第251話 いざ!神造ダンジョン!なわんちゃん
ルキから教えられた神造ダンジョン、その名も『悪鬼』。
ここは名の如く鬼の様な魔物が出てくる場所で、階層は少なくとも50層はあるとの事だ。
「ごぶ。我達ゴブリンも『子鬼』と呼ばれることがあるごぶ。つまりゴブリンも出て来るごぶ?」
「残念ながら出て来るらしい」
そう、
「しかしあれだな・・・なんていうか、うん」
「ごぶ。やばいダンジョンには見えないごぶ」
そんな『悪鬼』ダンジョンだったが、ダンジョン前にはなんと・・・宿屋や道具屋等のお店が立ち並び、ちょっとした村みたいな感じになっていた。
普通ダンジョン前にこんな店が並んでいたら、ダンジョンから出て来る奴らに荒らされそうなものだが・・・
「ごぶ?」
「ん?」
「ごぶ。あれ見るごぶ」
「あれ?・・・なぇっ!?なんじゃありゃぁぁ!?」
とか思っていると、その答えとなるモノを見てしまった。
俺はそのあまりの光景に、何と言っていいか解らず見送る事しか出来なかったのだが、
「許可されてるのか・・・。そしてその店に買い物しに来るのか・・・」
「そうだぜぃ!偶にああいうメイド服着た魔物が来てな、買い物していくんでぃ!」
どうもここのダンジョンを管理している奴はダンジョン前に出ている店に許可を出しているらしく、それらの店はそのお陰で魔物に荒らされないらしい。
そして偶にそれらの店にダンジョンから管理人の使いがやって来て買い物をしていくそうな。
因みに・・・
「何でムキムキマッチョのオーガ、しかも男のやつがメイド服・・・」
俺が衝撃を受けた光景、『ムキムキマッチョのオーガ♂がフリフリメイド服を来て買い物をしていた』については、『さぁ?主の趣味じゃねぇか?』との事だった。・・・趣味だったら恐ろしすぎなんだが?
そんなこんなで初っ端から行くのを止めようかと思ってしまった訳だが、俺達はちゃんとダンジョンへと入る事にした。あ、ダンジョンへ潜る事については店の人曰く『問題ないらしぃぜぃ?寧ろ、攻略出来たら褒めてやるって言ってたって誰かが聞いたらしぃぜぃ?』との事なので、ダンジョン前の人達に気兼ねなくやって良さそうだ。
「ってことで、ま、行きますか」
「ごぶ」
疑問等もスッキリした所で俺達はダンジョンの入口へと入り、奥へと歩き始めた。
こうしてダンジョンの最高峰と言われる神造ダンジョンの探索が始まったのだが・・・
・
・
・
「普通だな?」
「ごぶ」
進み始めて早半日、5層まで潜った俺達だったが、あまりの普通さに毒気を抜かれた様になっていた。
「神造ダンジョンってすごい仰々しい言われ方をしてるから、のっけからドラゴン級の敵とか即死トラップが出てくると思ってたけど・・・」
「ごぶごぶ。敵は普通で罠は未だないごぶ」
「な」
こんなに普通普通と言ってがっかりしているのは、恐らく上記の様に期待していた分落差が激しかったからだろう。
しかしダンジョンとしては今のこれがスタンダートなので、攻めると言うのはお門違いかもしれない。
「まぁ、それならそれで普通に探索していくか。というか、レベルアップ目的ならこっちの方が助かるからいいか」
「ごぶ」
なので気持ちを切り替え、俺達は普通に探索を進めていく事にした。
といっても、今いる5層くらいだと敵が・・・
名前:
種族:プチエヴィル
年齢:-
レベル:5
str:126
vit:113
agi:107
dex:59
int:43
luk:15
スキル:暗視 切り裂き 不快な音
ユニークスキル:
称号:
こんな感じだったりする。
あ、因みにこれより弱い魔物となるとゴブリンが思い浮かぶだろうが、それは初っ端の1層で出て来ていた。・・・まぁ、ごぶ助がさっくりと狩っていたが。
どうもダンジョン産ゴブリンなので、一かけらも気にならなかったらしい。
と、ゴブリン話は置いて置き、ここで俺達の現在のステータスも紹介しておこう。
名前:一狼
種族:人面犬
年齢:1
レベル:28(10↑)
str:1476(190↑)
vit:1282(180↑)
agi:1620(220↑)
dex:1818(380↑)
int:2082(410↑)
luk:1018(120↑)
スキル:雄たけび 咬みつき ひっかき 鑑定 氷魔法 念話 守護の壁 火魔法 集中 調理 統率 教練 黒風 魔導の心得 索敵 隠蔽 シェイプシフト 話術 騎乗(被) 色香 合魔 ぺろぺろ
ユニークスキル:ワンチャン 神つっこみ レモンの入れもん
称号:元最弱犬 転生者 ダンジョン1階層突破 特殊進化体 群れの長 軟派者・改 スケベーヌ
俺のステータスはこんな感じだ。最近ルキについて村々へと救援に回っていたりもしたので、レベルは結構上がっていた。
新しくゲットしたスキルや称号については・・・まぁ説明はいらないだろう。というかしない。したくない。
なのでごぶ助の方をさっさと紹介するとしよう。
名前:ごぶ助
種族:ゴブリンオリジン・覇種
年齢:4
レベル:22(2↑)
str:1759(120↑)
vit:1397(96↑)
agi:1474(96↑)
dex:1310(76↑)
int:983(60↑)
luk:1147(72↑)
スキル:パワーアタック 覇王剣術 アイテムボックス 一点集中 調合 武具同調 チャネリング 察知 精霊術 オーラブレード 騎乗
ユニークスキル:覇王
称号:ダンジョン1階層突破 特殊進化体 世界樹の同調者 迷宮『ポンコ』の守護者 覇王(仮)
ごぶ助の方はダンジョンで防衛についていてもらっていた事もあり、あまりレベルは上がっていなかった。なので今回のダンジョン探索でガッツリと上げたい所だ。
と、以上が俺達のステータス情報なのだが、見てもらったら解る様に、出てくる敵と全く釣り合っていない。
「ごぶ助、手ごろな敵が出てくるところまでさっさと進もう」
「ごぶ」
なので俺はごぶ助に声を掛け、さっさと下の階層へと降りていく事にした。
・
・
・
それから6日程経ち、俺達は21層まで潜っていた。
この辺りまで来ると少しだけ歯ごたえが出てきたので、俺は以前の反省を生かしてごぶ助へは念話で話をしていた。
【横に抜けるぞごぶ助!】
【ごぶ!】
名前:
種族:鉄鬼
年齢:-
レベル:21
str:1105
vit:1264
agi:1003
dex:771
int:295
luk:103
スキル:腕力強化・小 硬化 格闘術 鉄拳
ユニークスキル:
称号:
まぁ、まだまだステータス的には余裕があったので・・・
「グガ・・・ッ!」
すり抜け様にごぶ助が攻撃をすると、名前からするに硬さに自信がありそうな敵でも一刀両断だったが。
「「「グガッ!グガァァァッ!」」」
しかしコイツは群れで出てきたので1体倒しても気は抜けない。
【このままこいつらの間をすり抜けていくから、切っていってくれ!】
【ごぶ!】
「ごぶぶぶぶぶぶぶ!ごぶぅっ!」
俺達はそのまま止まる事無く動き続け、鉄鬼を切り捨てていく。
そうして1分もすると、その場には俺達以外に動くモノは無くなっていたので、俺は一応残心を決めてからふぅっと息を吐き体の力を抜いた。
「ふぅ・・・さっくりやれてよかったわ。ナイスごぶ助、流石だな」
「ごぶごぶ。我に切れぬ物は・・・ちょっとだけしかないごぶ」
「こんにゃくか?いや、まぁそれはいいや。今日はそろそろ終わりにしとこうぜ」
「ごぶ。解ったごぶ」
21層まで降りてきたが、降りて来た時点で大分時間が経っていたので、俺は一旦帰る事を提案した。
ごぶ助もそれはすんなりと受け入れてくれたので、俺達は一旦そこで帰る事にする。
そして翌日、21層から22層へと降りたのだが・・・そこではこれまた衝撃的な光景が広がっていた。
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作者より:読んでいただきありがとうございます。
「面白い」「続きが気になる」「ムキムキマッチョの変態だ?」等思ったら☆で高評価や♡で応援してください。
☆や♡をもらえると ニコパパが メイド服を着てくれます。
こちらも連載中です。↓『悪役令嬢は嫌なので、魔王になろうと思います。』
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