第30話 村へと帰るわんちゃん
本日2話目です。29話の分割みたいな感じなので少し短めです。
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ダンジョンコアが名前を決めてくれというので、俺はダンジョンコアに『ポンコ』という名前を付けた。
(はイ、『ポンコ』で名前を取得イたしマス。・・・龍脈に接続。魔素取得。対象にネーム付与開始。付与完了。そのまま正規登録開始。完了。)
『ポンコ』という名前なのだが、ポンコツなダンジョンコアでポンコなのだが、いいのだろうか?何も言わなかったしいいのだろう。そう思おう。
次に俺はダンジョンコアに外へ出る方法について聞くことにした。最初の目的がそれだったからだ。
「(ダンジョンコア、いやポンコ、次にダンジョンの構成を少し変更できるか?俺たちは外に出たいんだが?)」
(はイ、少しお待ちクださイ。迷宮内の状態を確認しマス。・・・状態確認完了しマしタ。一部迷宮壁の崩落を確認しマしタ。外へ出るダけなら転移昨日を付与イたしマすカ?崩落を復帰させルのは少し時間がカかりマス。)
「(あー、じゃあそれで頼む。どうすればいいんだ?)」
(はイ、コの部屋に居てクれれば付与はできマすので、2日程部屋に居てクださイ)
「(わかった。そういうことらしいごぶ助!この部屋で2日居ればようやく帰れるぞ!)」
「ごぶごぶ、じゃあ2日程適当に待つごぶ」
ごぶ助にようやく帰れると報告するとそんな緩い答えが返ってきた。そしてごぶ助は暇ができたからか棒を振り出し鍛錬し始めた。
ようやく帰れるのに嬉しくないのだろうか?そう思っていたが、ごぶ助は微妙に嬉しそうに棒を振っていた。分かりにくかったが嬉しいのは嬉しいみたいだ。
俺はどうしようか?ポンコに色々質問でもしてみるかと話しかけてみた。
反応がないどうやらただのポンコツのようだ。
どうも転移機能の付加とやらに全力を使っているのか反応がなかった。ポンコツのポンコだから仕方ないかと諦めて、俺も魔法の鍛錬をして暇を過ごすことにした。
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そうやって2日程過ごした日の事だ、ポンコが突然喋りだした。
(転移機能の付与が完了しマシタ。迷宮内の全域へ転移可能でス。)
「(お?ポンコが喋った。転移機能の付与が終わったんだ?)」
(はイ、終わりマしタ。何処へ行きたイか想い浮カべて『迷宮内転移』と念じれバ転移デきマス)
どうやら無事に転移ができるようになったらしい。試しにごぶ助の後ろへ行くイメージをしながら『迷宮内転移』と念じる。
すると視界が一瞬で切り替わり、気が付くとごぶ助の後ろにいた。
「ごぶ!?驚いたごぶ!」
「(すまんすまん。けど無事に転移できるようになったらしい)」
「ごぶごぶ、早速するごぶ?」
「(いやちょっと待ってくれ、一応練習して確認する)」
早速転移を使って帰ろうとするごぶ助を引き留めて、少しだけ転移の練習をする。
練習すると『迷宮内転移』の仕様が少しわかった。俺が転移を使いその時に俺に触れていると触れている人も同時に転移できるみたいだった。
これにより俺は一つの問題がクリアーされて安堵した。その問題とはズバリごぶ助だった。
その問題点であるごぶ助に、俺はそろそろ外に出てみようと声をかけて外に出る準備をした。
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「(いいなごぶ助!絶対手を離すなよ!?絶対だぞ!)」
「ごぶ?離すごぶ?」
「(違うフリじゃない!そして何でそのフリを理解している!)」
このお惚けゴブリンに『迷宮内転移』を使わせるとどうなるか分かったものではない。それが問題だったのだ。
だから俺が『迷宮内転移』を使いごぶ助には俺に触れていてもらう、それにより二人で外に出ることにしたのだ。
そしてごぶ助に手を離せというフリじゃないと教え込んでから、外に出る前にポンコへ声をかけた。
「(じゃあポンコ、俺たちは一旦ダンジョンの外に出る。でもまた帰ってくるからな!)」
(はイ、ワかりマしタ。おマちしテおりマス)
一旦はダンジョンから外に出てゴブリン村へと帰るが、この便利なダンジョンを手放すという選択肢はない。なのでまた戻ってくると言づけて帰ることにした。
「(じゃあ行くぞ?『迷宮内転移』)」
「ごぶごぶ、ごぶっ!?」
俺が『迷宮内転移』を使うと、ごぶ助が返事をする前に視界が切り替わった。その為転移初体験のごぶ助はすごく驚いていた。そんなごぶ助にもう手を放しても大丈夫だと伝え手を放してもらう。
「(うっし、出口が見えてる位置にこれたな。外にでようぜ!)」
「ご・・ごぶ、出るごぶ」
まだ少し動揺しているごぶ助を促して外に出ることにした。見えている出口に向かって歩きダンジョンと外の境を超える。
「(うわぁ・・・久しぶりの外だ・・・。良い青空だなぁ・・・。)」
「ごぶごぶ、久しぶりの森ごぶ。ごぶ?寒くないごぶ?」
「(そうだな・・・、ずいぶんと長くダンジョンにいたから、もう冬が終わって暖かくなってきてるんだろうな)」
ずいぶん長くいたものだなぁ・・・とシミジミ思った。そしてこれだけ長く家を空けてごぶ助一家もすごく心配してるだろうなぁとも思ってしまった。
なので俺は心が急く様な感じになりごぶ助に声をかけていた。
「(さぁごぶ助!早く家に帰ろうぜ!皆待ってるはずだ!)」
「ごぶごぶ、そうごぶな。どこへ行くか言ってけって言われるごぶ」
ごぶ助からは微妙に緩い回答が返ってきた。だが今はそんなことはいいかと思い歩き出した。
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村へと歩いてる途中で帰ったら今回の事をどう話すか、そんな他愛のない事をごぶ助と話しながら歩いていた。
「(だから今回の事はだなぁ・・・ん?)」
「ごぶ?どうしたごぶ?」
「(いや何か変な臭いが・・・。まあ気のせいか)」
ふと急に変な臭いがした気がして立ち止まる。しかし気のせいかと思いまた歩き出した。
しかし村への道を歩いているとドンドンとその臭いは強くなっている気がした。それに森の様子も以前と違う気がする。
以前だともう少し生き物の気配がしたのだがそれがあまり感じられない気がするのだ。
何かがおかしい・・・。
「「・・・・・」」
ごぶ助も俺のそんな様子を感じ取ったのか、二人して無言になった。
村への道を半分くらいは進んだ気がするのだが、俺はなんとなく嫌な予感がして少し歩く方向を変える。
この森は地形の起伏が激しかったり、植生がいきなりガラっと変わったりする少し不思議な森で、俺が方向を変えた先にあるのは、村が見渡せる感じに少し高くなっている崖の方向だった。その崖の方へと歩いて行く。
ごぶ助はそんな俺に無言で続いた。
そして崖へとたどり着き村の方を見ると・・・。
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作者より:読んでいただきありがとうございます。本日の2話目です。
『続きが気になる!』『面白い』『ひどい展開になったりしない?』等思ったら☆で高評価や♡で応援してください。
☆や♡がもらえると 展開が、xxxxxxxとなります。
追記:カクヨムコンテストに応募しました。ぜひ応援をよろしくお願いします。
それに合わせて少しあらすじなどを変えました。
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