第13話

 今日、とある生徒たちが名前の画数が多いだ何だ、と語っていた様だった。

 まだほんの十数年しか生きていない未来ある彼らもまた、大人になるにつれ名前というものの捉え方を変化させていくことだろう。

 俺のような解決策を得るかも知れず、そのままの名前を受け入れる出来事に出くわすかも知れず・・・。

 俺はそんなことを考えながら、ウェブ上の無料姓名判断のページを延々と眺めている。

「また眺めてる。いい加減、いい名前見つかった?」

 と大きなお腹をさすりながら、万葉が笑っている。

「待ってて。これ以上ないという程の素敵な名前を考えるからね。」


 たくさんの候補が書かれたノートを見せつつ、俺は心から幸せを感じながら笑った。

        <終>

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鷲森。 諏訪 剱 @Tsurugi-SUWA

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