第111話 スライムダンジョンとワンチャン
「Hey Nia!ラゴウのダンジョンの入口は何処!?」
音声認識がされていなかったのかと再度問いかけてみるが・・・
「だから、忘れたのじゃ」
音声認識はされていた模様。
「すまぬのじゃ。暫くきてなかったから忘れてしまったのじゃよ」
「オーマイゴッツ・・・」
といった感じで、現在俺は頭を抱えていた。
「じゃあ地道に探すしかないのか・・・」
「龍脈を使った連絡方法はここいら一帯では使えんし、そうなるのじゃ」
「うぅ・・・いや、まてよ?」
その時、俺の灰色の脳細胞に電流が走った。
「ニア、ダンジョンコアさえあれば連絡って出来たりする?」
「うむ?まぁコアさえあれば確かにできるのじゃ」
「それならさ、簡単そうなダンジョンを攻略して、そこからラゴウに連絡を着けるってのはどうだ?」
俺の冴えた考え、それは適当に簡単そうなダンジョンへと入り、そこを攻略してダンジョンコアを頂いてしまおうと言う作戦だった。
正直ラゴウのダンジョンに着いても向こうが見つけてくれないと話せないので、思いついた作戦はナイスアイディアかもしれない。
「ほお、なるほどの。ではそうするかや?」
「おう!」
ニアのゴーサインも出たのでこの作戦を実行する事に決め、辺りの適当なダンジョンを探す事にしたのだが、簡単なダンジョンを引き当てれるか解らなかったので、俺は必殺のユニークスキルを発動させておく事にした。
「『ワンチャン』発動!」
「わんちゃん?」
「ああ、俺のユニークスキルだな」
「へぇ・・・でも何で使ったの?」
「それは・・・・」
ユニークスキルを発動させると、エペシュが何の為に使ったのかを聞いてきたので事情を詳しく説明する。
すると先程俺とニアが話していた内容と繋がったのか、「納得納得」と可愛く首を縦に振り、その次に左右に振り出した。
「ん?どうした?」
「んー・・・、あ、あそこに入口っぽいのあるよ?」
「んん?おお、本当だ」
どうやらダンジョンを探してくれていたみたいで、遠くの方にあったそれらしきものを教えてくれた。
特に拒む理由もなかったので、俺達はそのダンジョンの入口らしきものへと向かう事にした。
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「どうやらいいダンジョンに当たったっぽいな。ナイスエペシュ!」
「いぇーい」
エペシュの見つけてくれたダンジョンへと向かい早速中へと入った俺達を待っていたのは・・・
『ぷるぷる』
スライムだった。
昔ポンコのダンジョンで見たモノと相違なく、ニアに許可を取って『鑑定』を使わせてもらったが、ステータスの数値に多少の違いはあったものの何の変哲もないスライムだった。
「あんまり多くない経験だが、最初に出て来たのがこいつって事は大分弱いダンジョンだなここは」
「へぇ・・・私は初めて入るからわかんないや」
「そうなのか?まぁボスが出たとしてもオークロード程じゃない筈だから、気楽にしてても大丈夫なはずだ」
「うん」
俺の経験したダンジョンは5つほどだが、それらの経験からするとここは大分弱いダンジョンなはずだった。恐らくだが今の俺達がピンチになる事は無いだろう。
「おし、時間もあんまりかけたくないしガンガン進んでみよう」
「うん」
「がんばるのじゃ」
未だもう少し猶予はあるとはいえ早く合流するに越した事は無い、なので俺はガンガンと迷宮を進んで行った。
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1層目・・・1階層のボスはビッグスライムで、ポンコの迷宮を思い出してしまった。今となってはウルトラ雑魚だったのでワンパンで戦闘終了。サクッと1階層制覇。
追記、1階層のボス討伐証で驚いていたエペシュたんが可愛かったです まる。
2層目・・・何とビックスライムが通常モンスターとして登場する様になり、ボスはアシッドスライムという毒を持ったスライムだった!!
だが雑魚は雑魚、ビックスライムもアシッドスライムも欠伸交じりに討伐完了。3層目へと進んだ。
追記、スライムって美味しいのかなぁ?と呟いたエペシュたんが可愛かったです まる。
3層目・・・驚き桃の木山椒の木!スライムが魔法を使ってきた!
これは強敵!と思ったものの、『守護の壁』で完全に防ぎきれるほどの弱威力魔法だった。まぁステータスの差であろう。
ボスはマーブル色のスライムで、魔法を数種類使ってきた。しかしこれもステータスの差だろう、敵方の魔法は此方が使った魔法にかき消され、名も知らぬマーブル色のスライムは消滅した。・・・ナムサン。
追記、マーブル色のスライムは暇を持て余したエペシュたんが『えいって』したらボーンとなりました。可愛かったです まる。
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そんなこんなで4層目に下ったのだが・・・
「何層まであるんだろうな。10層以下であってほしいが・・・」
「実は100層とかあったりして」
「それはやめてほしいな・・・ん?」
4層目に降りると、10m程先に扉があった。
寧ろ降りて来た4層目にはそれ以外は何もないといった感じで、明らかに何かがある感じになっていた。
「ボスかも知れないな・・・」
「はやかったね」
「だな。まぁこんなダンジョンのボスは弱いだろうから、サクッといってしまうか」
進化を重ねた俺は今やそこそこの強さを持つ魔物、ちょっと調子に乗りつつ不用意に扉へと触れた。
「がはは!これは勝ったな!・・・って・・・え?」
「何か床が光ってるね?」
「あ・・・やb
ヤバイ、罠だ!と思った瞬間には視界が切り替わっており、何度か経験した事のある転移だという事に気が付いた。
『不味い!体勢を立て直さなくては!』と思うモノの視界は暗く、唯落下中とだけ体の感覚が教えて来る。
そして数秒後・・・
『ドプンッ』
そんな音が迷宮の一室に響いた。
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作者より:読んでいただきありがとうございます。
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こちらも連載中です。↓『悪役令嬢は嫌なので、魔王になろうと思います。』
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