第185話 ゲイザーだっていいものだ・下 ≪マルオ視点≫
なんて始めたダンジョンの攻略だが、まぁ余裕だった。なんせ『敵が出る→ユニークスキルを発動→配下にボコらす→終了』だから。
そうやって最初の四足獣のダンジョンを攻略し、似た様なダンジョンを1つ、虫系ダンジョンを1つと攻略した後、連れて来た配下にダンジョンの捜索をさせている時だった。
「お、どうだった・・・って随分数がへったなぁ、おいィ?」
配下達が戻ったのだが、念の為大多数のドールやパペットを向かわせたのに帰って来たのは数体だけだったのだ。なので何があったのかを聞いてみると、どうやら見つけたダンジョンにドール達とよく似た魔物のゴーレムが出て来たらしい。
「あらま・・・お前達と相性微妙だなそりゃ。中の様子もあんまり見れなかって言うし・・・うーん・・・」
俺は受けた被害や敵の種類等を軽く考え、最終的に『ここはパス』と結論付けた。なので残ったドールを2手に分け、一方を周囲のダンジョン捜索に、一方を自分のダンジョンへと戻り戦力補充へと振り分けた。因みに俺は戦力補充組である。
「補充に行かせたら他勢力に狩られて援軍来ずじゃわろえんしな。って事でお前ら!ちゃんとダンジョン探しておけよ!」
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その後、スーパー賢者タイムが解けかかっていたので『帰って来たんだからちょっとエリカと・・・』なんて邪念が沸いたが、俺はヤりたいし出来させる子!・・・じゃなくやれば出来る子!邪念を断ち切り再びゴーレムダンジョン周辺へと戻って来た。
「さて捜索に出させたアイツらはっと・・・いたいた」
周囲を捜索させていたドール達も帰っていたので、俺はそいつらから結果の報告を受け取る。すると新たに鳥が出るダンジョンを見つけたと言うではないか。
「おー、ナイスナイス。よくやった」
俺はダンジョンを捜索していた奴らを褒めた。何故か?それは鳥系の敵は俺と・・・いや、俺のユニークスキルと相性がいいからだ。
「アイツら弱いとユニークスキルかけただけで勝手に墜落して死んでくれるからな。超楽なんよね」
俺はホクホクしながら早速そこへと案内をさせ、ダンジョンの攻略を開始させる。するとまぁ予想通り超絶イージーモードではあったのだが・・・
「んん?」
なにやら4層から敵の数が激減した。1~3層もそこまでだったが、4層は更に敵が少なくなったのだ。最初は設定が悪いダンジョンなのか?なんて思ったのだが・・・俺はある可能性に気付いてしまった。
「あ、まさか先客か?」
それは今までも数回同じような事があったので、十分あり得る可能性だったのだ。
「一応気をつけなきゃな~」
だがそれが解ったところでそこまで影響はない。
なんてったって・・・俺には強力無比なユニークスキルがあるからだ!
「同じくらいの強さなら確実に殺せるし、強すぎる敵でも逃げ出す事は容易だしな。マジ卍、余裕っすわ」
万が一相手が目にも止まらぬ速さでこちらを殺しにかかったならば不味いが、流石にそんな強者がこんな場所にいる筈はないし、更に自分の種族特性か視力は吃驚するほど良いので大丈夫だろうと俺はタカをくくる。
それにだ、実は俺には再生スキルなんてものもあったりするので、即死でない限り勝ち確になるのだ。
「即死回避のスキルとか無いモノかな?」
掛けたら勝ちの最強ユニークスキル・再生・即死回避、最強すぎる俺のジャスティス3種の神器じゃん?なんて妄想をしつつ俺はダンジョンを進む。
「4層終了っとー、次は5層かー」
俺達は疲れ知らずのドールやパペットで軍団が構成されているので、進行速度は吃驚するほど早くなっている。・・・俺も担いでもらっているし。
なので俺が妄想なんかしていてボーっとしていても、スキルをホイホイと適当に使うだけでドンドンと進んで行くのだ。
だから気が付いたら4層に続き5層も終わりに近づいていた。
「今までの経験則からいくと強めの敵が出るんだよねー。ま、楽勝だろうけど」
何度かのダンジョンハンティングで大体5や10が付く階層では強敵が出て来たのでそう考えたのだが、この相性ヨシの鳥系ダンジョンでは勝負にならないだろう。
実際問題・・・
「うん、楽勝すぎてわろりん」
敵は多数の雑魚を指揮する魔物の様だったが、俺の一睨みで終了。多少集まって来た増援共々ユニークスキルの餌食となった。
「あぁ~つれぇわ・・・俺強すぎてつれぇわ・・・まじ敗北が知りたいわー」
余りの余裕差に俺はそうぼやきながらチラチラと仲間を見るのだが・・・いかんせんこいつらはエリカ以上に反応がないのですぐそれは止めた。・・・まぁ解っていたのだが。
「けどいいたくなるじゃんね・・・っと、遊んでないでサッサと行くか。そろそろエリカたんで遊びたくなってきたわ・・・」
ここを攻略したらまた少し休憩期間に入るかなーなんて思いつつ俺達は6層へと進み、それまでと同じように敵をユニークスキルで蹴散らしながら進む。
するとだ・・・暫く進んだ後、俺は自分の考えが正しかったと自分を褒めたくなった。
『ガヤガヤ・・・ザワザワ・・・』
先客の姿を見つけたのだ。
「ん?あぁ、通りで・・・」
俺は近づきつつ何時もの如くユニークスキルを発動させて先客共の動きを止め、そいつらを観察しながら声を掛ける。
「随分敵が少ないと思ったら先客かぁ~。ま、楽だったし追いついたからいいんだけどねぇ~」
先客さんは目だけは動いた様で、それををキョロキョロと動かしていたのだが何かするつもりだったのだろうか?
(それは無理だと思うけどねぇ~)
「おいっすおまいらー、オラマルオ、ヨロシクナッ!っつっても、別によろしくしてくれなくてもいいんだけどさ」
頑張ったで賞のつもりで挨拶をしながら近づく。そして近づきながら更にそいつらの事を観察したのだが、先客さんはどうやらゴブリンとウルフの混成部隊の様だった。
「しかしゴブリンとウルフがよくこんなところまでこれたなー・・・って、おぉ?」
良くありがちな組み合わせだが、こんな所までその組み合わせでよく来れたなと、労いの言葉を掛けようとした、その時だった。
「え・・・え・・・え・・・」
一際大きいウルフに目が行っていて気づかなかったが、そのウルフの上になんと・・・
「エロフキタコレエエエエエエエエ!」
エロフ・・・いや、エルフが居たのだ!
俺は狂喜乱舞しかけてしまう。が、まてまて!まだ慌てる時間じゃないと自分を落ち着かせる。
そして俺はそのエロフに向かって自身の持つスキル『女体鑑定』を発動させた。
「っしゃぁぁぁああ!しかも新品でまっさら!俺様大勝利!」
結果、俺の持つ神スキル(自称)にはそのエロフちゃんのアレコレが映し出されたのだが大勝利であった。誰の手垢も付いていない無垢なパーフェクトエロフ(予定)だったのだ。
俺は喜びのあまりその子へと触手を巻き付けてウルフの上からエルフの一本釣りをし、その後釣れた獲物を軽く触りながら確認した。
(お・・お・・・おほぉーーーっ!い・・・いや落ち着くんだ紳士マルオ、こんな所で公開プレイは紳士の名が廃ってしまう!それにだ、どうせなら軽く調整をした後に頂いた方が美味しいだろ
「っし!っし!そうとなればこんな所に潜ってる場合じゃねぇわ!帰るぞ!チョッパヤで帰るぞおおおおお!!」
本来の目的はダンジョンハンティングである。しかし、しかしだ!エロフなんか見つけちゃった日にはダンジョンハンティングからガールズハンティングに目的が変わってしまっても仕方ないのではないか?
猛る心からの叫びに俺の触手の先にある口から『仕方ない仕方ない』とも聞こえているので、俺は『そう、仕方ない』と自己弁護を終了させドール達を煽り全速力で自分のダンジョンへと急がせた。
因みにだ、途中エロフたんへ掛けたユニークスキルを維持するのがきつくなってきたので通常スキル『睡眠触手』『麻痺触手』で行動不能にさせた時体をまさぐったのだが、その時触手の先から汁が出てしまったのは秘密である。
「やっべ・・・ダンジョン帰ったら取りあえずエリカたんと1戦交えなきゃエロフたん壊しちゃいそう・・・。っふ・・・俺ってばビーストだわ」
色々な事を妄想しつつ『ぐふふ・・・』と笑っていると、漸くこの鳥系ダンジョンの出口が見えて来た。
「いやぁ・・・最初はゲイザーみたいな魔物に転生して『ないわー』なんて思ってたけど、順風満帆の今なら言えるな・・・ゲイザーだっていいもんだよな。なんせこの唸る触手、意外に良い動きが出来るんだよな」
触手をウネウネさせつつ、『後でエロフたんにこの触手の良さを教えてあげよう』なんて考えてながらダンジョンの外へと出たのだが・・・
「ギャッ!マブッスィィィ!!!」
外へ出た瞬間、もの凄い眩さに俺は叫んでしまった。
「な・・・なんじゃこりゃぁぁぁあああ!!!ちょ!マジ一旦ストップぅ!」
俺は種族の関係上視力がとても良い。つまり強い光などにとても弱いのだ。
なのでいきなり受けた強い光にパニックを起こしドール達にストップを掛けたのだが・・・
『ドーーーーン!』
急ストップをかけただけとは思えない様な衝撃が俺を襲い、俺の体は・・・
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作者より:読んでいただきありがとうございます。
「面白い」「続きが気になる」「マルオ、敗北を知りたいお年頃」等思ったら☆で高評価や♡で応援してください。
☆や♡をもらえると 一狼が 敗北をお届けします。
こちらも連載中です。↓『悪役令嬢は嫌なので、魔王になろうと思います。』
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