第212話 狩りと捕獲を頑張るわんちゃん

『グラスランドドライアドを一緒に倒す』、これを目標にした俺達は計画を練り、レベルアップにいそしんでいた。


「そっち行ったぞっ!逃がすんじゃねぇぞ!?」


「解ってるよ!ごぶ助!」


「ごぶっ!」


 レベルアップの為の狩りは、相変わらず強敵ひしめく『充足』エリアにて行っているのだが・・・正直滅茶苦茶楽だった。

 それというのも・・・


「ナイス足止め・・・だらぁっ!」


「キュゴォォォ!?」


「おし、足潰せたぞ。トドメはオメェらが刺しとけや」


「ああ、サンキューマサシ」


「ごぶ。チャーリーもありがとごぶ」


 俺達より強いマサシ&チャーリーのおかげだろう。

 彼らと協力して戦っているお陰で獲物を弱らすのが大分楽になったし、戦っている最中に他の敵の気配を感じても逃げなくて済む。

 それに一番大きいのが、わざわざ1体の敵を狙わなくてもいい事だろう。


「ん・・・?向こうの方に3体くらいの反応があるな」


「ぉおん?なら次はそいつらやるか」


「大丈夫なのか?」


「ぁ?誰に言ってだ?ヨユーだっつーの」


「ガァッ!」


「ま、つっても3匹同時だとめんどいから、攻撃はオメェ等にまかすがよ。これまで通り俺らが引き受けてる間に潰してってくれや」


「了解だ」


「ごぶ。まかせるごぶ」


 俺とごぶ助だけだった時は、同格2体以上になって来ると『危ういかも』と感じていたので1体の敵ばかりを狙っていた。

 しかしマサシ達がタンク役・・・敵の注意を引き付けておいてくれるので、その間に俺達が1匹ずつ潰していくという戦法が取れる様になった事で多数の敵と戦う事が可能になったのだ。


「しかしチームでやるとやっぱりつえぇな。やっぱ戦いは数揃えた方が有利だな」


「ガァ!ガァガガゥ」


「ぉん?解ってんよ。最強のチームは俺とチャーリーだって事はよ。けどもっと人数いりゃつえぇだろって事よ?」


「ガァ」


 そして俺達と組むことはマサシ&チャーリーにも恩恵があった様だった。

 彼らは元から複数体の敵と戦う事もしていたそうだが、それをするとどうしても気力体力共に消耗が大きかったので、2人で戦っていた時は割と休憩が多かったらしい。

 だが俺達と共闘する事により負担が大分軽減し、かなり連続で戦う事になっても疲れる事があまりなくなって心身共にかなり楽になったみたいだ。


(何となくで誘ってみたけど、俺達にとってもマサシ達にとっても正解だったな。急に仲良くなろうなんて考えが浮かんだあの時の俺、グッジョブ!)


 ふと、これも隠れた神スキル『ワンチャン』のお陰かと考えがよぎったが、出来る事ならばこのままワンチャンマサシ達を仲間にしてほしい所である。

 だがしかし、願うだけではその結果を呼び寄せる事は難しい筈なので精一杯動いた方が良いだろう。

 差し当たっては『敵を着実に倒し、レベルアップを重ねていく』、これを頑張るべきだ。

 なので・・・


「マサシ、チャーリー、もうすぐ見えて来るぞ。気をつけてくれ」


「ぁ?誰に言ってんよ?もうすでにロックオンしてるっつーの。なぁチャーリー?」


「ガァガァッ!」


「クハハハハッ!だな!おっしゃっ!突っ込むぞチャーリー!」


「グガァッ!ガァァァアアッ!!」


「うしっ!俺達も行くぞごぶ助っ!」


「ごぶっ!」


 俺達はこの日も日が暮れるまで狩りを続け、着実にレベルアップを重ねていった。


 ・

 ・

 ・


 こうして着々とレベルアップ作業を続けていたわけだが、俺はもう1つ並行して続けている作業があった。


「ポンコ、現在はどんな感じだ?」


【はイ。現在はそうでスネ・・・まだスカスカといった所ですネ】


 ポンコに問いかけている事でお気づきかと思うが、それはダンジョン作りだ。

 この前も手を入れたのだが、まだまだ改良中なのである。


 と言ってもだ、別に罠や階層なんかを作っている訳ではなく・・・


【ですのデ、もう少し捕獲してくれルと助かりマス】


「それは解ってるんだが・・・レベルアップ作業の兼ね合いもあるし、難しいんだよ・・・」


 俺が今行っているのは、ズバリ!ダンジョンを防衛する為の魔物の捕獲だ。


【一旦どちらカに絞ってハ?因みにポンコのお勧めは、階層を完成させる事デス】


「まぁお前はそうだろうよ。階層まで追加したしな」


【はイ】


『何故捕獲魔物を捕獲しているのか』だが、それは少し前に追加した階層、あそこに魔物を放つためだ。まぁあれだ・・・俺のレモン空間ダンジョンに作った『ダンジョン牧場』、あんな感じで外から魔物を引っ張ってこようという訳だ。

 これは全く持って二番煎じの策だが、中々に良い策だと思っている。何故なら、強力な魔物を配置しようと思うと、どうしても龍脈のリソースの関係で時間がかかってしまうからだ。


(今は敵対しそうな者があんまりいないからのんびりしててもいいんだけどさ・・・でも・・・)


 現在ポンコダンジョンの入口が設置されている『活性中』エリアは敵となる者が居ない為そこまで焦る必要はない。しかしだ、不運はいつ何時降りかかって来るかは解らないので、備えておくに越した事は無いのかもしれない。


「まぁ・・・一緒に狩りしてるやつにちょっと相談してみるわ」


【はイ。お願いしマス】


 俺はマサシが許してくれるのならば、比率を若干ダンジョン完成に寄せていいかもしれないと考え、取りあえずポンコへの返事は保留にしておいた。

 まぁ駄目なら駄目でもぼちぼちは進んで行くので、グラスランドドライアドと戦う位には完成しているであろう。


「んじゃま、そういう事で。また来るわ」


【はイ。さようなラ】


 捕獲作業は朝~夕方にかけて行っているが、ポンコとの報告は夜に行っていた。

 その為ポンコとの確認作業が終わると、俺はネグラとしているレモン空間へと帰る事にした。


「ただいまー」


「ごぶ?おかえりごぶ」


「お帰り一狼。もう寝る?」


「そうだな・・・明日も早いし、寝るか」


「うん」


「ごぶ。我も寝るごぶ」


「うん。寝よ」


 レモン空間内にある家へと帰ると、明日もマサシ達とのレベルアップ作業が待っているので寝る事にした俺は、エペシュやごぶ助とベッドに入り寝る事にした。



 そうしてマサシ達とグラスランドドライアド討伐に向けてのレベルアップ作業、そしてポンコダンジョンの防護を固めるための作業を並行して行い、俺達は日々を忙しく過ごしていき・・・



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 作者より:読んでいただきありがとうございます。今回短めでもうしわけありません!

「面白い」「続きが気になる」「いいPTメンバー見つけたな!」等思ったら☆で高評価や♡で応援してください。

 ☆や♡をもらえると マサシが 殴りヒーラーになります。


 こちらも連載中です。↓『悪役令嬢は嫌なので、魔王になろうと思います。』

 https://kakuyomu.jp/works/16816927860702355532

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