第102話 戦場を眺めるわんちゃん

 俺がエペシュの居る戦場に着いた時、丁度進化種の1体も戦場へとついた様だった。


『ぷぎょぉぉぉおおおお!!』


(あれがオークの進化種か・・・)


 ニアに自分のステータスを見るのは禁止されていたが、敵のステータスを見る事は禁止されていなかったのでオークの進化種へと鑑定をかけてみる。



 名前:

 種族:オークチャンプ

 年齢:11

 レベル:16

 str:673

 vit:703

 agi:698

 dex:503

 int:158

 luk:177

 スキル:絶倫 腕力強化・中 連撃 雄たけび

 ユニークスキル:

 称号:



 オークの進化種・・・オークチャンプのステータスはオーク同様ゴリゴリの物理型で、単純だからこそ強い魔物だ。


 対してエペシュは・・・俺はオークチャンプの前へと出るエペシュを見つけ鑑定をかける。



 名前:エペシュ・エルダー・イーストウッド

 種族:エルフ種エルダー

 年齢:72

 レベル:51

 str:556

 vit:529

 agi:808

 dex:882

 int:1063

 luk:911

 スキル:樹魔法 風魔法 水魔法 テイム(限) フェロモン(限) 補助魔術

     回復魔術 高速詠唱 集中 多重行使 弓術 杖術 

 ユニークスキル:超感覚

 称号:世界樹の加護 優れし感覚者 慈しむ者



 エペシュのステータスはどちらかと言うと魔法型だった。といってもエルダー故か、弱い魔物よりかはよっぽど強いstrやvitを持っていた。

 オークチャンプとエペシュのステータスを見たので、次に戦場の様子を自分の目でザッと確かめ、今の所手助けもいらなさそうなので俺は隠れたまま戦場を静観することにした。


(このままなら問題ないな・・・このままなら・・・)


 ステータス上でも負けていないし、周りにいる普通のオークより少し強いステータスを持つエルフ達ともうまく連携が取れているので、このままいけばオークチャンプにも遅れは取らないだろう。


(・・・お、ガッツリ火力を集めたな。これでオークチャンプの1体目は倒したな・・・っと、次が来たな)


 エルフ達はオークチャンプが厄介な魔物と気づいたのだろう、攻撃のタイミングと標的を絞る事でオークチャンプを一気に倒す事に成功したのだが、直ぐに残りの3体が一気に現れた。


 エルフ達も報告は受けていただろうが、実際に一気に3体オークチャンプが来たことで隊列が乱れ崩れそうになるが・・・


『大丈夫っ!私に任せてっ!!』


 戦場の外にいる俺に届く位の大声でエルダーのエペシュが叫んだことにより、エルフ達の士気が上がり、乱れた隊列が元へと戻った。

 そしてそれを確認したのか、エペシュが宣言した通りにオークチャンプ3体へと仕掛け戦況の後押しをする。


(あれは・・・樹魔法?拘束を仕掛けて個別に撃破していくつもりか?)


 エペシュは恐らく樹魔法を使ったのだろう、オークチャンプたちの足元から木が生えてオークチャンプたちを覆い尽くしてしまう。


【補助魔術も重ねて強度をあげておるのじゃ。あれならば多少時間が稼げるので頑張ればいけそうじゃのう、良い判断なのじゃ】


 解説のニアさんも褒めるほどの魔法行使らしく、「おぉ~・・・」と呑気に口を開けて驚いてしまった。


(あー、でも問題は拘束が解ける前に倒していけるかだな。まだまだノーマルオークも多いしなぁ)


【うむ、そこはエルフ達の頑張り次第に期待なのじゃ】


 俺とニアはすっかり実況解説気分でのんびりしていた。と言うのも、俺の見ている感じだと勝てそうな気がするからだ。

 オークチャンプが一気に3体来て戦況が荒れそうになったが、それもエペシュが冷静に対応して封じ込めたし、エルフ達の損害もそこまでではなさそうに見える。

 大番狂わせが無い限り勝てそうな気配なのだ。


(とか言ってると追加できそうだからっと・・・んー問題なさそうだな。というか既に南西側のオークチャンプらしき気配が2つになってる・・・パネェ・・・)


 フラグ臭い事を考えてしまったので心配になり、集中して『索敵』をしてみたいのだが、まとめ役のエルダーの方にいたオークチャンプの気配は既に9つから2つまで減っていた。

 エペシュは『私の倍くらい強い』と言っていたが、それ以上の実力かも知れない。


(けどあっちは普通のオークがまだまだ居そうだから大丈夫かな。その前にこっちのオークチャンプは片付くだろ・・・っと、言ってる間に1匹減ったな)


 危なそうな敵さえ消えてくれれば安心して旅立てるので、残り2体のオークチャンプが片付いたら出発しよう、俺はそう考えていた。



 しかしだ、やはり俺の考えていた事はフラグだったのだろう、大番狂わせになり得る気配を察知してしまった。



(くそっ!何かやってくるっ!)


 捉えた気配の感じではオークチャンプより強く、その気配の主は察知してからアッという間に戦場へと現れた。


『ぶるぁぁぁっぁぁぁあぅっ!!!』


 そいつは現れるタイミングも狙っていたのか、丁度最後のオークチャンプを倒して気が緩みかけた瞬間に現れた。



 名前: グボル

 種族:オークロード

 年齢:??

 レベル:??

 str:???

 vit:???

 agi:???

 dex:???

 int:???

 luk:???

 スキル:??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? 

 ユニークスキル:

 称号: ??? ???



(こいつ・・・!?)


 現れたそいつに鑑定をかけると名前と種族のみが見えたのだが、そいつは名前持ネームドちでステータスも鑑定できない強敵だった。


 そいつ・・・オークロードは、現れるなり叫び声を上げながら持っていたデカい肉切り包丁の様な武器を振り回し、自分の仲間のオークもろともエルフ達を薙ぎ払う。

 その威力は絶大で、武器を振り回した地帯にはバラバラに千切れた死体の身が残っていた。


「エペシュゥゥゥ!!」



 俺の頭は真っ白になり・・・体は戦場へと駆けだしていた。



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 作者より:読んでいただきありがとうございます。

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 ☆や♡をもらえると エペシュが ・・・


 こちらも連載中です。↓『悪役令嬢は嫌なので、魔王になろうと思います。』

 https://kakuyomu.jp/works/16816927860702355532

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