第129話 リフレッシュするわんちゃん
「お・・・お姉ちゃん僕もう我慢が!!・・・っは!?夢か!?」
何か凄い色っぽいお姉さんとイケない事をしようとしていたのだが・・・どうやら夢だったらしい。
周りを見ても俺だけしかいなかったので、色々夢だったのだろうそうだろう。そうであってくれだろう。
「ご飯でも食うか・・・」
森のあちこちから聞こえて来る声からするに何時もより寝過ぎていた様だが、取りあえずご飯でも食べるかと食事場へと歩いて行った。
食事場へとつくと、竈でごぶ蔵が料理をしていたので話しかけた。
「ごぶ蔵、何か美味しそうなのくれ~。量多めで~」
「ごぶ?おはようごぶ。ちょっと待つごぶ」
「あいよ~」
既に食事をしている者は誰も居なかったので、ごぶ蔵の料理は直ぐに出て来た。
「お待たせごぶ。『フレッシュ肉のソテー』大盛ごぶ」
「おう。・・・おう?」
「ごぶ?」
「なぁ・・・それって何の肉を使ったんだ?」
「昨日の奴ごぶ」
「そうか・・・」
昨日の奴という事は、これの材料はフレッシュゴーレムという事だろう。・・・あいつの肉かぁ。
俺はなんとなく食指が動かなかった。だって・・・ゴーレムの肉ですよ?それってどうなんです?
そんな風に考えていると、ごぶ蔵がこんな情報を教えてくれた。
「皆美味しい美味しいって言ってたゴブ。人気商品ごぶ」
「そうなんだ・・・」
「ごぶ。エペシュ様も長老も言ってたごぶ。ニア様も『ごぶ蔵の調理した物なら美味しい筈なのじゃ』って言ってたごぶ」
「ふむ・・・」
どうやら俺が難しく考えすぎていた様で、他の皆が食べているならば気にする事もないだろう。
俺はごぶ蔵に礼を言った後、『いただきます』と挨拶をして肉に齧り付く。
「モグモグ・・・うん、美味い!」
流石ごぶ蔵といった所か、お肉はとても美味しかった。そして俺の『美味い』にごぶ蔵が親指を立ててニヤリと笑っていたが、許す!
そうして一度食べたら止まらないといった勢いでお肉を食べ続け、満足した俺はごぶ蔵に礼を言って食事場を後にした。
「うー食べた食べた・・・げぷっ。今日はのんびり攻略だ・・・もうちょっとしたら2,3時間だけダンジョン行こうっと」
食事場から適当に森の静かな所に移動した俺は寝転がり、お腹の具合が落ち着くまでのんびりする事にした。
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昨日ダンジョンから帰って来た時に疲れていると自覚したので、俺は今日のダンジョン探索は軽めにしようとしていた。
なので朝食の後、ゆったりとした後にダンジョンへ出た俺は3時間程ダンジョンを探索した後、レモン空間へと帰って来ていた。
と言ってもだ、やる事はきちっとやっていたので探索自体はソコソコの進みを見せていた。・・・と思う。
「ふぃ~、今日はもうお休みだぁ~。のんびりするぜぇ~」
「まぁ偶にはよかろう。所謂メリケンというやつなのじゃ」
「アメリカがどうしたって・・・?・・・あぁ!メリハリな!」
「うむ。それなのじゃ」
俺はレモン空間の森でぐで~んと寝転びながら、俺の傍で寝そべっているニアの間違った地球言葉に突っ込みを入れつつ、気になっていた事を相談してみる事にした。
「そういえば俺達はこのダンジョンを攻略している訳だけどさ、このダンジョンにいる転生者もこの間に他のダンジョン攻めてるのかね?」
「そうしている可能性はあるのじゃ。しかしじゃ・・・ここ3,4日の間に帰っていたのなら、もう出かける事は無いと思うのじゃ」
「ほう?」
俺の相談にニアはそんな答えを言ってきたので、俺は少し理由を考えてみる。
するとなんとなく解ったので、体を起こして話を続ける。
「あ、あー!確かにそうかも」
「うむ。まぁ絶対ではないし、不埒者の思考が妾達の想像以上にぶっ飛んでいたら解らんがの」
「それも否定できないな」
ニアの考えは『遊びの1~4を超えて、通したくない5階層以降に妾達が進んでいるから転生者は迷宮内にて待機している筈』だろうが、もう1つ『あの卑猥な不埒者は狂人なのでそんなの関係なしに自分の欲望を満たしに外へ出ている』という可能性もあると言った。
俺も普通なら前者を押すが、ここの転生者はイカレタ変態だ・・・俺も後者が無いとは言い切れなかった。
「まぁでも、何処か言っていたならそいつをスルーしてダンジョンコア奪取できるし・・・それはそれでいいか」
「しかし自分の拠点を潰されたら、流石に潰した者を狙ってくるのじゃ。つまり、どっちにしろ戦うはずなのじゃ」
「あー」
「しかもじゃ、外だと不意をつかれるかもしれんのじゃ。それにさっさと不埒者を仕留めんと、妾達が安心して姿を現せんのじゃ」
「あー!」
まぁニアは最強と言っても過言ではないほどの強さなので万が一もないだろうが、エペシュは万が一が有り得る。
つまり、俺の女神を穢されないためには卑猥モンスターをヌッコローネするしかないという事か。
「ググゥ・・・エペシュたんをやらせるものか・・・絶対☆許さヌルヌル!」
「私がどうかした?」
「ひょぇ!?」
コンナハズジャナイノニィ!・・・という所で現れたエペシュに驚いてしまった。敵が居ないと解っているレモン空間内だから気を抜き過ぎていたみたいだ。
「今日はもうお休み?」
「お・・・おう。最近ちょっと根を詰め過ぎてたみたいだからな。今日はゆっくりしようと思ってたんだ」
俺がそう言うとエペシュは「そう」と言って俺にもたれかかって来た。
「んん?」
「私も休む」
どうやらエペシュも今日はのんびりする事にしたらしく、俺の毛皮をモフモフし始めた。
俺としてもエペシュとコミュニケーションをとるチャンスだったので喜び、話しかけた。
そうして俺はこの日のんびりと過ごし、寝て起きたら・・・
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「っしゃぁ!今日も一日頑張っぺ!」
やる気が滾り、24時間働けます状態になった。しかしだ、本当に24時間働いたらまたシナシナ状態になってしまうので、ほどほどにしようと思った。
「んじゃま、朝食も食べたし頑張るか」
「一狼様、ちょっと待って下さいゴブ」
「んぁ?どうしたんだ長老?」
準備も出来たし出発するか―という時、長老が声をかけて来たので俺は話をする事にしたのだが、なんと・・・
「え?まじ?そんな便利な魔法があるの?」
「はいゴブ。ですが実際迷宮で使っていませんので、保証は出来ませんゴブ」
「ふむ。でもいいや、かけてくれよその『罠を見る事が出来る魔法』とやらを」
そう、長老は俺に『罠を見る事が出来る魔法』を開発したので使います、と言ってきたのだ。
俺が罠を見つけるにはちょっと気を張っていなければならないので、本当に罠が見えるならかなり負担が軽減されるだろう。
なので俺は喜んでその魔法をかけてもらう。
「では行きますゴブ。・・・罠を見通す目『トラップディスカバー』」
「・・・コレでかかったのか?」
「はいですゴブ。罠がある場所に色が付くはずですゴブ」
「解った、ありがとうな長老!んじゃ行ってくる!」
「行ってらっしゃいませゴブ」
魔法がかかったとの事なので、俺はレモン空間から出てダンジョンに降り立つ。
そしてダンジョンの通路を見ると・・・
「おぉ!すごい!」
長老の言う通り、確かに色が変わっている場所があった。
俺はそれを確かめるために魔法で氷塊を作り、その場所に落としてみる。すると壁から矢が出て来てその氷塊に突き刺さった。
「おぉ~」
【なかなかやるのじゃあのゴブリン】
「だな!まぁまだ検証は必要だが、大分楽になりそうだ!」
まだ完全に問題が無いかは解らない為、もう少し自分でも罠を感じ取りながら進まなくてはならないが・・・これはとても探索がはかどりそうだ。
レモン空間に帰ったら長老にお礼を言わなくては。
俺はそんな事を考えながら、本日の迷宮探索を開始し始めた。
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作者より:読んでいただきありがとうございます。
「面白い」「続きが気になる」「長老が一晩でやってくれたゴブ!」等思ったら☆で高評価や♡で応援してください。
☆や♡をもらえると 長老が 絶対☆裏切りヌルヌル。
こちらも連載中です。↓『悪役令嬢は嫌なので、魔王になろうと思います。』
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