第184話 ゲイザーだっていいものだ・上 ≪マルオ視点≫

 ≪マルオ視点≫


 オッスオラマルオ!オラはある時仕事に行こうとして電車にのったんだけどよぉ・・・いやぁ~てぇへんな事がおきちまったんだぁ!なんと電車が事故っちまったんだぁ・・・まいったゾォ。

 だけどよ、それだけじゃオラは終わらねぇ。なんてったって神様がついってっからな!

 てなわけでよ、オラは生まれ変わったんだ!


 ・・・


「ってまぁ軽い感じに自己紹介してみたんだけどさ、大体本当の事なんだよね~これって」


 妙な犬達が攻めて来た日から数日たったある日、俺は自分の住処であるダンジョンのコアルーム、そこに隣接する様に作った自室のベッドの上で呟いていた。


「本当に普通の一日だったんだよね。朝起きて、準備して、電車に乗って・・・って感じで、ほーんと前兆とか一切ないのね」


 俺は呟きながら俺に寄り添っているモノの体を触手で触りながら話し続ける。


「んで前にも話したと思うんだけど色々あった後にこの世界へ転生してさ、特典なのか何なのか知らないけど貰ったこのダンジョンを1から大きくしてさ・・・いやぁ~本当に最初はコアルームとボス部屋、いや守護者の間か、その2部屋だけだったから苦労したわぁ」


 向こうからも俺の体を触って来たので気分が良くなり、俺は続ける。


「そこら辺の雑魚を狩ったりさ、使い方も解らないダンジョンコアっつーの?あれも自己流で色々やったりさ、本当に大変だったわ・・・。だからお前らを作るきっかけになったを拾ったのは本当に運が良かったね、うんうん」


 今までは絶賛賢者タイムという感じであったが触り触られた事によりリビドーが回復して来たので、お喋りはそのままに寄り添うモノへの御触りの質を少し変化させ楽しむ。


「ぐふふ・・・それからはまぁ順風満帆って感じだよね~、実験を繰り返してドンドン戦力もアップしていってさ。お前も最初のデッサン人形状態から可愛く出来たし・・・あぁ~まじ最高俺のエリカたん・・・」


 俺は寄り添うモノ、俺の最高傑作であるキメラドールのエリカの体を隅々まで撫で触る。


「・・・」


 しかしエリカは特に何の反応も示さず成すがまま。だが彼女が予め言っておかなければ何もしないのは既知だったので、俺は特に不満を表す事なく続ける。


「凝ったかいあってエリカたんのボディー最高過ぎだろ常識的に考えて!・・・けど今の状況は微妙だな常識的に考えて・・・」


 溢れ出してきていたリビドーのままに触手をエリカの体に這わせていたのだが、自分で言った言葉にテンションが少し下がってしまい触手の動きが鈍ってしまった。

 だがそれは仕方がない事だと思う。なんせ・・・


「変な所にダンジョン移動させちゃったから動けないんだよなぁ・・・。誰だよ『俺はダンジョン毎瞬間移動が出来るっ!(キリッ』とか言ってダンジョン移動させた奴・・・って俺だったわばっかちーん!」


 自分の最近の黒歴史を思い出したからだ。


「くわぁ~~!アホな事さえしなけりゃ・・・あそこ常春の楽園みたいな感じで最高だったのにぃ~!チキショーゥメーィ!OPプルンプルーン!」


 俺は自分の失敗を悔やみながら叫び、ついでにエリカのOPをプルンプルンさせてみた。最高デシタ。

 と、全てを包み込んでくれる聖なるOPにより少し落ち着いたので、聞いてはいないだろうが一方的に話を聞かされている聖なるOPを持つセイジョへと語りを再開させる。


「まぁいいんだけどさぁ~・・・これを機に色々旅すりゃいいってことで。何かあっても俺の『射すくめる眼光』でなんとかなるだろうしな。魔力の動きまで止めるとか強すぎだろJK。まぁ弱点も多いけどさ・・・」


 俺が転生した時にもらったユニークスキル『射すくめる眼光』は、使われた対象の体の動きどころか魔力の動きまで止め敵を行動不能にするスキルだ。

 これだけ聞くと無敵のスキルじゃないかと思うだろうが、弱点・・・というか不便な点もある。

 1つは動きは止められるが、それだけである。・・・つまり、行動不能には出来るが自分より強者、それも傷もつけれない様な強者には動きを止める事くらいしか出来ない。一応その間に口や鼻を塞いで殺すという事も出来なくはないかも知れないが、大体その位の強者になって来るとそれ位ではすんなり死なないのである。


「無呼吸でも半日、飲まず食わずとかでも数週間は余裕って話だしな。流石にそうなるとスキルが切れて殺されるわ・・・」


 2つ目の弱点は使用時間だ。永遠と使えたのならマジでチート過ぎるから当たり前ではあるんだろうけどな。


「使い過ぎるとドライアイ状態になるだとか、下手すりゃ一時的に目が見え無くなるだとかきっついわぁ・・・なぁエリカたん?お前のドスケベボディーが見えないってのはきっついわ。・・・まぁ触ればいいんですけどフヒヒ!サーセン!」


「・・・」


『真面目な事を言っていたのに何いきなり発情しているんです?』と、決してエリカはそんなこと言っていないが言われた気になったので、俺は話を打ち切り、お仕置きとしてエリカへと触手攻撃を開始した。


「お~しおきだっぺ~!グフフ・・・今夜は寝かさないぜ!」


 ・

 ・

 ・


 それから数日は経っただろうか?スーパー賢者に転職した俺は久しぶりに外出でもしようかと思い立った。


「最近ちょっとサボり気味だったけど、ちょっくらダンジョンハンティングでもしてくるわ。留守番宜しくエリカたん」


「はい」


「こういう時は反応してくれるのに、何でスーパーヌチョラブタイムの時は無言なん?ねぇ?なんで?」


「・・・」


「っく・・・私負けない!次は絶対ヒィヒィ言わせてやるんだからねっ!・・・っとまぁいってきマッスル」


 エリカへ留守番を頼み、別れ際に楽しいやり取り?を終えた俺は手勢を連れてダンジョンの外へと向かう。ダンジョンハンティングだ。

 ダンジョンハンティングとは何ぞや?だって?それはダンジョンのコア、ダンジョンの核を刈り取る行為だ。これをする事によって自分のダンジョンを強くするのだ。


「これを続けることによっていつかは再びダンジョン移動もできるって事だしがんばるぞいっと。『タマコ』曰くもう少しらしいしね~」


 俺のダンジョンのコアである『タマコ』情報ではそうらしいので、俺はここへ飛ばされてからいそいそとダンジョンハンティングにいそしんでいた。

 だがいそしみすぎているお陰で直ぐに周辺のダンジョンが消えてしまう。その為結構遠征が必要になってしまうのだ。・・・まぁ移動は疲れ知らずのドール達に運んでもらうので苦はないが。


「暇だけどな・・・って1個見つけたか」


 そうこうしている内・・・といっても大分時間は経ったがダンジョンを見つけたらしいので、俺は連れて来たドール達の数体を残して他のモノへと先行して様子を見て来るように指示をする。

 そうして暫くした後先行隊が戻ったので報告を聞くと、どうやらそのダンジョンは兎や猫何かがいたらしい。


「ふむ・・・4足獣なんかが主にいるダンジョンかね?やりやすそうなタイプだな」


 これまでの経験で行くとこのダンジョンに出る敵は比較的相手がしやすいので、ラッキーと思いながら俺はそのダンジョンへと突入する事を決意した。



「っしゃ!いくぞやろうどもっ!ダンジョンハンティングの王に、俺はなるっ!」



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 作者より:読んでいただきありがとうございます。

「面白い」「続きが気になる」「マルオ、意外と主人公でもいける説」等思ったら☆で高評価や♡で応援してください。

 ☆や♡をもらえると エリカが ツンデレ系ヒロインになります。


 こちらも連載中です。↓『悪役令嬢は嫌なので、魔王になろうと思います。』

 https://kakuyomu.jp/works/16816927860702355532

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