第28話 ダンジョンコアとわんちゃん2

 本日2話目です。27話の分割みたいな感じなので少し短めです。


 お詫び:2022/6/24 誤字修正 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 体がビクッ!となって目が覚めた。どうやら夢を見ていたようだ。とてつもない悪夢だったが・・・。目を瞑りホッと息を吐き出して安堵したが、まさか正夢じゃないだろうなと目を開ける。

 周りは石造りの部屋で俺は一人だった。体が重くて動きづらく、すぐ傍から「ごぶごぶ」と聞こえてきた。


「(ひっ!正夢っ!?)」


 俺がそう叫ぶとすぐ傍から声が帰ってきた。


「ごぶごぶ、おはようごぶ」


「(ごぶ助!?一体どこに!?)」


「ごぶ、ココごぶ」


 俺が姿の見えないごぶ助に声をかけると、すぐ上から声が返ってきたのでそちらに顔を向けた。ごぶ助は俺の上で寝ていたようだ。


「(そりゃ重くて傍からごぶごぶ聞こえるハズだわっ!)」


「ごぶっ!?いたいごぶ・・・」


 ごぶ助を退かすために俺はイキナリ立ち上がった。俺の上から落とされたごぶ助は抗議の声を上げていたがそんなことは知らんな。


「(ふぅやれやれ・・・寝起きから疲れたわ・・・)」


 俺は一声呟き改めて辺りを見回した。寝る前と特に変わったところは見当たらず、魔物の襲撃などもなさそうで安心した。

 そういえば寝る前のご飯は果物を食べただけだったなと思い出す。そして思い出したらお腹が減ってきたので立ち上がったごぶ助に声をかける。


「(ごぶ助、ご飯にしようぜ。寝る前に果物しか食べなかったからお腹が減ってきたわ)」


「ごぶごぶ、我もお腹が減ったごぶ。お肉食べるごぶ」


 ごぶ助はそう言ってアイテムボックスから肉を取り出し棒に刺した。俺はその棒に刺した肉に向かって『火魔法』を使い肉を焼きだした。

 何気なくいつも通りに魔法を使ったが魔力は回復しているみたいだった。


「(なあごぶ助、今日もご飯食べた後にダンジョンコアに魔力入れてみるつもりだから、念のために夜食べる様の肉も焼いておこうぜ?)」


「ごぶごぶ、いい考えだと思うごぶ。じゃあドンドンお肉焼くごぶ」


 また魔力がなくなってヘロヘロになると魔法が使えなくなるため、予め夜用に肉を焼いておくことにした。

 そうしてドンドン肉を焼き、焼き終わったら朝用の肉を食べて今日の活動を始めることにする。


「(うっし、じゃあ今日も一丁魔力入れてみるか)」


 俺は声を出して気合を入れて魔力を込めようとする。だがその前にユニークスキルを使っておくことにした。

 ユニークスキル発動と心の中で念じ、さぁて今度こそダンジョンコアに魔力を込めようとした時ごぶ助が声を上げた。


「ごぶ、そういえばこれ使えないごぶ?」


 ごぶ助はそう言ってアイテムボックスから魔石を取り出した。


「ごぶごぶ、確か魔石は魔力がある石ごぶ?なら魔力を入れるのに使えないごぶ?」


「(なるほど・・・、言われてみればそうだな。使えるかもしれん。だけど問題はどうやって使うかだな)」


「ごぶ、とりあえずこうしてみるごぶ」


 ごぶ助はそう言って魔石をダンジョンコアに押し付けた。すると不思議なことが起こった。


「ごぶっ!?魔石がダンジョンコアに入っていくごぶ!?」


 そう、なんと魔石がダンジョンコアに吸収されるみたいに入っていったのだ!


「(おお!いきなり正解の使い方だったのか!?とりあえずジャンジャン入れてみてくれごぶ助!)」


「ごぶごぶ、持ってる分は全部入れてみるごぶ」


 ごぶ助はアイテムボックスから魔石を出してはダンジョンコアに押し付けて吸収させていく。ミノタウロスからでた大き目の魔石も芋虫から出てきた小さな魔石も全部だ。そうしてアイテムボックスに入っていた全部の魔石が入れ終わる。


「ごぶ、これで持っていたのは全部いれたごぶ」


「(ふーむ・・・、特に何にも起こらないな?しいて言えば色が少し透き通ったくらいか?)」


 結局ダンジョンコアに変化はなかった。後は地道に魔力を入れていくしかないだろう。


「(じゃあ後は俺が魔力を入れていくか。いやまてよ・・・)」


 ダンジョンコアに魔力を入れようとした俺は一つ思いついたことがあった。それはごぶ助にも魔力をいれてもらえばいいんじゃないかという事だ。とりあえずそれをごぶ助に話してみる。


「(ごぶ助お前も魔力を入れる事ってできないか?)」


「ごぶ?わからないごぶ。一回やってみるごぶ」


 ごぶ助はそう言ってダンジョンコアに手を当てた。そして集中するように目を瞑り唸りだす。


「ごぶぶぶぶぶぶぶ・・・、ごぶっ!」


 ダンジョンコアに手を当てて唸っていたごぶ助は、いきなりカッと目を見開き力強く声をあげた!

 俺は自然とこみ上げてきた言葉を口に出した。


「(・・・やったかっ!?)」


「ごぶ、多分できてないごぶ」


「(デスヨネ)」


 自然と口にでたやってないフラグの通り、やっぱりだめだった。

 でも魔力事態はごぶ助にもあるはずなんだがなあ。魔法を使ったことが無いからその感覚がわからないのか?

 俺は少し考えて、これならどうだろうと試してみる事にする。


「(ごぶ助、そのまま手を当てたままにしておいてくれ)」


「ごぶ?わかったごぶ。なにするごぶ?」


 俺はごぶ助の疑問に答えずに、ごぶ助の当てている手の上から俺の手を当てて目を瞑り深く集中する。そしてそれを強くイメージした。

 そのイメージとは、俺の魔力を一旦ごぶ助の魔力に経由させてからダンジョンコアに移動させるという物だった。

 目を瞑り集中しながら強く強くイメージする。そうするとそのイメージ通りにできたのかごぶ助から声が上がった。


「ごぶっ!?何かが我の中を通って出ていくごぶぅ~!」


「(変な声をだすんじゃあナイッ!!・・・あっ!)」


「ごぶ?」


 ごぶ助が変な声を上げるものだから集中が一瞬で途切れた。しかもそれだけならよかったのだが、初めてやる魔力の使い方だったので魔力が暴走するみたいになってしまった。


「(ごぶ助、先に謝っとくわ。ごめんな!)」


「ごぶっ!?何が起こるごぶ!?」


「(いや・・それはわから)」



 俺のセリフの途中で、カッと光りが俺たちを包み込んだ。



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 作者より:読んでいただきありがとうございます。皆様のおかげでPV数も上がってきております。これからもよろしくお願いします。

ちなみにですが、次話当たりより1章終わりを目指していくので怒涛の展開になる予定です。なので『続きがきになる!』と思ったら☆で高評価や♡で応援してください。

 ☆や♡がもらえると デュエルが、スタンバイします。


 赤いキツネと緑のたぬきのコンテストがあったので書いてみました。

 よろしければ↓になります。どうぞお読みください。 

 https://kakuyomu.jp/works/16816700429090484182

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