第15話 ゾンビはっせいちゅう
ある日、世界中にゾンビが発生した。
どっかの有名宗教家は「あの世がパンクした。死者の漏洩現象だ」って言ったんだけど。
そんなことはどうでもいい。
その日以来、死が無くなったんだ。
あらゆる生き物が死ななくなった。
スーパーで売ってる豚肉の切り落としはビクビク動き。
タラの切り身も動きまくる。
煮ても焼いてもそれは変わらず、煮物もステーキも動くようになった。
まあ、それだけならさ、気持ち悪いだけで終わる話なんだけど。
……人間も、そうなんだよね。
人間も、死ななくなった。
それの何が問題なの? 良いことじゃん?
そう思った人、あなたは甘い。
死ななくなっただけなんだよ。
老化はするんだよね。
……で、老衰もあるのよ。
ハッキリ言おう。
身体の方は、死ぬのよ。
だけど……魂が肉体から離れないんだな。
この現象を表現する場合、ピッタリなのはこれだろう。
病院で「おじいちゃんが心停止して脳波も停まり、死亡確認された」としよう。
今の世の中、それでもそのおじいちゃんは活動するんだな。
で、そのまま腐っていく。
意識があるまんま。
防腐剤を使えって言う人いるかもしれないけどさ。
内臓の問題あるからね。
事実上、止められないんだよな。
一回、思い切って身体を切り開きまくって、身体中に防腐剤を入れた人がいたんだけど。
その人、手術が終わった後、正気じゃ無くなっててさ。
意味不明の呻き声しか上げられなくなってた。
……麻酔薬効かない状態で、それに耐えて頑張ったはずなんだけどな。
そう。薬が効かなくなるんだよね。
身体が死亡してしまうと。
そのくせ、痛覚だけは残ってる。
火葬なんて恐ろしくて出来ないよ。
燃え残った骨に意識が残ってるかもしれないし。
それ以前に、焼かれる苦痛に耐えないといけない。
この世は地獄だ。
消えたい……!
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