時に手を差し出しエスコートしてくれた・・・・ 。


「オリヴィア嬢待っていたよ!」

アルバート殿下は優しく微笑む。


え?笑わない氷の王子じゃなかったですか?ゲームの設定と違う気がするんだけど。


「あ・ありがとうございます・・・・」


震えそうになる手を何とかこらえてお礼を述べた。


何で?何で?何でーーーーっ?


私アプローチ何てしてないし、 この半年王宮にも行ってない!


まさかの招待したお客様全員を出迎えてるとか? 王子様が? ありえない!


しかしアルバート様は次の招待客を待つことなく、 私達を競技場へと案内してくれた。

アルバート殿下は、席の近くまで案内してくれたが観覧席は王子様達とは違うようでここで別々となる。


アルバート様はゲームでオリヴィアには見せたことないであろう笑顔で


「それではオリヴィア嬢また後で」


と耳元でささやいた!


一瞬で私の顔は赤くなる!その笑顔が眩しすぎて立ちくらみを起こしそうになる・・・・ フラッとした私を近くにいたブラッドが支えてくれた。


「オリヴィア大丈夫?」


「ええ大丈夫よ・・・・ただ第一王子様にびっくりしただけ」


ブラッドもそうだねといって私達は席についた アルバート殿下の「また後で」の言葉を思いだし、今度は顔が青ざめていく・・・・。

私達の後ろにいたキャロルは第一王子様を生で見て、目が釘つけになっているようだ 。



あー惚れたな・・・・ 私は頭が痛くなりそうだった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る